パズルの国のアリス

奇妙な時計屋(解答)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 各時計の分針は,長さや方向がさまざまだから,30個の時計をまとめて考えると混乱する。1つの分針に着目しよう。テ-ブルの中心をTとし,分針の回転軸をWとする。Tから線分WTに垂線lを引く。分針の先端をMとすると,Mから直線lまでの距離,すなわち右図のMHの長さの平均は,明らかにテーブルの中心と分針の回転軸との距離TWに等しい。一方,テーブルの中心と分針の先端との距離TMは,通常MHより大きいから,平均するとTWより大きい。

 個々の時計すべてについて同じことが言えるので,30個の時計すべてについて合計しても,TMの合計は,TWの合計より平均すれば大きくなる。従って,TMの合計がTWの合計より大きくなる瞬間は必ず存在する。

参考にした本
Mathematical Puzzles:A Connoisseur's Collection(2004)
Mathematical Mind-Benders(2007) P. Winkler著

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