パズルの国のアリス

サンドイッチ勝負の行方(解答)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 最初に並べる空き皿の枚数をnとしよう。nが小さい場合,2人が最善を尽くせば,引き分けに終わってしまうことは,ちょっと調べるだけですぐにわかる。nがある程度大きい場合でも,2人が慎重にプレーすると,どちらにもなかなか勝ちは訪れない。

 しかし,丁寧に調べていくと,どちらかが勝つための条件は,途中で「パン-空き-空き-パン」という皿の列ができることだとわかる。それ以外のパターンで空き皿が残っている場合,そのときの手番の人は,その手で勝てなくとも,次の手番で負けてしまうのをさけるように空き皿を埋めることができる。逆に空き皿が「パン−空き−空き−パン」というパターンでしか残っていないとき,そのときの手番の人がどの空き皿をどのように埋めようと,次の手番でサンドイッチを作られて負けてしまう。

 空き皿が「パン−空き−空き−パン」というパターンでしか残っていない場合,当然空き皿の合計枚数は偶数である。ということは,自分の手番のとき,空き皿が奇数枚ならば,少なくとも負ける心配はないということである。1手で埋まる空き皿は1枚だから,この奇偶性は1ラウンドの間は変わることがない。従って,どちらかに必勝があるとするならば,その必勝法は,nが奇数枚なら先手にあり,nが偶数枚なら後手にある。

 実際,nが7以上の奇数なら,先手は第1手で中央の皿にパンを載せることで勝つことができる。後手が2手目で何をしようと,先手は,すぐに勝てない限り,3手目では後手の2手目の皿とは反対側に中央から2皿空けてパンを置けば良い。あとは,負けないように空き皿を埋めていれば,後手は,パン皿の間の2つの空き皿に先に手を付けざるを得なくなる。一方,nが奇数であっても,5以下ならば,引き分けに持ち込むことが後手には可能である。たとえば,先手が最初にパンを置いても,後手は,2手目でそこから2皿空けて具を置いてしまうことで先手の戦略を阻止できる。

 ではnが偶数ならばどうだろうか?

 nが十分大きくて,先手の第1手からも端からも十分離れた皿が選べるなら,後手は,第2手目でその皿にパンを置き,第4手目でそこから2皿空けてさらにパンを置くことで,勝つことができる。具体的に調べてみると,nが偶数のときは,16以上ならば,後手に必勝法があるが,14以下だと引き分けに終わることがわかる。最初に並べる空き皿が単に一列ではなくて両端が閉じた輪になっていると,少し様子が変わる。調べてみられたい。

参考にした本
Mathematical Puzzles:A Connoisseur's Collection(2004)
Mathematical Mind-Benders(2007) P. Winkler著

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