パズルの国のアリス

蜂の巣迷路(解答)

坂井 公(筑波大学) 題字・イラスト:斉藤重之

 いくつか図を描いてやってみると,「隣接する部屋の矢印の向きの違いが60°以下」という条件がきつくて,設計がうまくいかないことに気づかれよう。

 実際,この条件下では,ハンプティの報復は実行不能なのだ。その証明としては,次のものがかなりエレガントと言えよう。ある部屋からスタートして,蜂の巣から出られないとしたら,巣の部屋数は有限だから,どこかで同じ部屋に戻り,後は堂々巡りを繰り返しているはずである。そのような部屋のループをCとする。そういうループCを持つ巣の設計が可能だとして,そのような設計の中でCとその内部にある部屋の総数を最小にしたものを考える。さて,ループCは反時計回りだとしても,一般性は失わない。

 このとき巣の各部屋の矢印を全部一斉に反時計回りに60°回転させてみよう。こうしても,「隣接する部屋の矢印の向きの違いが60°以下」という条件は保たれたままである。また,Cやその内部のどの部屋からスタートしても,Cの矢印はループの内部を指しているから,Cの外に出ることは不可能であり,その中にさらに小さいループを持たねばならない。これは,Cとその内部の部屋数を最小にしたことに矛盾する。

参考にした本
Mathematical Puzzles:A Connoisseur's Collection(2004)
Mathematical Mind-Benders(2007) P. Winkler著

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