パズルの国のアリス

完走せよ! コーカスレース(問題)

坂井 公(筑波大学)題字・イラスト:斉藤重之

完走せよ! コーカスレース

 

ドードー鳥は新しいタイプのコーカスレースをアリスに提案した。

「このレースでは車を使うのよ」とドードー。

「でも,あたし,車の運転はできないわ」とアリス。

「ばかね,あんた。運転なんか,あんたがしなくてもいいのよ。そこのトカゲのビルに代わりにやらせればいいでしょ。問題はね,そういうことじゃないの。 このレースはね,コースを一周すれば勝ちなのよ。スピードはどうでもいいの。スタートもどこからでもいいし,どっちに回ってもいい。でもね,燃料はちょうど一周分しかないの。ポリ容器に入れてコース上の6カ所に分けて置いてあるわ」

「途中で燃料が切れて動けなくなったら……」

「そしたら,あんたの負けね。そうね,燃料が置いてある場所とその量は正確に教えてあげるわ。どうせあんたおばかさんだから,それがわかってもどうしようもないでしょ」

アリスがまだためらっていると,ドードーはしびれを切らして言った。

「じゃあ,本番と同じ条件のコースを試しに一周させてあげる。好きなだけ燃料を積んで,試すといいわ」

 

 

今月の問題:完走せよ! コーカスレース

 問題

本番のレースではどこかからスタートして,燃料を拾い集めながら,コースを一周できればよい。アリスは,グリフォンに相談してみた。すると,グリフォンが言うには,燃料がどのように分割され,どこに置かれていようと必ず一周できるという。それは本当だろうか?

また,本当だとしても,出発点と回る方向をどうやって決めればいいだろうか? ドードーは約束通り,燃料の置き場所とその量を本番通りにしたコースで試走させてくれる。

 


 

編集部からのネタバレ的なお節介

 

「コーカスレースって何?」──『不思議の国のアリス』の3章でアリスはドードーにこう尋ねています。ドードーの提案したこのレースは円形コースのあちこちに皆がバラバラに立ち,好きなときに走り始めて,好きなときに終わりにできる,というもの。

原語のcaucusには「政党の党員集会」といった意味があり,誰もが勝手にしゃべり出して「自分が勝った」と主張する会議を風刺したという解釈があります。翻訳では「がやがや競走」「カンソウレース」などの訳もあります。後者は,アリスたちがびしょぬれになった服や身体を乾かすためにこのレースを始めたことにちなんで「乾燥」と「完走」を掛けたもの。今回のパズルタイトルは,この訳からヒントを得ました。

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