■R.
A. バークリー
物事に注意を払えない,不適切な状況で走り回る,絶え間なくしゃべり続け,他人の邪魔をする…。注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供たちは,周囲の環境に応じて自分自身をコントロールできないため,日常生活のなかで多くの困難に直面してしまう。こうした障害をもつ子供は,学齢期の児童の2〜9.5%といわれる(日本では,5〜8%と推測されている)。
ADHDの原因は解明されていないが,最新の画像技術を用いた研究から,脳の中の注意をつかさどる領域が縮小していることがわかってきた。さらに,ドーパミンDA受容体の変異やドーパミントランスポーター遺伝子の特定の多型がADHDに関与しているという報告もある。これらを手掛かりとして,ADHDの理解や治療法に道が開けるかもしれない。(編集部)
著者 Russell A. Barkley
ウスターにあるマサチューセッツ大学医学センターの心理学主任であり,精神・神経学教授である。ノースカロライナ大学チャペルヒル校を卒業し,ボーリング・グリーン州立大学で修士号,Ph.
D.を取得した。注意欠陥多動性障害を25年にわたって研究しており,多くの論文を発表している。著書にADHD and the Nature
of Self-Control(Guilford Press, 1997)やAttention-Deficit Hyperactivity
Disorder: A Handbook for Diagnosis andTreatment(Guilford Press, 1998)などがある。 |