日経サイエンス  1998年11月号

海水で砂漠を農場に

E. P. グレン(ハワイ大学) J. J. ブラウン J. W. オリアリー(ともにアリゾナ大学)

 国連食糧農業機関(FAO)の報告によると,30年後には熱帯と亜熱帯の人口が爆発的に増加するという。食糧受給のためには新たな水と土地が必要となってくる。そこで著者たちは海水で農業ができないかと考えた。海水農業ならば,貴重な淡水を使ったり,森林地帯を伐採しなくても,作物を栽培できるようになる。現在,海水の塩分に耐えられる塩生植物のアッケシソウを用いた栽培実験では,成功しているが,残る問題は経済性である。(編集部)

著者

Edward P.Glenn / J.Jed Brown / James W.O'leary

グレンは,ハワイ大学でPh.D.を取得後,1978年から自称“臨海農業経済学者”として研究を続けている。現在彼はトゥーソンのアリゾナ大学土壌・水利用・環境科学学部の教授である。ブラウンは,アリゾナ大学の野生動物・水資源課程でこの5月にPh.D.を取得。オリアリーは,アリゾナ大学の植物科学学部教授。彼は1963年にデューク大学でPh.D.を取得。植物科学の分野で60冊以上の著書があり,1990年には米研究会議の委員を務め,発展途上国のために海水農業の可能性を検討した。

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塩水で農業」,M. ハリス,日経サイエンス2016年11月号。

原題名

Irrigating Crops with Seawater(SCIENTIFIC AMERICAN August 1998)