日経サイエンス  1997年12月号

水面を走るトカゲ

J.W.グラシーン T.A.マクマホン

 央アメリカに生息するバシリスクは,水上を疾走する不思議なトカゲとして有名である。バシリスクはイグアナ科に属するトカゲで,体の色は緑か褐色に近く,びっくりすると後脚を使って池や湖の上を疾走する(バシリスクという言葉は,もともとは1度にらむだけで人を殺したという伝説上の爬虫類のこと)。

 

 若いトカゲは空中を飛んでいくように見えるが,大きく育ったものはいくぶん沈んでいるようにも見える。著者たちはコスタリカの降雨林で捕獲した7匹のブラウン・バシリスク(Basiliscusbasiliscus)を使ってその動きをビデオ撮影して解析し,またそれを力学的に理解するモデルを構築することで,このトカゲの素敵な移動の秘密を解き明かすことができた。(本文より)

著者

James W. Glaheen / Thomas A. McMahon

2人はハーバード大学でバシリスクの水上における能力について研究した。マクマホンは工学・応用科学部教授。グラシーンは現在はマッキンゼー社のコンサルタントで,この研究をしたときは博士課程の学生だった。

原題名

Running on Water(SCIENTIFIC AMERICAN September 1997)