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日経サイエンスは米国の科学雑誌「SCIENTIFICAMERICAN」の日本版です。

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SCIENTIFIC AMERICAN
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   イルカの気泡リング遊び
写真■K. マーティン/K. シャリフ/S. プサラコス/D. J. ホワイト

 イルカがどれほど遊び好きで,想像力にあふれているかは,この論文を読めばたちどころに理解できるだろう。イルカたちはおもちゃを与えられなくても十分楽しめるようだ。自分たちでおもちゃを作り出すことができるのだから。もちろん,おもちゃ作り自体も楽しい遊びであることは言うまでもない。

 イルカたちが自分で作るおもちゃとは,気泡のリングだ。噴気孔(鼻孔にあたる)から水中に吐き出す空気を巧みに調節して,リング状にする。あるいは,リングを作るのに不可欠な渦を尾ビレで作り出しておいてから,その渦に空気を吹き込んでリングにする。もっと複雑な技術を使って,気泡のチューブをつくるイルカもいる。  仲間とリングを交互に作って遊んだり,自作のリングで輪くぐりをしたり。著者たちがシャボン玉を吹いているのを見て,リングを作り始めたり。

 リング作りは,イルカが食べ物をとるために必要なものでもなければ,繁殖に関係するものでもない。もちろん,人間が訓練したのでもない。イルカたちは,自分たちが作りたいときに,遊びとしてリングを作っているのである。

 こうしたイルカのリング作り遊びは世界中の水族館で観察されている。とはいえ,ある程度の技術が必要らしく,どのイルカでもすぐにできるわけではない。しかし,面白いことに,初心者が上手なイルカのリング作りから学んで,テクニックを覚えるらしい。リング作り文化とでも呼ぶべきものができているのである。(編集部)


著者 Ken Marten, Karim Shariff, Suchi Psarakos and Don J. White

4人は過去2年間にわたり,イルカのリング作りの生態研究に携わってきた。マーティンはイルカの生態や生物音響学に関する研究者で,アーストラストが運営するイルカ計画の責任者。シャリフは米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターの流体動態学の専門家。プサラコスはコンピューター科学者でイルカ計画の野生イルカ調査の副責任者。ホワイトは,海洋哺乳動物の保護活動を促進するため1976年にアーストラストを設立し,地域のイルカの調査や社会教育キャンペーンをしている。4人はハワイ・シーライフパークのスタッフの協力があってこの原稿ができたと感謝している。アーストラストについての問い合わせ先は,Earthtrust, Sea Life Park Hawaii, Kaneohe Bay Drive, Kailua, Hawaii, U.S.A. 96734。電子メールはearthtrust@aloha.net。
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