日経サイエンス 2005年3月号

特集:インフルエンザの脅威

2005年1月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,333円+税

ご購入はお近くの書店または下記ネット書店をご利用ください。

  • セブンアンドワイ

編集部から一言

鳥インフルエンザによる犠牲者の報道がまたありました。もし,このウイルスが変異して,人から人へと感染するようになったら……。今月の特集は「インフルエンザの脅威」です。
ウイルスものをもうひとつ。こちらは進化のお話。細胞の核の起源はウイルスであるなど,新しいウイルス観を紹介します。
ほかには,海王星の発見者1人とされるアダムズはその栄誉にふさわしい仕事をしたのか? ルネサンス絵画の驚くべきリアリズムをもたらしたのはレンズか画家の力量か? などなど

医学

特集:インフルエンザの脅威

前回の世界的流行から40年あまりの空白期を経て,再びパンデミック襲来の危機が迫ってきた。新型との闘いに備え,ウイルス解析やワクチン開発研究が進められている。

 

1918年の殺人ウイルスを追う  J. K. タウベンバーガー/A. H. リード/T. G. ファニング

史上最悪の犠牲者を出したスペイン風邪ウイルスを解き明かす。

 

パンデミックは再来する 鳥インフルエンザに隠された殺人鬼の影  堀本泰介/河岡義裕

強い毒性をもつ新型ウイルス出現のメカニズムを探る。

 

 

薬学

脳内マリファナを医療に生かす  R. A. ニコル/B. E. アルガー

私たちの脳には麻薬に似た作用を持つ化学物質があり,痛みや不安,空腹感,吐き気などを調節している。これら脳内化学物質の研究から,さまざまな症状を和らげる新たな治療法が生まれつつある。

 

生物学

ウイルスは生きているのか  L. P. ビラリール

発見当初から生物か無生物かが問われてきたウイルス。両者の境界線上の存在といえるが,ウイルスを生物界から外に閉め出してしまうと,生物の進化に果たしてきた役割の大きさを見誤ってしまう。

 

古生物学

アラスカ北極圏にいた恐竜たち  A. R. フィオリロ

7000万年前のアラスカ北部に少なくとも8種類の恐竜が群れをなして生息していた。北極圏の厳しい気候をどのように生き抜いていたのだろうか。寒さや暗さにうまく適応したものもいたようだ。

 

天文学

盗まれた名声 海王星発見秘話  W. シーン/N. コラーストーム/C. B. ワフ

海王星は英仏の天文学者が天王星の軌道のずれから理論的に存在を予測し,同時期に発見したというのが定説だった。ところが英国側の“発見”の根拠はどうやら怪しいらしい。

 

芸術と科学

ルネサンス絵画 リアリズムの謎  D. G. ストーク

ルネサンス期,様式的だった絵画が突然,本物そっくりに描かれるようになった。これらはレンズや鏡など光学的な器具を利用して描かれたという説があるが,本当だろうか。

 

神経科学

脳を揺さぶる音楽  N. M. ワインバーガー

音楽にこんなにも心を動かされるのはなぜか。脳は音楽をどう処理しているのだろうか。最新の脳画像研究から,その秘密が少しずつ見えてきた。音楽によって,脳そのものが変化していく。

 

 

 

世界の研究室から

 バンクーバーの干潟に学ぶ「広く浅く」の大切さ  坂巻隆史(ブリティッシュコロンビア大学ポスドク研究員)

サイエンス考古学

 カーテンウォール/ウエストナイル熱/筆記マシン/奉天の墓/無謀な指揮官/浮かぶ石

TOPICS

研究者の想像を超えたインド洋大津波/恐竜を食った哺乳動物/ハッブルをどう修理するか/想像力が生む幻/眼の幹細胞に注目/姿を見せた超流動固体/嘘つきは去れ!/高感度の超電導重力計/波に乗る電子/米国を騒がせるアジアの雷魚 ほか

外来どうぶつミニ図鑑

 タイワンザル 固有種を脅かすそっくりさん  文・写真 鈴木欣司

素顔の科学者たち

 フェルミ凝縮を実現  デボラ・ジン

いまどき科学世評

 青色LED和解で露呈した司法の愚  塩谷喜雄

パズリング・アドベンチャー

 双子の冒険(3) 麻薬輸送バスのナンバーは?  デニス・シャシャ

旅して発見!

 ガラパゴス諸島の不思議な動物たち  文・写真:渡辺政隆

WAVE

 都市型温泉開発の落とし穴/見えてきた衛星たちの素顔/無理やり見せる

ブックレビュー

 『中尾佐助著作集』

 『喪失と獲得』

 <連載>森山和道の読書日記 ほか

掲示板

セミコロン

次号予告