日経サイエンス 2004年10月号

BSE阻止の決め手 発病前にプリオンをつかめ

2004年8月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,333円+税

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

表紙を飾るカメラ目線の牛たちが感染しているわけではないのですが,食の安全を大きく揺るがしたBSE(いわゆる狂牛病)が今月号のトップ記事です。プリオンの発見者であるプルシナー本人が,全頭検査の必要性を説きます。
俗世界をしばし忘れたいのなら,中世の皇帝が大枚はたいて入手した謎の「ヴォイニッチ手稿」などはいかがでしょう。「平凡な星の華麗な最期」もおすすめです。これまでにお届けしてきたたくさんの記事の中でも,写真モノとしてはこれがピカイチです。本当にきれいです。こんなのが,夜空のどこかにあるんだと思うだけで嬉しくなります。「ポアンカレ予想」がついに証明できたというお話もいいですね!

 

バイオテクノロジー

BSE阻止の決め手 発病前にプリオンをつかめ  S. B. プルシナー

プリオン研究の第一人者である著者は,食肉への信頼を取り戻すには全頭検査の意義を改めて認識すべきだと主張する。生きた牛でのプリオン検出を目指す最新検査法についても紹介。

 

情報技術

超高密度記録をひらくスーパー磁気センサー  S. A. ソーリン

高速で高感度なナノサイズ磁気センサーを作るための有望技術が登場した。超大容量ハードディスクの実現も夢ではなさそうだ。

 

天文学

平凡な星たちの華麗な最期  B. バリック/A. フランク

太陽と同じくらいの重さを持つ星たちが死を迎えるとき,色とりどりのガス層が美しい模様を織りなす天体ショーが出現する。この複雑な構造から星の進化の過程を探る手がかりが得られそうだ。

 

最終回 短期集中連載 がらくたDNAに注目せよ

進化を演出したレトロポゾン  岡田典弘

自らをコピーしてはゲノムに再挿入する寄生体のような「レトロポゾン」。ヒトゲノムの実に4割以上をレトロポゾンが占めている。この奇妙な因子は進化とどうかかわっているのだろう。

 

数学

ついに証明された? ポアンカレ予想  G. P. コリンズ

100年前に提唱された数学の難問が,ついに証明されたようだ。私たちが住んでいる空間の「形」についての謎が解き明かされた。

 

地球科学

原始地球の気候を支配したメタン菌  J. F. カスティング

大昔,太陽は今よりもずっと暗かった。原始地球が凍り付かずにすんだのは,温室効果ガスのメタンを吐き出すメタン菌のおかげだった。

 

暗号法

ヴォイニッチ手稿の謎  G. ラグ

奇妙な文字で書かれた中世の謎の文書。解読の試みはすべて失敗した。しかし最近の研究から,意外な真相が浮かび上がってきた。

 

核兵器

ハイテク社会を揺るがす宇宙からの核攻撃  D. G. デュポン

大気圏外の宇宙で核爆弾を爆発させると,人工衛星がマヒしてハイテク社会は大打撃を受ける。防衛策はあるのか?

 

 

 

世界の研究室から

 実践応用主義のワーヘニンゲン大学で学ぶ  佐藤京子(農林水産政策研究所)

サイエンス考古学

 経済心理学/DNAの構造/動力の変遷/冬季の捕鯨/弾丸列車

TOPICS

地球がだんだん暗くなる/土星探査機,活動開始/高校生も新粒子探しに挑戦/クジラの翼で飛べ!/抗菌石けんに罪はない?/沖縄を物理の発信地に/めざましホルモン/規制の必要高まる遺伝子組み換え昆虫/古代中国の進んだ工作機械/成層圏にだまされた衛星観測/糖尿病治療に新たな可能性/宇宙で水槽を揺らす ほか

旅して発見!

 ジョンストン海峡でシャチの群れに出会う  文・西森有里/写真・山田こずえ

いまどき科学世評

 少子高齢化が問うもの  塩谷喜雄

パズリング・アドベンチャー

 カウボーイのバケツ  デニス・シャシャ

大江戸野鳥細見

 “江戸っ子”の鳥カラス  松田道生

ピュタゴラスたちの真実

 2つの数学という歴史の鏡  斎藤憲

素顔の科学者たち

 色から言語の秘密をあぶり出す  ポール・ケイ

WAVE

 「5万年前の壁」は破れるか/潜水艇で木を伐る/20世紀の最も偉大な進化生物学者の100年

ブックレビュー

 『認識論を社会化する』

 『医学者は公害事件で何をしてきたのか』

 <連載> 森山和道の読書日記 ほか

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