日経サイエンス 2001年3月号

アルツハイマー病:解けてきた発症の謎

2001年1月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,333円+税

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

最初の論文は,誰もが無関心ではいられないアルツハイマー病を取り上げます。症状が出る前から,患者の脳ではひたひたと“あること”が進行しています。何が,どういう順序で起きるのか――。最近,ようやくわかってきました。
表紙を飾っているのは,1億6000万年前のジュラ紀に栄えた魚竜です。 魚そっくりの姿をしていますが,爬虫類です。 日本と中国から最古の魚竜の完全骨格標本が見つかり,がぜん研究が進んできました!
その他,カーボンナノチューブ,宇宙塵,都市計画など,今月も身近なテーマから,ハイテク,太古の生物まで,ずらりとそろえました。

アルツハイマー病 解けてきた発症の謎  P. H. セントジョージ=ヒスロップ

高齢化にともない,アルツハイマー病が身近な問題になってきた。神経細胞に生じる2つの変化,老人斑と神経原線維変化が引き起こす細胞への障害が明らかになってきたことで,謎につつまれていた病気のメカニズムが徐々に解明されつつあり,新薬への期待が高まっている。

 

ジュラ紀の海の支配者──魚竜  藻谷亮介

恐竜たちの時代,海では別の爬虫類である魚竜(イクチオサウルス)が我が物顔に泳ぎ回っていた。どのような道筋を経て,水中生活に適応したかはずっとわからなかったが,最近になって最古の完全骨格標本が日本と中国から見つかり,その謎が明らかになってきた。

 

“輪廻転生”する宇宙塵  J. M. グリーンバーグ

星間を漂う宇宙塵は太陽系の起源を探る手掛かりになる。宇宙塵には“生涯”があり,それを何度も繰り返すことがわかってきた。地球に落下した宇宙塵が生命の起源になった可能性もある。

 

カーボンナノチューブ—急展開する電子応用  P. G. コリンズ/P. アボーリス

極細の筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」の応用開発が活発になっている。特異な電気的特性を生かし,高速・高効率・長寿命の電子素子への応用は製品化の競い合いが激しくなってきた。

 

ボース・アインシュタイン凝縮の世界を見る  G. P. コリンズ

実験物理学の分野で現在,ボース・アインシュタイン凝縮体に熱い目が注がれている。極低温で現れるこの奇妙な凝縮体は,粒子の波の性質を利用した原子レーザーを実現したり,量子物理学のさまざまな側面を明らかにできる。

 

新しい「魔法数」の発見  谷畑勇夫

自然界の現象の多くは,「魔法数」と呼ばれる不思議な法則に支配されている。原子核の構造にも魔法数があるが,最近,定説を覆す新しい魔法数が見つかった。この発見は,宇宙で種々の元素がつくられた謎を解く手掛かりになる。

 

都心回帰で変わる市街地計画  D. D. T. チェン

これまで郊外が中心だった住宅建設が都心部に回帰し始めた。行政も都市のスプロール現象を防ぐため,都市部の再開発を後押ししている。米国の都市開発の最新事例を紹介する。

 

 

 

世界の研究室から

 “夢の時代”に突入する睡眠研究  西野精治(スタンフォード大学準教授)

サイエンス考古学

ハイテク・アウターウエアがなかった時代/細胞化学/火星の運河/飛行機/手の内はお見通し/米国の傷/水晶宮

TOPICS

遺伝子診断で雇用差別/隕石か,それともロケットか?/コレステロールが低ければ効く心臓病薬/けんかする右脳と左脳/サンゴ礁の保護・回復に思わぬ発見/太陽系外惑星は本当は恒星?/粒子状物質の挙動を小さな鉄球で解明/船のバラストに潜み細菌が密航/科学的に不確実な問題への対応で議論活発に/米国で増える身体障害者の失業/進化するボール

地球 塩の旅

 メキシコの巨大塩田  文・写真 片平孝

錯視のデザイン学

 直線を湾曲させるトリック  北岡明佳

右の世界,左の世界

 古代建築の中心軸の謎  黒田玲子×中川武(早稲田大学理工学部教授)

WAVE

 『2001年宇宙の旅』を検証する/ビジネスで広がる複雑系の応用/心臓病患者招待ゴルフトーナメント

数学レクリエーション

 ジャンピング・チャンピオン  I. スチュアート

ブックレビュー

 『世界の知性が語る21世紀』

 『生命に隠された秘密』

 <連載>森山和道の読書日記  ほか

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