日経サイエンス 2000年11月号

レーザーの新たな革命「フェムト秒技術」

2000年9月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,333円+税

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

巻頭は1000兆分の1秒という,極端に短い信号を放つレーザーの話。表紙にもなっている眼科の手術をはじめ,超精密加工などあちこちで活躍が期待されています。今までのレーザーとは,だいぶ違います!
2本目では,石油の代わりに植物から作るプラスチックが本当に環境に優しいのかどうかを検証します。
「ダーウィンと現代思想」では,20世紀を代表する進化生物学者の1人,エルンスト・マイヤーが,ダーウィンの偉大さを語ります。
ほかには,多くの男性が悩んでいるED(勃起障害)の科学,17世紀にがらりと変わった西洋料理の話,星の起源の話,最新ニュースが飛び込んできたヒッグス粒子を探すLHCの話などなど……。

レーザーの新たな革命「フェムト秒技術」  J-M.ホプキンス/W. シベット

1000兆分の1秒(フェムト秒)という極めて短い信号を放つ画期的なレーザーが登場した。これを利用した「フェムト秒技術」が超精密の材料加工や外科治療など新しい応用分野を開拓しようとしている。

 

植物性プラスチックは本当に環境にやさしいのか  T.U.ガーングロス/S.C.スレーター

石油の代わりにトウモロコシなど植物からプラスチックを作る技術が実用段階に入った。化石燃料の消費削減や地球環境保全につながると宣伝されているが,本当にそうなのか。

 

星の誕生の謎に迫る  T. P. レイ

星の形成過程はこれまでよくわからず,理論と観測結果が矛盾することも多かった。観測技術が進むにつれ,矛盾点も解明され,星が誕生するまでのシナリオが描けるようになった。

 

知の21世紀へ

ヒッグス粒子を探す大型加速器LHC  C. L. スミス

スイス・ジュネーブ郊外で世界最大の粒子加速器LHCの建設が進められている。世界の研究者が協力し,理論的に予言されているヒッグス粒子など,素粒子の究極の謎に挑もうとしている。

 

性機能障害の科学 EDはなぜ起きるのか  I. ゴールドスタインほか

男性の性機能をコントロールするのは脳と脊髄だ。勃起を調節する中枢神経系の研究が進み,勃起障害(ED)をはじめとする性機能の障害が解明され,有効な治療法が生まれている。

 

炎が生み出す新素材  A. バーマ

物が燃えるとセラミックスや合金ができるのはなぜなのか。高速ビデオカメラなどで燃焼反応を直接観察できるようになり,高温超電導体など新素材の開発に役立ちそうだ。

 

ダーウィンと現代思想  E. マイヤー

進化論の提唱は当時の社会にとって衝撃だった。その後の生命観,世界観の変化を見ると,ダーウィンが進化生物学を超えて,新しい時代の考え方を生み出したことが理解できる。

 

17世紀に生まれ変わった西洋の医食同源  R. ローダン

現代の西洋料理の起源は1650年ごろまでさかのぼる。それ以前は,食材は同じでも今とはまったく違う料理を食べていた。医食同源の考え方の転換が,この変革をもたらした。

 

 

 

世界の研究室から

米国で最初の人類遺伝学科  倉地幸徳(ミシガン大学医学部教授)

新連載 地球 塩の旅

ウユニ湖  文・写真 片平孝

サイエンス考古学

遺伝学に新説/核シェルター/1900 年の国勢調査/ルックウッド陶器/水力発電の威力/甲状腺腫とクレチン病/でんでん虫電報?

TOPICS

ゲノム・データ利用のカギを握る欧州のプロジェクト「アンサンブル」/ゲノム研究の課題は/火星表面に細かな溝/オーロラのように波打つ断層/高温超電導を送電などに応用/潜水艦探知のソナーはクジラに迷惑?/石油埋蔵量は豊富か/バングラデシュで井戸水がヒ素汚染/骨折予防にコレステロール抑制剤が効果?/宇宙の地図作り/握手はしっかりと/鳥類の祖先は爬虫類か

夢に賭ける

バイオマスに生きる「実験場」の理念  竹田頼正(三菱重工業長崎研究所所長)

WAVE

携帯電話は安全か/ネットで映画の海賊版流通は防げるか/名前のイメージと期待度

錯覚の情報学

知覚の仕方に個人差を生み出す環境  柏野牧夫・西田眞也

右の世界,左の世界

「右の心臓」で探る進化の謎  黒田玲子×横山尚彦(東京女子医科大学助手)

数学レクリエーション

3目並べのフラクタルガイド  I. スチュアート

ブックレビュー

『南極に暮らす』  渋谷和雄

『空飛ぶガチョウはなぜ太らないか』  渋谷和雄

<連載>森山和道の読書日記  ほか

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