日経サイエンス 1999年10月号

特集 燃料電池の未来

1999年08月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm

1,333円+税

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  • セブンアンドワイ

編集部から一言

今月号は,ちょっとサービスしすぎでは?と思うほど,話題の記事を集めました。
特集は燃料電池。自動車用の研究が先行していますが,モバイル機器のあの重くて充電が必要なバッテリーから解放してくれます。
ミニ特集はニュートリノ。昨年,奥飛騨にあるスーパーカミオカンデが,物理学の基礎が根底から覆えす大発見をしました。ノーベル賞に最も近い話題です。
旬の話題を2つ。北朝鮮のミサイル・テポドンと,米国で話題になり,最近日本でも本が出版された恐ろしい藻の話。なんと,藻のくせに魚をむさぼり食い,人も神経障害に陥れてしまいます。もうひとつは,彗星や隕石が生命のもとを太古の地球に運んできたという話です。

特集:燃料電池の未来

19世紀に英国で原理が発見されてから,1世紀以上にわたり実用化にはほど遠かった燃料電池が,ここに来て注目を浴び始めた。クリーン技術として内燃機関に代わる自動車エンジンへの応用研究が進んだのがきっかけで,小型化,軽量化が進んだためだ。家庭用電源や携帯電話,ノート型パソコンの小型電源として用途が広がろうとしている。

 

究極のクリーン自動車  A. J. アプルビー

 

近づく自家用発電  A. C. ロイド

 

携帯機器からバッテリーが消える  C. K. ダイアー

 

小型化にシフトする日本の燃料電池開発  本間琢也

 

 

 

宇宙からやって来た生命のもと  M. P. バーンスタイン/S. A. サンドフォード/L. J. アラマンドーラ

生命の材料となる有機分子は地球外から運ばれてきた──。この説は「外来モデル」と呼ばれ,異論も多い。NASAエイムス研究センターのグループがその根拠となるデータを紹介。

 

魚を襲う凶暴な藻類フィエステリア  J. M. バークホルダー

環境によって24通りに変身する有毒藻類が米国東海岸で発見された。この微生物は毒素で魚の中枢神経を麻痺させたうえ,魚をむさぼり食う。さらに被害は人にも及んでいる。

 

テポドンの脅威 ミサイル攻撃は防げるか  G. N. ルイス/T. S. ポストル/J. パイク

北朝鮮など要注意国がミサイル技術を持つにつれ,米国ではその脅威から国土を守るミサイル防衛計画が具体化している。ミサイル防衛システムづくりの課題は一体何なのか──。

 

 

謎の素粒子ニュートリノを追う

 ニュートリノの質量の発見  E. カーンズ/梶田隆章/戸塚洋二

何でも通り抜けてしまう素粒子ニュートリノ。この幽霊のような粒子が質量をもつことが,奥飛騨山中にある巨大な観測装置スーパーカミオカンデによって明らかになった。

 

ついにとらえたタウニュートリノ  丹羽公雄

3種類あるニュートリノの中で最後まで姿を隠していたタウニュートリノが,ついに発見された。それは特殊な写真乾板に刻まれた膨大な粒子の軌跡の中に埋もれていた。

 

 

 

世界の研究室から

 英語の動詞,日本語の動詞  辻村成津子(米インディアナ大学準教授)

サイエンス考古学

肺結核/食糧プランクトン/シカゴの下水処置/部族の末路/エメラルド熱/巨大なサボテン/インディアンの抗夫たち

空 模様

 波状高積雲  文・平沼洋司/写真・武田康男

TOPICS

後退する人類のアフリカ起源説?/マグワイアの筋肉増強剤/インターネットで変わる人間関係/貼り薬で鳥の繁殖の試み/臓器移植でT細胞の働き抑制/顔面めがけて/火星に似せた環境で細菌培養/マントルの動きに新説/輸血でのウイルス感染防止に新たな検査法/宇宙の年齢は?/建設進むCERNの大型加速器/小型酸素濃度測定器

高安秀樹のエコノフィジックス講座

 所得の分布に見事なフラクタル性

脳の見方,モノの見方 30

 心の病気をどうとらえるか  養老孟司×神庭重信(山梨医科大学教授)

WAVE

 のこぎりが一瞬にして融けた?/遺伝子組み換え作物に暗雲/ネット売買での不正請求に要注意/運転席の真実

数学レクリエーション

 繰り返し模様に秘められた数学  I. スチュアート

ブックレビュー

 『意識する動物たち』

 『天才数学者たちが挑んだ最大の難問』

 <連載>森山和道の読書日記  ほか

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