日経サイエンス  2011年8月号

新世界退化説と闘ったジェファーソン

L. デュガトキン(ルイビル大学)

 米国独立宣言を起草し,第3代大統領になったトーマス・ジェファーソンは博物学者でもあった。当時,欧州では「新大陸の生物は植物も動物も,さらには人間も弱くて発育が悪く退化している」とする新世界退化説が流布していた。ジェファーソンはこれが誤りであることを示す動かぬ証拠を,説の提唱者であるフランスのビュフォン伯に贈った。それは身の丈が2m強もある大きなヘラジカの剥製だった。

著者

Lee Dugatkin

ルイビル大学の社会行動史の研究者。同分野に関する125編あまりの論文を発表してきた。去る2月,スミソニアン協会主催のシンポジウムで「ジェファーソンとフランス人──誤解の払拭」と題して講演した。

原題名

Jefferson’s Moose(SCIENTIFIC AMERICAN February 2011)

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ジェファーソンバージニア覚書ビュフォン伯ヘラジカ両インド史博物誌