日経サイエンス  2011年6月号

特集:マグニチュード9.0の衝撃

揺れる前に警報 緊急地震速報システム

R. アレン(カリフォルニア大学バークレー校)

 テレビ画面に緊急地震速報のウインドウが開き,身構えているとやがて本当に揺れ始める──東日本大震災の余震が続くなか,毎日のようにそんな経験をするようになった。強い揺れが到達するまでに数秒から数十秒(震央との距離関係による)の猶予が得られるので,机の下に身を隠したり,電車を止めたり,必要最小限の手を打つ貴重な時間となる。この種の緊急地震速報システムを導入している国は世界に5カ国・地域あるが,日本のシステムが最も先進的で,今回の震災でも概ねうまく機能した。大地震が予想される米国カリフォルニア州でも同種システムの整備計画が進んでいる。直前予知が不可能な以上,これは実行可能な最善の策といえる。

 

 

再録:別冊日経サイエンス183「震災と原発」

著者

Richard Allen

カリフォルニア大学バークレー校の地球物理学の教授で,同大学地震研究所の副所長。現在,小規模の緊急地震速報システムをテスト中で,それをカリフォルニア州全域に拡張することを目指している。

原題名

Seconds Before the Big One(SCIENTIFIC AMERICAN April 2011)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

P波S波シェイク・アラートプレート破壊核緊急地震速報システム