日経サイエンス  2011年5月号

肥満社会の処方箋

D. H. フリードマン(科学ジャーナリスト)

 かつて赤痢やコレラは人々の命を奪い社会に損害を与える流行病として恐れられた。現在の先進国では別の病が蔓延している。肥満だ。米国では成人の1/3が肥満,さらに1/3が太り気味だ。肥満になると生産性が下がり,健康を損ねて医者にかかる。社会的損失は1人あたり年間7000ドル以上との試算もある。肥満に関する代謝や遺伝子,神経科学的な研究が進んでいるが肥満解消の決め手は見つかっていない。では視点を変えてみたらどうか? 流行病を制圧するには社会的な対策も重要だ。赤痢やコレラでは上下水道などの整備,つまり清潔な環境づくりが有効だった。肥満にも一見地味だが,科学的に裏づけられた肥満抑制の対策がある。

 

 

再録:別冊日経サイエンス222「食の未来 地中海食からゲノム編集まで」

 

著者

David H. Freedman

30年にわたって科学技術やビジネスについて報道してきたジャーナリスト。最新の著書「Wrong」では,科学者や専門家の影響力によって一般人がミスリードされる危険性を考察している。

原題名

How to Fix the Obesity Crisis(SCIENTIFIC AMERICAN February 2011)

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