日経サイエンス  2011年3月号

幾何学で迫る究極理論

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A. G. リージ(フリーの科学者) J. O. ウェザロール(カリフォルニア大学アーバイン校)

 2007年,著者の1人である物理学者のリージは,その年に最も多く語られることとなった1編の論文を発表した。物理学の新たな統一理論「E8理論」の提唱だ。彼がサーファーとしての生活も送っていることもあって,その論文はThe New YorkerやOutsideなどの雑誌にも取り上げられた。リージらは,その後もその理論を発展させる努力を続けている。

 アインシュタインの一般相対性理論と量子論を調和させるには,根本的な概念の変更が必要だと多くの物理学者は考えている。これに対してリージは,現代量子物理学の幾何学的枠組みは,アインシュタインの理論を取り込むように拡張することが可能であり,その拡張によって物理学者が長年にわたって探し求めてきた物理学の究極の統一理論へとつながると主張する。

 たとえリージが間違っていたとしても,彼が開拓したE8理論が,統一理論と呼ばれるべきものがいずれ解明しなければならない,素粒子物理学の世界に潜む驚くべきパターンを浮かび上がらせたことは事実だ。

 

 

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著者

A. Garrett Lisi / James Owen Weatherall

リージは理論物理学の研究とサーフィンを両立した生活を送っている。フリーの科学者である彼は,ハワイのマウイ島に太平洋科学研究所を創設するという夢の実現に向けてまい進中だ。ウェザロールはスティーブンス工科大学において物理学および数理科学分野で博士号を取得し,現在カリフォルニア大学アーバイン校で哲学のPh.D.を終えるところだ。また,物理学から金融モデルへのアイデアの移行についての本の執筆に取り組んでいる。

原題名

A Geometric Theory of Everything(SCIENTIFIC AMERICAN December 2010)

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