日経サイエンス  2011年2月号

統一理論の父 ワインバーグに聞く

聞き手:A. D. アクゼル(ボストン大学)

 自然界のすべての力を統一する究極理論の構築は現代物理学の最終目標だが,この分野の研究でテキサス大学オースティン校のワインバーグは大きな貢献をした。1960年代,素粒子物理学の基本的な枠組みである「標準モデル」の柱となる2つの理論の建設に尽力した。1つは電磁気力と弱い力を統一する「電弱統一理論」,もう1つは強い力に関する理論だ。以降,ワインバーグは標準モデルで唯一扱えない力,重力を統一理論に含めようと,ひも理論などの研究に力を注いでいる。

 ワインバーグはまた,素粒子物理学を宇宙論に適用しようと試みてきた。暗黒エネルギーを並行宇宙によって説明する彼のモデルは,多元宇宙論を支持する論者に広く引用されている。史上最強の加速器LHCが稼働,「革命前夜」とも言われる現代物理学が,これからどこに向かうのか,ワインバーグが自身の展望を語った。

 

 

再録:別冊日経サイエンス186 「実在とは何か?」

著者

Amir D. Aczel

ボストン大学科学哲学・科学史センターの研究フェローでグッゲンハイムフェロー。17冊の著作があり,最新の著書は2010年10月に出版された「Present at the Creation: The Story of CERN and the Large Hadron Collider」。

原題名

Dr. Unification(SCIENTIFIC AMERICAN November 2010)

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