日経サイエンス  2010年3月号

未来を変える20のアイデア

SCIENTIFIC AMERICAN 編集部

 エジソンが発明した電球は世界を明るくし,ベルの電話は世界中の人々を結びつけた。次の時代に世界を変えるアイデアは何だろうか?

 

 本誌の提携誌SCIENTIFIC AMERICANは,ノーベル賞学者のスティーブン・ワインバーグ博士や気鋭の理論物理学者リサ・ランドール博士,神経科学者のヴィラヤヌル・ラマチャンドラン博士など,世界の頭脳といえる約40人の研究者を顧問に迎えている。この編集顧問委員会が,世界を変える可能性を秘めた科学技術に関する20のプロジェクトを選んだ。

 

 対象分野は,現代社会のカギを握る「IT・ロボット工学」「健康・医療」「エネルギー」「交通」「環境」の5つ。「IT・ロボット工学」分野で選ばれたのは,米ヒューレット・パッカードが進める世界神経網プロジェクトだ。光,温度,湿度,振動,ひずみなどを計測して無線送信する「モート(塵)」と呼ばれるミニセンサーを,ビルや住宅,道路などあらゆる場所に埋め込んで,その場の状況をリアルタイムで把握しようという試みだ。実現すれば,電気やガスなどの消費量を自ら検出し制御するインテリジェントビル,交通渋滞の状況や場所ごとの天気を細かく教えてくれる高速道路,ペットと侵入者の足音を聞き分けるホームセキュリティーシステムなど,これまでにない製品やサービスが登場しそうだ。

 

 「健康・医療」分野からは,血液などに含まれる微量なタンパク質を調べ,すでにかかってしまった病気のほか,将来かかるかもしれない病気を予測するバイオマーカー検査が選ばれた。米国ではすでに,一般市民から依頼を受けてそうした検査を実施するビジネスが始まっている。

 

 このほか,自宅の屋根に太陽電池パネルを設置する際の初期費用をタダにする新たなビジネスモデル,海域ごとに利用目的を定めて環境破壊を防ぐ方法,大都市における安価で構築しやすい輸送網など,社会を一変させるかもしれない新たなアイデアの数々を紹介する。

原題名

World Changing Ideas(SCIENTIFIC AMERICAN December 2009)

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