日経サイエンス  2010年2月号

どこへいく放射性廃棄物 ユッカマウンテンを捨てた米国政策の行方

M. L. ウォルド(米ニューヨーク・タイムズ紙)

 米ネバダ州のラスベガスの北西に広がる砂漠地帯にユッカマウンテンがある。原子力発電所から出る核のゴミ(使用済み燃料)を埋設する場所に選ばれ,90億ドル(約1兆円)もの公費が投じられた。ところが,オバマ政権になって,その決定が白紙撤回されてしまった。

 

 米国の場合はウラン燃料を1度だけ使うオープンな核燃料サイクル(ワンススルー方式)。使用済み燃料は当分の間,米国内にある131カ所の施設で一時保管されるが,ユッカマウンテン計画の打ち切りによって,最終的な行き場所のあてがなくなった。そのため,今後,さまざまな代替案が検討されることになる。使用済み燃料のリサイクルや,放射性物質の半減期を大幅に短縮できる新型原子炉の建設,別の場所での最終処分場の建設などが挙がっている。

 

別冊日経サイエンス183「震災と原発」加筆修正し再録

著者

Matthew L. Wald

ニューヨーク・タイムズ紙の記者で1979年以来エネルギー問題を取材している。SCIENTIFIC AMERICANへの最近の寄稿は「一目でわかる再生可能エネルギー」(日経サイエンス2009年6月号)。

原題名

What Now for Nuclear Waste?(SCIENTIFIC AMERICAN August 2009)

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