「遺伝子工学」という言葉は少なくとも30年前から使われてきたし,現在,DNA組み換え技術は医学・生物学を支える大黒柱となっている。それにもかかわらず,バイオテクノロジーと工学には共通点がほとんどない。理由の1つは,何かを作るときの「パーツ(部品)」が,工学分野とは違って規格化されておらず,有用性の点でも十分ではないからだ。生物学研究の方法論や研究者のものの考え方も関係している。これらも工学の発想によって大いに改良できる余地がある。
著者
D. ベイカー / G. チャーチ / J. コリンズ / D. エンディ / J. ジェイコブソン
バイオファブ・グループのメンバーは,シアトルにあるワシントン大学のベイカー(David Baker),ハーバード大学医学部のチャーチ(George Church),ボストン大学のコリンズ(Jim Collins),マサチューセッツ工科大学のエンディ(Drew Endy)とジェイコブソン(Joseph Jacobson),カリフォルニア大学バークレー校のキースリング(Jay Keasling),デューク大学のモドリッチ(Paul Modrich),カリフォルニア工科大学のスモルケ(Christina Smolke),プリンストン大学のワイス(Ron Weiss)。この9人は友人であり,同僚であり,共同研究もしている。今回この記事を一緒に書いたのは,それぞれの専門が多彩で,バイオファブへの貢献も非常にさまざまであることから,生物工学という分野の学際的な性質を具体的に示せると考えたからだ。また,すべての著者がマサチューセッツ州ケンブリッジのコドン・デバイシズの科学顧問を務めている。コドン・デバイシズは合成生物学に工学原理を適用するために興した会社で,この分野では最初の営利団体だ。チャーチ,エンディ,ジェイコブソン,キースリングはその創設に携わった。また,エンディは非営利のバイオブリック財団の創設者で,キースリングはアミリス・バイオテクノロジーを設立した。
原題名
Engineering Life: Building a Fab for Biology(SCIENTIFIC AMERICAN June 2006)







