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日経サイエンス 2005年2月号
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米国のミサイル防衛構想は有効か?
R. L. ガーウィン
米国が長い間待ち望んできた国家ミサイル防衛構想は,近くブッシュ大統領によってその第1段階の稼動開始が宣言される見通しだ。
米国防総省ミサイル防衛局はアラスカ州フォートグリーリの地下サイロ(ミサイル格納庫兼発射場)に新たなミサイル6基を配備する計画だ。次いで2005年末までに,フォートグリーリにさらに10基を,カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に4基を配備する。これらのミサイルは,敵の大陸間弾道ミサイル(ICBM)がロケットエンジンの燃焼を終了し,大気圏外を飛んでいる段階で迎撃するものだ。
この段階で迎撃する防衛システムを「ミッドコース防衛システム」といい,迎撃ミサイルや高性能レーダー,監視衛星を追加配備することで,今後数年間にわたって強化していく予定だ。核兵器や生物兵器を搭載したICBMで米国に攻撃を仕掛けてくる可能性がある仮想敵国,つまり北朝鮮やイランからの攻撃から国家を守るためだ。
ミッドコース防衛の目標は,米国から数千km離れた地点で発射された長距離ミサイルを迎撃することだが,米国沿岸沖の艦船から発射される短距離や中距離ミサイルにはなす術もない。そのうえ,肝心の長距離ミサイルを阻止するためにも,おそらく役には立たないだろう。単純な原理で効力のある対抗手段(ダミー弾頭など)をICBMに装備させるのは非常に簡単なのだ。
現在,ミサイル防衛局の防衛システムにつぎ込まれている資金は,ICBMを阻止できる可能性がもっと高い別のシステム開発に投じるべきだ。
キーワード:
ターミナル防衛システム/ブースト防衛システム/ミサイル警戒衛星/ミニットマン/DSP衛星/Xバンドレーダー/コブラ・デーンレーダー/キルビークル/テポドン/航空機搭載レーザー/宇宙配備型レーザー/ブリリアントペブル構想/情報収集衛星/軟式飛行船
著者
Richard L. Garwin
1950年以来,米国政府との協力の下,核兵器やミサイル,防空,ミサイル防衛技術を研究してきた。実験物理学者だが,原子物理学や素粒子物理学,凝縮系物理学や重力波検出の研究経歴を持つ。米国国家科学賞およびフェルミ賞の受賞者で,1994年から2001年までは,米国国務省の軍備管理・拡散防止諮問会議の議長を,1998年には,ラムズフェルド調査会のメンバーを務めた。同調査会は9人で構成され,米国に対する弾道ミサイルの脅威を評価するために設けられた。 IBMワトソン研究所名誉フェロー。
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