日経サイエンス  2003年11月号

有人宇宙飛行 中国の挑戦

J.オバーグ(宇宙工学コンサルタント)

 中国は今秋初めて,自前のロケットと宇宙船で宇宙飛行士を地球周回軌道に送り込もうとしている。成功すれば,米国,ロシア(旧ソ連)に次いで有人宇宙飛行を実現した3番目の国になる。いまゴビ砂漠の端にある酒泉衛星発射センターで,独自開発の2段式ロケット「長征」によって3人乗りの宇宙船「神舟5号」を打ち上げる準備の最中だ。

 

 神舟は長さ9m弱,重さ約8トンで,外見はロシアのソユーズに似ている。しかし,技術的には決してそのコピーではないという。中国独自の技術が用いられ,むしろ技術的には優れていると見られている。宇宙でのドッキング装置も備え,3~4年後には独自の宇宙ステーション打ち上げも目指すという。この飛行の成功を足がかりに米国に次ぐ第2の宇宙超大国になろうとしている中国の本当の狙いとは‥‥。

著者

James Oberg

NASAのヒューストン管制センターで,スペースシャトルの軌道上ランデブー専門家として22年間活躍。現在はコンサルタントや講師,著述活動をしており,米国とロシアの宇宙計画に関する10冊以上の本や多数の雑誌記事を執筆。宇宙飛行の安全性や信頼性,宇宙活動の国力への貢献,世界の宇宙計画の隠された歴史などにも関心をもつ。2月からはNBCニュースの宇宙コンサルタントも務めている。ウェブサイトはwww.jamesoberg.com。

原題名

China's Great Leap Upward(SCIENTIFIC AMERICAN October 2003)

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