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日経サイエンス 2003年9月号
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疾走する中国の頭脳
紺野大介
日本では来年の4月から国立大学が法人化され,これまでとは違う厳しい生き残り競争にさらされるが,お隣の中国では国立大学や中国科学院傘下の研究所改革の波はすでに十数年前に始まった。研究者や大学,研究所が置かれている競争的環境や,その研究成果を産業化するベンチャー育成という点で,中国はいまや日本をはるかに引き離している。こうした大胆な改革が進んだ結果,中国の科学技術の現場は大きく変貌し続けている。経済発展の分野で中国の躍進が伝えられることは多いが,その蔭では中国は次代を担う先端的な研究開発の分野で強い国際競争力を持ち始めていると言える。
総合評価で北京大学を上回り,中国の大学の頂点にいる清華大学に10年前から招聘教授として在籍する著者が,身近に経験し,中国の要人と議論した中から,中国の科学技術の研究現場がこの10年でどう変貌したのか,日本と比較してどう進んでいるのか,今後の課題は何かなどをリポートする。10年間,現地に身を置いて初めてわかる中国の大学や研究所の意外な素顔,企業との関係などが浮き彫りになる。
キーワード:
ゲノム/MIT/Science/Nature/官僚主義/中国科学院/R&D/インキュベーター/ナノテク/PI/863計画/973計画/競争的研究資金/朱鎔基/留学生/連想集団/北京華大ゲノム研究センター/清華同方
著者
紺野大介(こんの・だいすけ)
1994年から清華大学の招聘教授を務め,同大学国立トライボロジー研究所で博士課程の学生らと超精密回転系流体動圧現象の解析研究などをしている。78年東京大学工学博士(流体力学)。2000年までセイコー電子工業の取締役研究開発本部長を務めた。現在日本では民間の力によって国際競争力蘇生を目指す創業支援推進機構(ETT)の理事長を務め,日中科学技術交流協会理事,企業顧問も兼任している。
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