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日経サイエンス 2003年1月号
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思考でロボットをあやつる
M. A. L. ニコレリス/J. K. チェーピン
脳の運動ニューロンが生み出す電気信号を変換して機械を動かす実験がラットやサルで成功している。こうした脳-マシン・インターフェースの研究が順調に進めば,近い将来,脊髄損傷などで手足に障害をもつ人たちの行動の助けとなるだろう。
実験では,脳に埋め込む微細ワイヤを最初に実験に成功したのはラットを使った実験だった。レバーを押すと水が飲める装置を作り,操作を覚えさせた後,前足でレバーを押す動作を想像するだけで,装置を制御できることを学習させた。この実験がうまくいった背景には,脳に埋め込む微細ワイヤを使った電極の開発,ニューロンの信号を取り出し,増幅させるシステムおよびソフトウエアの設計などがある。
その後,ヨザルやマカクザルを使って,ロボットアームを制御する実験などが成功した。マカクザルでは1年以上にわたって,脳の100個近いニューロンの活動電位を測定できるようになり,医療応用への期待が高まっている。(編集部)
キーワード:
脳科学/脳神経科学/思考/人工ニューロン/ブレイン-マシン/義肢(義手・義足)
著者
Miguel A. L. Nicolelis/John K. Chapin
2人は10年以上にわたって共同研究をしてきた。ニコレリスはブラジル出身,サンパウロ大学で神経生理学の医師資格と博士号を取得。博士課程修了後ハーネマン大学で研究を行い,その後デューク大学に移籍。神経工学センターの指導のかたわら,神経生物学,生体医用工学,および心理・脳科学の教授を務める。チェーピンはロチェスター大学で神経生理学の博士号を取得,テキサス大学とMCPハーネマン大学医学部(現在はドレクセル大学医学部)で教えている。またニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカルセンターの生理学および薬学の教授を務めている。
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