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日経サイエンス 2002年10月号
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特集:どうなる東海大地震
超広域災害に備えろ
青木慎一(編集部)
東海地震が単独で2010年までに発生するのか。それとも東南海や南海地震を巻き込む巨大地震になるのか──。結論は実際に起きてみなければ出せない。ただ21世紀前半に駿河・南海トラフに巨大地震が発生するのはほぼ間違いないので,最悪のケースを想定した対策を講じ,考えておくべきだ。
プレート型地震では,周期が2〜4秒の地震波が強い。このため20〜40mの高さのビルが最も大きく揺れる。揺れる時間が数分間続くうえに,平野部など堆積層で増幅されるので,名古屋や大阪など大都市部で中層建築物の倒壊などの被害が出そうだ。
また震源から離れた場所でも大きく揺れることがある。東南海地震では長野県諏訪地方,南海地震では島根県の出雲地方で震度5〜6を記録した。マントルとの境界面などで反射された地震波が来たからだ。
さらに津波も怖い。太平洋沿岸部以外にも大きな被害が出る。南海地震が起きれば,大阪市の繁華街は水没する可能性がある。
阪神淡路大震災後に新幹線や高速道路の橋脚部分の補強工事が進んだ。本格的な揺れの前に来る初期微動を検知して新幹線を自動停止するシステムが稼働しているが,震源に近ければ間に合わず,高速のまま脱線する危険がある。高速道路も本線をまたぐ普通道路が崩落してくる可能性が高い。
被害が局地的だった阪神淡路大震災では,救援のための人員や物資を集中的に投入できた。だが東海・東南海・南海地震が起きた場合,交通や情報網が断絶して「陸の孤島」となる地域が各地で発生する恐れがある。しばらくの間,外部の応援に頼れず,被災地内だけで対応しなければならない。関係する地方自治体や企業は最悪の事態を想定して対策の具体化を急ぐ必要がある。
キーワード:
地震波の増幅/ビルの固有振動数/レンズ現象/地震防災対策強化地域判定会/直前予知
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