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日経サイエンス 2000年7月号
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褐色矮星の意外な正体
■G. バスリ
恒星と巨大惑星の中間の質量をもつ褐色矮星(わいせい)が1990年代半ば以降,続々と見つかっている。褐色矮星の存在は1960年代に予言されていたが,暗くて見つけにくいため,発見までは苦難の連続だった。しかし,観測方法の工夫により,その素顔が明らかになってきた。
褐色矮星は「恒星になり損ねた天体」だ。恒星が輝いているのは,中心部の核(コア)で核融合反応が起こるからだ。しかし,質量が木星の75倍以上,言い換えれば太陽の7%以上ないと核融合反応が持続せず,質量の軽い天体は恒星にならない。
1963年,バージニア大学の天文学者クマール(Shiv Kumar)が「宇宙を漂うガスやちりの雲が重力収縮を起こして恒星になるのと同じ過程をたどり,恒星よりも小さな天体(褐色矮星)が数多く生まれている」との説を提唱。その後,天文学者たちは褐色矮星を躍起になって探したが,なかなか見つからなかった。
しかし,1995年になって初めて,褐色矮星の存在を示す確実な証拠が見つかり,堰(せき)を切ったように多数の褐色矮星が見つかり始めた。これまでの研究で,天の川銀河には約1000億個の褐色矮星があると推定されている。現在,研究者たちの関心は褐色矮星が存在するかどうかではない。「宇宙に褐色矮星はいくつあるのか」「重さはどのくらいなのか」「木星に近い重さの褐色矮星もあるのか」「それらは同じ過程をたどって誕生したのか」――などに移ってきた。
著者 Gibor Basri
米カリフォルニア大学バークレー校教授。1979年,コロラド大学ボルダー校で博士号(宇宙物理学)を取得。リック望遠鏡,ケック望遠鏡,ハッブル宇宙望遠鏡などを使い,太陽型の恒星や軽い恒星,恒星の形成について研究している。一般の人々の科学への関心を喚起することに情熱を注いでいる。
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