論文一覧(サイエンスおよび日経サイエンス) 4. 1985年 1月号〜1989年12月号 85.01.110 タンパク質の自動合成 R.B.メリフィールド アミノ酸をプラスチックのビーズに固定し,ペプチド鎖をつくっていく新しい自動合成法が開発された。 85.01.12 基礎科学の価値 L.M.レーダーマン 基礎科学は人類文化を向上させ,有能な人材を育て,はかりしれないほどの利益を社会にもたらす。 85.01.124 熱帯多雨林の地上30メートルの生態学 D.R.ペリー 熱帯雨林の中でもこずえに近い林冠の部分には,地球上で最も多様な植物と動物の社会がある。 85.01.136 ゴシック建築の構造“実験” R.マーク/W.W.クラーク ゴシック建築の設計者たちは,大聖堂そのものを実験モデルに使って構造上の問題を知り,設計を変えた。 85.01.146 現代のパン製造システム S.A.マーツ さまざまな販売形態の普及にともなって,パン工場では,工程をオートメーション化し,大量生産している。 85.01.158 マンモスの骨で造った旧石器時代の住居 M.I.グラッドキフ/N.L.コルニエッツ/O.ソッフェル 約1万5000年前,ロシア平原で生活していた狩猟・採集者の集団は複雑な住居を造った。 85.01.22 別79,94 電子線ホログラフィー 外村彰 干渉性の非常によい“電界放射電子線”が登場し,電子の波でホログラフィーがつくられるようになった。 85.01.34 赤外線でみた宇宙 H.J.ハービング/G.ノイゲバウアー 1983年に打ち上げられた赤外線天文衛星IRASは,初めて,宇宙全体を赤外線でくまなく観測した。 85.01.58 別78 LDLレセプターとコレステロール代謝 M.S.ブラウン/J.L.ゴールドスタイン コレステロールは,血中では低密度リポタンパク質(LDL)の球状の粒子となって存在している。 85.01.96 中間ベクトル・ボソンを創る D.B.クライン/C.ルビア/S.バン・デル・メール 電弱統一理論の決定的な検証となるこの粒子の観測をめざして,大規模な実験計画が練り上げられた。 85.02.13 デジタルオーディオ技術 J.モンフォート 従来のアナログ録音方式にない優れた音を再現するデジタルオーディオシステムが登場した。 85.02.22 昆虫の免疫システム 和合治久 カイコを使った研究などから,脊椎動物の免疫系とはかなり異なる昆虫の生体防御機構が明らかになった。 85.02.34 別80 イメージ上の物体の回転 L.A.クーパー/R.N.シェパード イメージ上で物体を回転させる場合,心は現実の世界でそれが回転するのと似た過程を追っている。 85.02.48 別78 神経細胞の相互認識 C.S.グッドマン/M.J.バスティアーニ バッタの神経節中にある識別可能な神経細胞の軸索は特異的な分子で標識された道をたどって伸びていく。 85.02.62 原子の記憶現象 R.G.ブルーワー/E.L.ハーン 秩序を失った原子の系に電磁波を照射して,もとの秩序ある状態を回復させることができる。 85.02.72 振動でエサを見つけるサソリ P.H.ブラウネル サソリは砂を伝わるP波とレイリー波とを脚の感覚器で感知して,エサの方向や距離を判別する。 85.02.82 世界最深の井戸で地殻をさぐる Ye.A.コズロフスキー ソ連がコラ半島で行った深さ12kmのボーリングで,大陸地殻深部の岩石の種類や状態がわかった。 85.02.92 18世紀の巨大戦艦サンティシマ・トリニダード号 J.D.ハーブロン 1805年,英国のネルソン提督は,スペインの戦艦を捕獲し,その大きさと設計の綿密さに驚嘆した。 85.03.104 イカのジェット推進泳法 J.M.ゴスリン/M.E.デモント 彼らは水を勢いよく吹き出す独特な泳ぎ方で,外敵から素早く逃げたり遠くまで移動することができる。 85.03.13 別75 核戦争の指揮・管制・通信・情報システム A.B.カーター 指揮・管制・通信と情報(C3I)の充実の必要性がようやく認識されるようになってきた。 85.03.24 高温核物質 W.グライナー/H.シュテッカー 原子核を高速で衝突させると,クォークとグルーオンからなる“クォーグマ”に変わる可能性がある。 85.03.36 ツヤハナバチにみる社会性の芽ばえ 坂上昭一/前田泰生 単独生活をするハチに共存生活を強要したところ,体の大小に基づく役割分担が起こることが観察された。 85.03.58 別98 シミュレーションで星の形成過程をさぐる A.P.ボス 星間雲が星を形成していく過程が,コンピューター・シミュレーションで明らかになってきた。 85.03.70L4 赤ちゃんはどのように言葉を聞きとるか P.D.アイマス 赤ちゃんを対象にした研究から,音声を認識するメカニズムが,生得的なものだとわかった。 85.03.80 痴呆をひきおこすアルツハイマー病 R.J.ワートマン 中高年を襲うこの脳の病気には,今のところ治療法がない。その病因の解明をめざす研究が進んできた。 85.03.92 コンピューター・メモリーの信頼性 R.J.マッケリース 信頼性の低下の問題は,誤動作を避けるのではなく訂正するという方法で解決されている。 85.04.108 アカシカの繁殖戦略 T.H.クラットンブロック 12年間にわたる英国での追跡調査から,雄では闘争力が,雌では社会的順位が重要なことがわかった。 85.04.22 フェーズドアレー・レーダー E.ブルックナー このレーダーは,同時に多数の目標を追尾できるという優れた能力をもっている。 85.04.34 別77 睡眠病病原体の巧妙な免疫回避機構 J.E.ドネルソン/M.J.ターナー この病原体は,宿主の抗体によってほとんどが死ぬが,わずかな個体が新しいコートを羽織って生き残る。 85.04.44 ガンマ線バースト源の正体をさぐる B.E.シェーファー 正体不明のガンマ線バースト源は,大部分が私たちの銀河系内にあって,中性子星を含んでいるらしい。 85.04.60 ブラウン運動 B.H.ラベンダ 原子の質量は基本的な物理定数の1つで,ブラウン運動を通して初めて測定された。 85.04.74 カリフォルニアの地震予知 R.L.ウエッソン/R.E.ウォーレス サンアンドレアス断層南部では,30年以内に50%の確率でM8.3の大地震が起こると考えられている。 85.04.86 人工内耳の開発 G.E.ロウブ 内耳の有毛細胞を通さずに,聴覚神経に電気刺激を直接伝える“植え込み式聴覚機能代行装置”ができた。 85.04.96 進化論の日本への導入とモース 磯野直秀 大森貝塚の発見者として有名なモースは,日本に初めてダーウィンの進化論を紹介した人物でもある。 85.05.10 別75 米国の対ソ軍事監視技術 D.ヘイフミースター/J.J.ロム/K.ツィピス どんな軍縮条約でも,その取り決めを相手国が守っていることを確認できなくては意味がない。 85.05.20 イオン・インプランテーションによる新材料の開発 S.T.ピクロー/P.S.ピアシー 材料の表面に別のイオンを打ち込むと,もとの材料にはない新しい性質が,表面に現われてくる。 85.05.30 別85 時空の隠れた次元 D.Z.フリードマン/P.バン・ニューベンホイゼン 自然の4つの力を統一する,11次元の超重力理論があるが,このうち7次元は,私たちには見えない。 85.05.46 別90 ヒトのガンをひき起こす染色体の転座 C.M.クローチェ/G.クライン ある種のガンでは染色体の転座によって眠っていたガン遺伝子が活性化することがわかった。 85.05.54 金星に活火山はあるか R.G.プリン 金星は厚い硫酸の雲に覆われ,その地表面は見えないが,ごく最近大噴火した活火山があるらしい。 85.05.66 ニカメイガ第3性フェロモンの発見 深見順一/田付貞洋 稲の害虫であるニカメイガの性フェロモンのうち,未知の成分だった物質が解明された。 85.05.80L6 クジラはなぜ跳躍するか H.ホワイトヘッド クジラの仲間は,着水時に出る大きな音を利用して,個体間のコミュニケーションをはかっている。 85.05.88 ニンニクとタマネギの化学 E.ブロック ニンニクの強いにおいやタマネギの催涙物質の中には,抗菌性や抗凝血作用のあるものがある。 85.06.11 人口集中に悩む第3世界の大都市地域 D.R.バイニング 発展途上国では,他の地域からの流入による大都市の人口増大が大きな問題となっている。 85.06.20 別99 ホットスポットとプレート・テクトニクス G.E.ビンク/W.J.モーガン/P.R.フォクト マントルの深部から,細長い円柱の形をした高温の岩石の塊が上昇し,地殻をもち上げて火山をつくる。 85.06.30 別79 ゾル-ゲル法によるガラスの低温合成 作花済夫 1500℃〜2300℃という高温が必要だったガラスの製造が,1000℃以下でできるようになった。 85.06.46 別85 素粒子と自然界の4つの力 C.クイッグ 次世代の加速器によって,基本的な粒子とそれを支配する4つの力を統一的に理解するカギが得られる。 85.06.62 樹木はどうやって腐敗から身を守るか A.L.シーゴ 動物と違って,樹木は,傷ついたり微生物が感染した組織を区画化し,他の部分から隔離する。 85.06.72 アセチルコリンの放出機構 Y.デュナン/M.イスラエル この神経伝達物質が神経終末の小胞から放出されるとする旧説を否定する新しい仮説が生まれた。 85.06.84 マゼラン雲の激しい過去 D.マシューソン 大小マゼラン雲には水素ガスの長いしっぽができ小マゼラン雲は分裂している。 85.06.96 麻酔のメカニズム P.M.ウインター/J.N.ミラー 今では麻酔薬が神経細胞の脂質膜に溶解し,効果を示すと考えられている。 85.07.10 別98 超新星爆発のメカニズム H.A.ベーテ/G.ブラウン 星の内部の重力崩壊によって生じた衝撃波は,星の大きさにより異なるしくみで伝わっていく。 85.07.22 オランウータンとチンパンジーの社会構造 鈴木晃 ボルネオ島での長期観察により,オランウータンを単独生活者とする旧説が否定された。 85.07.32 アオガニの脱皮 J.N.キャメロン 脱皮したアオガニの柔らかい甲らが短時間で硬くなるのは炭酸カルシウムの急速な沈着による。 85.07.50 チーズ F.V.コシコフスキー 2000種類もあるチーズは,原料の乳や製造工程とくに熟成工程によって違ってくる。 85.07.62 中世ステンドグラスの修復と保存 G.フレンツェル 過去に試されてきた修復・保存の方法は,かえってステンドグラスを傷めてきた。 85.07.72 別80 頭を動かしても外界はなぜ静止して見えるか H.ワラッハ 私たちが動いても,知覚システムの補整作用が働いて,まわりの世界は動いていないと知覚させる。 85.07.80 別77 マラリアの分子生物学 G.N.ゴッドソン マラリア原虫は外被コートによって宿主の免疫系による攻撃を巧妙に回避している。 85.07.92 高圧下の結晶 R.M.ヘイゼン/L.W.フィンガー 高圧下の構造変化は,結晶を小さな多面体がつながったものと考えるとわかりやすい。 85.08.11 新技術の導入と投入産出分析 W.レオンチェフ 近未来の産業界の姿を明らかにする投入産出分析を使えば,新技術の導入に正しい判断を下せる。 85.08.22 別77 皮膚の免疫機能 R.L.エーデルソン/J.M.フィンク 生体中で最大の器官である皮膚は,外来異物から生体を守る活発で複雑な免疫機能を備えている。 85.08.32 陽子は崩壊するか J.M.ロゼッコ/F.ライネス/D.シンクレア 8000tの水で満たした測定器を地下600mに設置したが,陽子が崩壊した証拠は得られていない。 85.08.50 球状星団と宇宙の謎 I.R.キング 球状星団の研究から,天の川銀河系の中心の位置がわかった。 85.08.64 生命起源の粘土鉱物説 A.G.ケーンズ-スミス 進化,遺伝,生命の起源が,ふつう考えられているように有機物質だったとはかぎらない。 85.08.76 チンパンジーの社会生態学 M.P.ギグリエリ チンパンジーの社会は,離合集散性,なわばり制,雌の外婚制という特徴をもつ。 85.08.86 蜃気楼のトポロジー W.テープ 蜃気楼を位相幾何学と結びつけることによって,蜃気楼の性質を理解できるようになった。 85.08.94 脳のスイッチ機構 角田忠信 正常なヒトの脳の研究から,視覚情報を左右の脳に振り分けるスイッチ機構の存在が明らかになった。 85.09.104 計算の物理的な限界はあるか C.H.ベネット/R.ランダウアー 理論モデルによると,“最低限必要なエネルギー量”に関しては,計算の限界はないらしい。 85.09.18 シンクロトロン放射光でみた超高圧・高温下の物質 秋本俊一/下村理 超高圧・高温の状態をつくり,グラファイトからダイヤモンドへの相転移の様子などを克明に追えた。 85.09.30 ネズミは遺伝子の違いをかぎわける G.K.ボウチャンプ/山崎邦郎/E.A.ボイズ 免疫と関係の深いH-2という遺伝子が異なるネズミはにおいも異なる。ネズミは,その違いをかぎわける。 85.09.48 ダーウィニズムの進化 G.L.ステビンス/F.J.アヤラ 分子生物学の成果や,化石に対する新しい解釈によって,自然選択説はその姿を変えつつある。 85.09.62 シナイ半島の化石水 A.イザール シナイ半島の砂漠の地下は氷河期の水をためた巨大なタンクになっていることがわかった。 85.09.74 別76 天王星,海王星,冥王星の衛星 R.H.ブラウン/D.P.クルクシャンク ボイジャー2号は1986年1月,天王星を探査し,1989年8月に海王星の衛星トリトンに接近する。 85.09.88 ミルクウィードを訪れる虫たち D.H.モース 茎を折ると白い汁の出るこの雑草は,何種類かの昆虫やクモたちとミニ生態系をかたちづくっている。 85.09.9 低下率が鈍った米国の乳児死亡 C.A.ミラー 乳児死亡率が,最近,あまり低下しなくなったのは,レーガン政権が福祉予算を削減したかららしい。 85.10.10 別94 走査型トンネル電子顕微鏡 G.ビーニッヒ/H.ローラー 原子レベルの解像度をもち,しかも試料に対してまったく損傷を与えない量子力学的顕微鏡が開発された。 85.10.18 南極大陸の氷床 U.ラドック 平均2200mの厚さの氷におおわれたこの大陸の基盤の形と過去の気候が,かなり解明されてきた。 85.10.28 別98 若い超新星の残骸 F.D.スワード/P.ゴーレンシュタイン アインシュタイン衛星のX線観測データを利用して,6つの超新星の残骸の詳しい解析が行われた。 85.10.46 クロム親和性細胞の生合成・分泌機構 S.W.カーマイケル/H.ウィンクラー この細胞は副腎髄質にあり,アドレナリン,タンパク質,ペプチドの複合混合物を合成し,分泌する。 85.10.60 真空の構造 T.H.ボイヤー 真空にはあらゆる方法を駆使しても消え去ることのでいない複雑な構造が存在する。 85.10.72 記憶をつかさどる脳ホルモン 伊藤眞次 コレシストキニンという脳ホルモンが,記憶した情報の想起の過程に不可欠であることがわかった。 85.10.86 チョウの工学 J.G.キングソルバー 日光浴をして体を暖め,飛び,蜜(みつ)を吸うといった行動を,工学的に分析する。 85.10.97 核拡散防止体制をめぐる非同盟・中立国の反発 W.エプスタイン 核軍縮の努力を真剣に行わない核兵器保有国の態度に,非核兵器保有国は強い不満をもっており, この条約の将来が懸念されている。 85.11.10 兵器用核分裂性物質の生産停止 F.フォン・ヒッペル/D.H.アルブライト 核兵器に不可欠な原料物質の生産停止協定は実現可能である。 85.11.20 太陽の内部構造を探る陽震学 J.W.ライバッカー/R.W.ノイズ/J.ツームル 太陽の内部を伝わる音波は表面上の振動として観測でき,内部の物理的構造や化学組成などがわかる。 85.11.32 オリゴサッカリン P.アルバーシャイム/A.G.ダービル 植物の細胞壁の多糖類が短く切れてできるこの分子は,分化や生体防御の調節物質である。 85.11.50 別78 ゴルジ装置のコンパートメント構造と機能 J.E.ロスマン 細胞内のタンパク質の加工・選別・発送工場であるゴルジ装置は,機能の異なる3つの部分からなる。 85.11.66 別79 携帯型人工すい臓の開発 七里元亮 患者の血糖を健常人のそれと等しくなるように制御できる携帯型の人工すい臓が開発された。 85.11.76 クモを狩るクモの捕獲戦術 R.R.ジャクソン ポルティアというクモは,網を張る行動と歩き回って狩りをする行動の両方を使って他のクモを襲う。 85.11.88 バイメタリック触媒 J.H.シンフェルト 2種類の金属でクラスターという微細な構造をつくって,望みの化学反応だけを起こす触媒ができる。 85.11.98 イエロー・レインの真相 T.D.シーリー/J.W.ノーウィック インドシナで化学兵器が使用されたという指摘は,ミツバチのふんを見誤ったものらしい。 85.12.106 別78 細胞間の情報伝達物質 S.H.スナイダー ホルモン系と神経系によって行なわれる情報伝達をになう分子には両方の系に共通なものもある。 85.12.118 別78 細胞内の情報伝達物質 M.J.バーリッジ 細胞外からの情報は,細胞内に入ると“セカンド・メッセンジャー”という物質に受け継がれる。 85.12.130 別78 発生をつかさどる分子 W.J.ゲーリング “ホメオボックス”というDNAの塩基配列は動物界に広く存在し,発生の過程で重要な役割を演じる。 85.12.144 分子レベルでみた進化 A.C.ウイルソン 分子生物学の発展によって,進化を分子の言葉で説明することが可能になった。 85.12.20 別78 DNA G.フェルセンフェルド この分子は,さまざまな形をとることができ,生体内の分子と多様な仕方で反応する。 85.12.32 別78 RNA J.E.ダーネル 真核細胞では,遺伝情報をタンパク質へと伝達するRNAはプロセッシングを受ける。 85.12.54 別78 タンパク質 R.F.ドゥーリトル タンパク質はアミノ酸の直鎖状高分子であるが,さまざまな立体構造をとり,多彩な働きをする。 85.12.68 別78 細胞膜の分子群 M.S.プレッチャー 形質膜にはらせん状や球状のタンパク質があり,高分子物質の受容体や低分子物質の通路となっている。 85.12.80 別78 細胞骨格の分子群 K.ウェーバー/M.オズボーン 細胞中には3種類のフィラメント系があり,骨格として働く一方,細胞小器官の輸送に関与している。 85.12.9 別78 分子生物学の過去・現在・未来 R.A.ワインバーグ 過去10年間に,分子生物学は大きく様変わりし生命を操作する科学となっている。 85.12.96 別77.81 免疫系分子群 利根川進 抗体やT細胞受容体の種類数が膨大なのは,遺伝子断片の組み合わせがつくられるためである。 86.01.104 磁場によって変わる化学反応 長倉三郎/林久治 ある種の化学反応が磁場の影響を受けることが実験と理論から明らかになった。 86.01.11 別91 ガンの治療と予防の効果 J.ケーンズ 私たちを脅かすこの病魔との戦いに勝つためには,有効な予防法の開発を急がねばならない。 86.01.22 はくちょう座X-3からの宇宙線 P.K.マキオン/T.C.ウイークス 空のあらゆる方向からやってくる宇宙線の源の1つは,はくちょう座X-3だと考えられる。 86.01.34 人力飛行機 M.ドレラ/J.S.ランフォード 人力飛行機は,従来の飛行機とは空気力学上まったく異なる領域を飛ぶ。 86.01.54 別99 大陸を構成するテレーン D.G.ハウエル 周囲と異なる歴史をもつ地殻ブロック“テレーン”の集合体である大陸は,ダイナミックに姿を変える。 86.01.72 別78 カルシウム信号の調節機構 E.カラフォリ/J.T.ペニストン 筋収縮やホルモン分泌に欠かせないカルシウムイオンの濃度調節や輸送,放出のしくみがわかってきた。 86.01.84 ICカード R.マキーバ 誤用や悪用に対して安全性を確保できるICカードが実用化段階を迎えた。 86.01.91 脊椎動物の皮膚呼吸 M.E.フェーダ/W.W.バーグレン 皮膚呼吸をする動物は,毛細血管の血流量を増したり,皮膚に突起を作って表面積を増やしている。 86.02.20 光の位相共役 V.V.シュクノフ/B.YS.ゼルドビッチ 光や電磁波では時間反転が可能なことを利用して,鋭い指向性をもつレーザー・ビームがつくれる。 86.02.28 中国の食糧事情 V.スミル 中国の食糧不足は一応解決しているが,自然破壊など数々の問題にうまく対処する必要がある。 86.02.46 別77,81 エイズの免疫機構 J.ローレンス エイズウイルスは,免疫系で重要な役割を演じるT4リンパ球に感染し,免疫系は混乱に陥る。 86.02.60 移動する火星の極 P.H.シュルツ 火星の赤道付近にある極地方に特有の地形は,火星の極がかつて移動したと考えれば説明できる。 86.02.74 雄の鳴き声を聞きわけるコオロギの神経系 F.フーバ/J.トーソン コオロギの脳内のニューロン群は,雄の鳴き声に含まれる1/30秒のリズムを識別できる。 86.02.86 コンピューターによる逆転写酵素遺伝子の探査 宮田隆/藤博幸/林田秀宜 逆転写酵素の遺伝子は,昆虫のトランスポゾンや菌類のミトコンドリアDNAにも存在していた。 86.02.9 SDIのソフトウェアは開発可能か H.リン 戦略防衛構想で,防衛システム全体を支える膨大なソフトウエアの開発は実現不可能である。 86.02.98 有限単純群の分類定理 D.ゴーレンシュタイン 単純群という群の最小単位は,18個の無限系列と26個の散在形単純群しかない。 86.03.10 宇宙基地計画と科学技術 J.A.バン・アレン 米国は“有人”飛行計画をやめ,ボイジャーのような無人ロボット衛星の計画を推進すべきである。 86.03.20 高血圧を引き起こすレニンの立体モデル 村上和雄 遺伝子工学的手法やコンピューターを使うことによって,レニンの立体モデルを作ることができた。 86.03.34 別88 光位相共役の応用 D.M.ペッパー 光の位相共役は,大容量光ファイバー通信,連想記憶,衛星通信など,新しい応用分野をひらく。 86.03.54 別91 白血病細胞の脱ガン化 L.サックス 正常な白血球の分化と成熟についての理解が深まり,血液のガンである“白血病”を治療する研究が進んでいる。 86.03.66 加速器質量分析による放射性炭素年代測定 R.E.M.ヘッジス/J.A.J.ゴウレット 新しい炭素年代測定法によると,試料は従来法の1/1000ですみ,高精度で年代を決定できる。 86.03.76 彗星の尾の構造 J.C.ブラント/M.B.ニードナー 彗星のブラズマの尾は,複雑な構造を示す。探査機による彗星観測は,その生成の謎の解明に役立つ。 86.03.87 海底の熱水鉱床 P.A.ロナ 熱源上の玄武岩の割れ目を循環している海水は,岩石中の金属成分を濃縮して金属鉱床を形成する。 86.03.98 高等植物の化学的防御 G.A.ローゼンタール 植物は,昆虫などに食べられないように,種々の化学物質を作りだしている。 86.04.110 別77 T細胞レセプター P.マラック/J.カプラー 免疫系のネットワークで中心的な役割を演じているT細胞のレセプター構造が解明されてきた。 86.04.19 ヘリオトロン方式による核融合 宇尾光治 ヘリオトロン方式は,定常運転ができ,炉の構造が簡単で,しかも優れた閉じ込め磁場をもつ。 86.04.32 中世イスラムの天文学 O.ギンガリッチ 8〜14世紀の間,広大なイスラム教圏で花開いた天文学は,西欧近代科学に重大な影響を与えた。 86.04.44 DNAでさぐる鳥類の系統進化 C.H.シブリー/J.E.アールキスト 異種間のDNA塩基配列の類似度を定量的に調べると,コンドルはワシよりコウノトリに近かった。 86.04.68 別99 音波でみるプレート境界の構造 J.C.ムッター 海底やその下部の岩石層で反射した音波に基づく断面図で,プレート・テクトニクス理論を検証する。 86.04.81 極低温での量子化学反応 V.I.ゴルダンスキー 絶対零度付近では,量子力学的過程によって化学反応が進むことがわかった。 86.04.90 内分泌器官としての心臓 M.カンティン/J.ジュネ 心臓は単なるポンプではなく,ホルモンも分泌する。このホルモンは,血圧や血液流量を調整する。 86.04.98L3 インカの石造技術 J.-P.プロッツェン インカの遺跡には石を積んだ壁がある。その石の整形に,3種の石がハンマーがわりに使われたらしい。 86.05.102 別80 心的イメージと視覚システム R.A.フィンケ 視覚的なイメージを思い浮かべるとき,脳内では実際にものを見るときと同じ神経プロセスが働く。 86.05.12 見直しを迫られる米国の原子力発電 R.K.レスター 米国では原子力発電の発注が停滞しており,安全性をもつ新しい炉の開発が必要である。 86.05.22 地球磁気圏の尾 E.W.ホーンズ 地球の磁場圏は太陽風と相互作用して長い尾を伸ばし,ときどき,巨大なプラズマ塊を放出している。 86.05.32 別78 血友病の分子遺伝学 R.M.ローン/G.A.ベハー 血友病の治療に必要なタンパク質の遺伝子は長さが18万6000塩基もあるが,その単離に成功した。 86.05.50 別84,85 次世代の超大型加速器SSC J.D.ジャクソン/M.ティグナー/S.ボイジッキー 20TeVに加速した陽子と陽子を正面衝突させる,一周80Hの超大型加速器が検討されている。 86.05.66 植物進化のコンピューター・シミュレーション K.J.ニクラス この方法は,植物の進化の関する仮説を検証する有効な道具の1つとなる。 86.05.76 別94 量子ホール効果 K.フォン・クリッツィング ある種の半導体では,低温・強磁場でホール抵抗が量子化されるという事実が明らかになった。 86.05.92 スポーツウエアと用具の科学 C.R.カイル 滑らかでピッタリしたウエアは,今までのウエアに比べて風の抵抗が6〜10%減る。 86.06.10 軍備管理協定の順守をめぐる米ソのかけひき M.ニンチッチ 米国はソ連が協定に違反していると何度も非難してきたが,それは必ずしも当たっていない。 86.06.22L4 誕生時のストレスとカテコールアミン H.ラゲルクランツ/T.A.ストロキン 誕生時には大量のアドレナリンとノルアドレナリンが放出され,生命の危機から赤ちゃんを守る。 86.06.32 別94 第2の量子ホール効果 B.I.ハルペリン 半導体材料の研究から生まれたこの発見は,物理学の基本定数と密接な関係をもつ。 86.06.50 タンパク質分子の動的なシミュレーション M.カープラス/J.A.マッキャモン タンパク質のダイナミックな動きを知る最良の方法が,コンピューター・シミュレーションである。 86.06.66 哺乳類に及ぼす磁場の影響 中川正祥 強磁場に何日もさらされたウサギやネズミは,血中のコレステロール値が変化し,体重が減少する。 86.06.76 別88 光ジャイロスコープ D.Z.アンダーソン 光を使ったジャイロスコープは可動部分がほとんどないので,機能維持に手間がかからない。 86.06.84L7 渡り鳥の内在性リズム E.グウィナー 毎年,同じ時期に渡りを始め,同じ地域で渡りを終えるのは,体内に存在する約1年周期のリズムによる。 86.06.96 現代天文学の先駆者ハーシェル M.ホスキン 天王星発見で知られるハーシェルは,太陽系外の天体を本格的に研究した最初の人であった。 86.07.18 国際観測網がとらえたハレー彗星 清水幹夫 ハレー彗星は黒くて熱い核をもっていた。また,細かい塵が多数あって,それらは有機物に富んでいた。 86.07.30 地質学者ダーウィン S.ハーバート 進化論で有名なダーウィンは,地質学の専門家としてビーグル号の航海に参加した。 86.07.46 火星の気候 R.M.ハバール 火星は,冬に極で二酸化炭素が凍るほど寒い惑星である。しかし初期には地球の気候に似ていた。 86.07.60 絶滅の危機にひんするチーター S.J.オブライエン/D.E.ウィルト チーターの繁殖率は異常なほど低い。これは遺伝子が均一化しているためと思われる。 86.07.71 細胞表面の機能高分子スフィンゴ糖脂質 箱守仙一郎 細胞が分化したりガン化するとき,生体膜を構成するこの分子の構成が劇的に変化する。 86.07.84 別84 超伝導検出器がひらく電波天文学の新領域 T.G.フィリップス/D.B.ラトレッジ トンネル接合を利用した高感度検出器により,ミリ波やサブミリ波領域の観測精度が飛躍的に向上した。 86.07.9 突然の心臓死を救う救急体制 M.S.アイゼンバーグ/L.バーグナー 突然の心臓死も,救急医やトレーニングを受けた人が直ちに処置をすれば救命できる。 86.07.92 泡の物理学 J.H.オーバート/A.M.クレイニック 泡が集まって塊として存在するためには,種々の力のバランスが必要である。 86.08.10 素材の時代を超えて E.D.ラーソン/M.H.ロス/R.H.ウイリアムズ 先進工業国では,鉄などの素材が産業に占める重要度が低下し,社会の発展の指標ではなくなっている。 86.08.20 細胞接着をつかさどるフィブロネクチン R.O.ハインズ フィブロネクチンは発生中の細胞移動や傷の修復の過程でも重要な役割を演じる。 86.08.32 エル・ニーニョは予測できるか C.S.ラメージ この現象は,太平洋赤道上での強い熱帯低気圧の発生が引き金になっている可能性がある。 86.08.48 別85 自然は“超対称”か H.E.ハーバー/G.L.ケイン フェルミ粒子とボーズ粒子との間の対称性をも考察に入れた“超対称理論”が登場してきた。 86.08.60 吸引ポンプとしての心臓 T.F.ロビンソン/S.M.ファクター 心臓への血液は,静脈圧によって自然に流れ込むのではない。心臓は,能動的に血液を吸い込んでいる。 86.08.72 農作物を枯らす宿主特異的毒素の解明 上野民夫 ナシやリンゴの病原菌が感染時に分泌する微量の毒素を単離し,その化学構造を解明することに成功した。 86.08.84 現代の風車 P.M.モレッティ/L.V.ディボーン 風車の技術改良が飛躍的に進展し,カリフォルニア州では発電量の1%を風力発電が担うまでになった。 86.08.94 別80 人は見かけの運動をどう知覚するか V.S.ラマチャンドラン/S.M.アンスティス 映画などの連続静止画像を動いていると知覚するために,視覚系はある種のトリックを使っている。 86.09.10 5回対称を示す秩序構造モデル 小川泰 電子線回折で“5回対称”を示す写真が得られ,結晶学にセンセーションが起こっている中で, 筆者はその構造モデルを構築した。 86.09.102 節足動物のクチクラ N.F.ハドレー 防水性のよいクチクラのおかげで節足動物は陸上で繁栄している。その微細構造が,電子顕微鏡に より解明された。 86.09.24 抗イディオタイプ抗体と免疫反応 R.C.ケネディ/J.L.メルニック/G.R.ドリーズマン 抗体の可変部を認識して結合する抗イディオタイプ抗体には,抗原の“内的イメージ”をもつものが あり,ワクチンとして利用できる。 86.09.36 フライト・シミュレーター R.N.ハーバー コンピューターを駆使した最新のフライト・シミュレーターは,安全性と訓練コストの面で, めざましい貢献をしている。 86.09.54 別99 山はなぜ高くそびえていられるのか P.モルナー 高い山を支えているのは,厚く丈夫なリソスフェアか,マントルに突き出た地殻の大きな根が 受ける浮力である。 86.09.69 別89 宇宙の巨大構造 J.O.バーンズ 銀河や銀河団,超銀河団は,ビッグバン直後に存在した小さな揺らぎが進化したものである。 86.09.82 奇妙な原子核 J.H.ハミルトン/J.A.マルーン 原子核は,実際にはフットボールや円盤や,西洋ナシのような形が多く,球形をしている ものはまれである。 86.09.94 触覚の跳躍現象を探る F.A.ゲルダード/C.E.シェリック 近接した皮膚の2点を,短い時間差で刺激すると,第1の刺激の位置が第2の刺激の位置の 近くに移動したように感じる。 86.10.100 冷たい水を求めて移動するストライプトバス C.C.クータント 夏になるとストライプトバスが大量に死ぬが,これは,成魚が稚魚より冷たい水を好むからである。 86.10.110 先カンブリア時代の太陽活動周期 G.E.ウイリアムズ 南オーストラリアの先カンブリア時代の地層を解析すると,現在の太陽活動周期と驚くほど対応する。 86.10.122 栽培トウモロコシの起源 P.C.マンゲルスドルフ 現在のトウモロコシは,原始的な栽培トウモロコシと多年生テオシントとの雑種の子孫だ。 86.10.19 英国とフランスの戦略核戦力 J.プラドス/J.S.ウイット/M.J.ザグーレク 軍備管理条約の対象外であった英仏両国を軍備管理交渉に参加させることが望ましい。 86.10.30 中枢神経系での移植 A.ファイン 脳や脊椎の損傷が胎仔(たいし)組織の移植で回復することが,ラットの実験でわかった。 86.10.42 別84 超電導磁気浮上鉄道 京谷好泰 低温,超伝導,光情報伝送など新技術,新材料を結集したこの鉄道は,実用化目前である。 86.10.62 5回対称を示す準結晶 D.R.ネルソン 5回対称を示す“準結晶”は,結晶とアモルファスの中間にある新しい秩序状態と考えられる。 86.10.86 別88 短波長化で進むレーザー核融合 R.S.クラックストン/R.L.マクローリー/J.M.ソアーズ 赤外レーザービームの短波長化により,レーザー核融合は科学的実証段階に追っている。 86.11.10 別93 低レベル・マイクロ波の規制問題 K.R.フォスター/A.W.ガイ マイクロ波は,どの程度のレベルまでなら,人体に悪影響を与えないのだろうか。 86.11.20 太陽と星間ガスの相互作用 F.パレス/S.ボイヤー 水素とヘリウムを主成分とする星間ガスは太陽の影響で,宇宙空間に複雑な構造を形成する。 86.11.28 血液脳関門 G.W.ゴールドスタイン/A.L.ベッツ 血液脳関門の実体は血液と脳組織を隔てる毛細血管の内皮細胞で,物質を選択的に通過させる。 86.11.48 別85 超弦理論 M.B.グリーン 素粒子を弦として取り扱うと,重力を含めた4つの基本的な力を矛盾なく統一的に説明できる。 86.11.66 トポロジーで分子の化学的性質を予言する D.H.ルーブレイ 原子の相互連結パターンを求めると,化学物質を合成する前にあらかじめその性質がわかる。 86.11.76 イメージトレーニング 勝部篤美 うまくプレーするイメージを繰り返し描く訓練をすると,スポーツの技能は大幅に向上する。 86.11.87 周囲の色に影響される色知覚 P.ブロー/T.R.シャーシャー/L.リンデン/J.Y.レトビン 色の知覚は,対象からの光だけでなく,周囲の色や,網膜を照らしていた光の色などの影響を受ける。 86.11.98 腕足類 J.R.リチャードソン 二枚貝に似たこの動物は,海岸の岩場から深海底の泥の中まで,さまざまな環境に生息している。 86.12.112 先端金属材料 B.H.キーア 金属の結晶構造と性質との関係が詳しくわかってきたので,熱や腐食に強い合金を作れる。 86.12.124 新しいセラミック材料 H.K.ボーエン セラミックスの硬くて熱や薬品にも強いが,割れやすいという最大の欠点も改善されつつある。 86.12.134 高性能ポリマー材料 E.ベイヤー 高温で強い力に耐える構造材料や,エレクトロニクス分野の機能材料などが登場してきた。 86.12.146 複合材料 T.チョウ/R.L.マッカラフ/R.B.パイプス 微粉末や繊維などを母材に埋め込んだ複合材料は,材料単独で実現できない優れた性質をもつ。 86.12.18 情報・通信分野の新材料 J.S.メイヨー エレクトロニクスからフォトニクスへ,情報・通信システムを支えるのは材料科学である。 86.12.28 航空宇宙分野の新材料 M.A.スタインバーグ 亜音速機,大気圏と宇宙を往復する極超音速機の開発には,各種の新材料が必要である。 86.12.44 自動車用の新材料 W.D.コンプトン/N.A.ジョスタイン 軟鋼や鋳鉄に代わってアルミニウム,プラスチック,高張力鋼の利用が増大している。 86.12.54 エネルギーの有効利用と新材料 R.S.クラーセン/L.A.ギリファルコ エネルギーの変換効率を上げる新材料や,従来の材料を安く作る製造法の開発が重要である。 86.12.64 医療分野の新材料 R.A.フラー/J.J.ローゼン 新しいポリマーやセラミックス,複合材料は人工心臓など人工臓器の強度と生体適合性を高める。 86.12.74 新材料の科学 G.L.リードル 優れた性質をもつ新材料の開発には,物性物理学や化学に関する知識が必要不可欠である。 86.12.84 エレクトロニクス材料 P.チャウダリー 半導体デバイスの微小化は極限に近づき,より高密度で高速のデバイスの追究は多様化している。 86.12.98 新材料開発と経済 J.P.クラーク/M.C.フレミングス 先端技術の発展にとって新素材の開発は不可欠であり,最終的には経済発展のカギとなる。 86.12.98 別88 フォトニクス材料 J.M.ローウェル 光通信から光コンピューターまでフォトニクスの将来は新しい材料開発にかかっている。 87.01.100 L8 南極海の魚はなぜ凍らない J.T.イーストマン/A.L.ド・フリース 南極海の魚類が氷点下の水中でも凍らないのは,体液に不凍糖タンパク質が含まれているからである。 87.01.18 別95 酵素機能をもつRNA T.R.チェック ある種のRNAは,自分の一部を切り出して残った部分をつなぐ反応を酵素なしで行なえる。 87.01.30 地球の精密測定を可能にしたVLBI W.E.カーター/D.S.ロバートソン 複数の電波望遠鏡によるクエーサーの同時観測で地球上の2点間の距離などを精密に測定できる。 87.01.50 別97 天王星探査を成功させたボイジャーの技術 R.P.レーサー/W.I.マクローリン/D.M.ウォルフ ボイジャーチームは,たび重なる故障を克服し,宇宙探査史上最大の成果を手に入れた。 87.01.64 別99 水惑星「地球」の起源と進化 松井孝典 なぜ地球にだけ海があるのか。原始大気の保温効果に注目することから,地球進化の謎が解明された。 87.01.76 別85 ヒッグス・ボソンは実在するか M.J.G.ベルトマン ヒッグス・ボソンは,数学的整合性を与えるために導入された仮説粒子だが,実在の証拠はない。 87.01.86 特徴と対象の視覚情報処理 A.トリーズマン 目に映った場面から,意味のある対象を知覚するには,対象を再構成する過程が必要である。 87.01.9 米国の影の住宅市場 W.C.ベイアー 州や市町村が,既存の住宅の修理や非居住用建築物の改造を進めれば安い住宅は増える。 87.02.108 人力水中翼艇 A.N.ブルックス/A.V.アボット/D.G.ウイルソン ペダルをこいでスクリューを回す人力水中翼艇は,1人こぎレース用ボートより速く走る。 87.02.20 別89 宇宙の暗黒物質 L.M.クラウス 最新の知識によると,宇宙に存在する暗黒物質の最も可能性の高い候補はアクシオンである。 87.02.34L8 托卵するナマズ 佐藤哲 タンガニーカ湖にすむナマズの一種は,鳥類でしか知られていなかった托卵で繁殖している。 87.02.52 別81 ヒト・レトロウイルスの発見 R.C.ギャロ このウイルスは,逆転写酵素の発見とT細胞の培養法の確立により,1978年に発見された。 87.02.68 カオス J.P.クラッチフィールド/J.D.ファーマー 無秩序性を生じるカオスの発見は,従来の科学のやり方に多くの問題を投げかけている。 87.02.84 網膜の構造と機能 R.H.マスランド 特定の神経細胞を選択的に染色する新しい技術で,網膜内の神経細胞の分布が解明されてきた。 87.02.9 米国の病院ビジネス D.W.ライト 営利を目的とした病院チェーンの登場は,米国の医療制度の欠陥を白日の下にさらした。 87.02.98 根はなぜ下に伸びるのか M.L.エバンス/R.ムーア/K.H.ハーゼンスタイン アミロプラストという細胞小器官とカルモジェリンやカルシウム,オーキシンの働きによる。 87.03.10 過大評価されてきたソ連の戦略核 L.R.サイクス/D.M.デービス 地下核爆発の威力推定法によると,ソ連は軍備管理条約に違反していないことがわかった。 87.03.102 リポソーム投薬法 M.J.オストロ リポソームという脂質膜の微小な球に薬剤を封入して投与すれば,副作用の心配がない。 87.03.22 海洋温度差発電 T.R.ペニー/D.バラタン この発電システムの成否は,海水の淡水化や深層水を利用した養殖など,副産物にかかっている。 87.03.30 物理現象とフラクタル成長 L.M.サンダー フラクタル成長モデルを使うと,自然界にある無秩序なパターンなどがうまく説明できる。 87.03.50 別81 エイズウイルス R.C.ギャロ この病原体は第3のヒト・レトロウイルスとして発見されたが,ワクチンの開発はまだ先だ。 87.03.66 集雪冷房システム 梅村晃由 冬に市街地で除雪した雪を山に貯蔵し,夏にその雪で冷房するシステムが研究されている。 87.03.78 本能に導かれた学習 J.L.グールド/P.マーラー 現在では,学習と本能の両者を明確に区別することは誤りであることがわかっている。 87.03.92 別97 ボイジャーのみた天王星 A.P.インガソル 天王星が厚くて濃い大気をもち,その大気循環パターンが地球に似ていることがわかった。 87.04.20 別87 バリスティック電子デバイス M.ハイブラム/L.F.イーストマン 電子が移動するチャンネルをごく短距離にしてやると,超高速電子デバイスが実現できる。 87.04.32 別98 よみがえったパルサー J.シャハム 1982年以降発見されたパルサーは,“死んだ”ものが,よみがえったものらしい。 87.04.50 臨界に迫るトカマク核融合 田中裕二 日本のJT-60,米国のTFTR,ECのJETは間もなく臨界プラズマ条件を達成するだろう。 87.04.64 遺伝的組み換えのメカニズム F.W.スタール 人為的な遺伝子操作ではなく,増殖の過程で自然に起きる遺伝子再編の仕組みがわかった。 87.04.78 細胞内のベルトコンベヤー「微小管」 R.D.アレン 微小管は,細胞の保持だけでなく,小胞やミトコンドリアなどの運搬も行っている。 87.04.88 シンセサイザーの楽音合成技術 M.V.マシューズ/J.R.ピアース コンピューターを使えば従来の楽器の音はもちろん,まったく新しい音も“創造”できる。 87.04.9 結婚・母親業と研究活動は両立するか J.R.コール/H.ズッカーマン 子持ちの女性科学者は子育てや家事の負担を克服し,独身女性に劣らぬ研究成果を上げている。 87.04.98 L6 海底を耕すコククジラとセイウチ C.H.ネルソン/K.R.ジョンソン ベーリング海北東部海域の海底の無数の穴はコククジラとセイウチが餌を取るときに作った。 87.05.20 大陸を分裂させる原動力 E.ボナッティ 大陸の分裂は,マントルの中の異常に熱い部分が上昇して地殻の底部を割ることから始まる。 87.05.30 レーザー冷却による原子の精密測定 W.D.フィリップス/H.J.メトカーフ レーザー冷却という新技術は,物理学の基本である基礎定数の精密測定にたいへん役立つ。 87.05.48 ポリオウイルスの立体構造 J.M.ホーグル/M.チョウ/D.J.フィルマン ウイルスの3次元構造が,X線回折と新しいコンピューター・プログラムにより解明された。 87.05.62 6500m潜水調査船 高川真一 1989年の完成を目指し建造中の日本の新しい潜水調査船は,世界最高の性能をもっている。 87.05.74 別87,88 光ニューラルコンピューター Y.S.アブ-モスタファ/D.プサルティス 脳の構造をもとにコンピューターを構成すれば,パターン認識などの問題を効率よく解ける。 87.05.84 冬のガはどのようにして寒さに耐えるのか B.ハインリッヒ 冬を成虫ですごすガはエネルギーの浪費を極力避け,枯葉の下で寒さに耐えて生きている。 87.05.9 見直しを迫られる米国の単作農業 J.F.パワー/R.F.フォレット トウモロコシや小麦などの単作は,その経済的なメリットが減少し,問題視されている。 87.05.94 デンマークの中石器時代人の生活 T.D.プライス/E.B.ピーターセン 今から7000年前デンマークに住んでいた狩猟採集生活者は,季節的な定住生活もしていた。 87.06.10 第3世代の核兵器 T.B.テイラー 次世代の核兵器は,マイクロ波など特定エネルギーを増強,指向性をもたせたものになる。 87.06.104 古代中国の鐘の音響学 沈星揚 3500〜2200年前に中国で使われていた編鐘の研究から高度な科学・技術がよみがえった。 87.06.22 抗ウイルス療法 M.S.ヒルシュ/J.C.カブラン ヒトの細胞とウイルスとの分子レベルにおける違いに基づいて,薬剤の開発が進んでいる。 87.06.34 太陽光発電 浜川圭弘 量産化技術が急速に進歩して,太陽光発電が大規模発電法の仲間入りをする日が近づいた。 87.06.51 別97 ボイジャーのみた天王星の月 T.V.ジョンソン/R.H.ブラウン/L.A.ソーダブロム 天王星の5つの主衛星はすべて氷の表面をもち,土星の衛星よりも暗く,岩に富んでいた。 87.06.72 脾蔵への肝細胞の移植 水戸廸郎/草野満夫 脾蔵に肝臓の細胞を移植し,そこに“第2の肝臓”を作り上げるという研究が進んでいる。 87.06.82 視細胞は光にどのように応答するか J.L.シュナップ/D.A.ベイラー 視細胞が光の刺激をどんな仕組みで電器信号へ変換するかが,分子レベルで解明されてきた。 87.06.92 動物の爆発的台頭 M.A.S.マクメナミン 動物の種類と数が,今から5億7000万年前のカンブリア紀初期に,突如爆発的に増加した。 87.07.10 米国における所得分布の不平等化 L.C.サロー 労働力の移動と賃金の低い女性労働者の急増で,所得分布の不平等化が著しくなっている。 87.07.20 宇宙でのリチウム,ベリリウム,ホウ素の生成 V.E.バイオラ/G.J.マシューズ リチウム,ベリリウム,ホウ素の3つの元素は,星間物質と宇宙線の相互作用でつくられた。 87.07.30 ブドウ糖と老化 A.セラミ/H.ブラッサラ/M.ブラウンリー ブドウ糖がタンパク質と結合して糖尿病や動脈硬化症などの障害を起こすことがわかった。 87.07.52 相の再現とエントロピー J.S.ウォーカー/C.A.バウセ ある種の混合液体では,温度によって混合した状態と分離した状態の2つの相が現われる。 87.07.65 動きの方向を判断する網膜のシナプス T.ポッジョ/C.コッホ 網膜の神経筋細胞は単一のトランジスタのようにではなく,ICチップのように機能する。 87.07.74 世界最古のコンクリート 李最雄 中国で発見された5000年前の住居跡の床は,立派なコンクリートでできていた。 87.07.86 爆轟のメカニズム W.C.デービス 爆薬は,多方面に使われるようになったが,爆発の仕組みはまだ完全にはわかっていない。 87.07.96 熱水噴出孔の動物と細菌の共生 J.J.チルドレス/H.フェルベック/G.N.ソメロ 暗黒の深海底で生命を支えているのは硫化水素を酸化する細菌と動物の共生関係である。 87.08.10 アフリカの干ばつ M.H.グランツ 干ばつは反復して出現するが,明確な周期はなく,人為的な要因をはらむので対処が難しい。 87.08.20 別87 高速並列処理装置「コネクション・マシン」 W.D.ヒリス 約6万個のプロセッサをもった高速並列処理装置が開発され,その応用が進められている。 87.08.30 光合成の分子機構 D.C.ユーバン/B.L.マース 生物が太陽光を生命のエネルギーに変えていく仕組みを分子レベルで描けるようになった。 87.08.48 記憶の解剖学 M.ミシュキン/T.アッペンゼラー サルの学習試験と神経回路の解剖学的な知識を総合し,記憶の謎が解明されてきた。 87.08.63 重力波天文台 A.D.ジェフリーズ/P.R.ソールソン/R.E.スペロ/M.E.ズッカー 重力波天文台は,光や電波やX線と異なったまったく新しい宇宙像を見せてくれるだろう。 87.08.74 変化に富むカニの交尾器 武田正倫 カニの雄の交尾器には多種多様なものがあり,種を分類する重要な手掛かりとなっている。 87.08.84 崩壊する火山 P.フランシス/S.セルフ 火山は溶岩や火山灰で大きくなるが,時おり起きる大規模な山体崩壊で小さくなっている。 87.08.94 第2次世界大戦中の米国の生物兵器開発 B.J.バーンスタイン 1942年から生物戦の研究を始めた米国は,44年には細菌爆弾を製造できるまでになっていた。 87.09.10 先端技術は米国鉄鋼業を救えるか J.ツェクリー 新しい製鋼技術を導入し,生産性の向上,省力化,品質向上を図ることがまず必要である。 87.09.20 別97 ボイジャーのみた天王星の環 J.N.カジ/L.W.エスポジト 天王星の環がなぜ狭くて黒いのか,環や半欠けの環はどうしてできたのかがわかってきた。 87.09.28 変化するバリアー島と海浜 R.ドラン/H.リンス 米国の大西洋沿岸とメキシコ湾沿岸にある島々は暴風や海流によって形を変え続けている。 87.09.48 分子レベルで解明された視細胞の興奮機構 L.ストライヤー 光子が当たったことをどのように形質膜の電位差に変えるかが,分子レベルでわかった。 87.09.62 並列ディジタル光コンピューター 一岡芳樹/谷田純 電子から光へ,まったく新しい考えによる並列ディジタル光コンピューターが注目されている。 87.09.74 ライム病 G.S.ハビクト/G.ベック/J.L.ベナック ある種のスピロヘータが起こすこの病気にはインターロイキン-1が関係しているらしい。 87.09.82 冷たい核融合 J.ラフェルスキー/S.E.ジョーンズ レーザーや高温のプラズマを用いず,ミューオンを触媒として低温で核融合反応を起こせる。 87.09.90 古代近東のアーチと丸天井 G.W.バン・ビーク 近東地域では,約5000年前に,日干しレンガを用いて,アーチや丸天井がつくられていた。 87.10.18 回転する陽子と陽子の衝突 A.D.クリッシュ 陽子と陽子の衝突実験において,量子色力学理論に変更を迫るような実験事実が現われた。 87.10.30 ダウン症を引き起こす遺伝子 D.パターソン ダウン症を起こす遺伝子のあるものは,アルツハイマー病や白血病とも関係があるらしい。 87.10.49 岩塩テクトニクス C.J.タルボット/M.P.A.ジャクソン 岩塩は,大きなシート状の盛り上がりや指のような形を作り出したり,奇妙な挙動を示す。 87.10.64 別106 クローン選択説の成立 G.L.エイダ/G.ノッサル 現代の免疫学の根幹をなすクローン選択説が実証されるまでにはおよそ100年を要した。 87.10.74 エゾヤチネズミの社会構造と繁殖抑制 河田雅圭/斉藤隆 雌がなわばりをもてないと繁殖が抑制されるが,これは一生涯に残せる子の数を増やすためらしい。 87.10.86 別87 ガリウムヒ素トランジスタ W.R.フレンズリー ガリウムヒ素トランジスタの高速性の秘密は,電子のエネルギーと運動量の関係にある。 87.10.9 アメリカズカップを奪回した最新鋭艇 J.S.レッチャー/J.K.マーシャル/J.C.オリバー/N.サルベセン コンピューターを駆使して作りあげたヨットは1987年に,アメリカズカップを奪い返した。 87.10.96 酸性粒子による大気汚染 R.W.ショウ 酸性雨のほかにも,化石燃料の燃焼による酸性の微粒子が,土壌や湖沼を酸性化している。 87.11.18 富士山の活動周期と噴火 浜野一彦 鳴りをひそめている富士山の噴火は起こるのだろうか。過去の活動を分析し可能性を探る。 87.11.30 生物界に広く見られる逆転写 H.バーマス レトロウイルスに特有の現象だと思われていた「逆転写」は,いろいろな生物に存在する。 87.11.48 別89 銀河の大規模な「特異運動」 A.ドレスラー 私たちの銀河系は近くの銀河とともに遠くの巨大な物質塊に引かれて特異運動をしている。 87.11.60 新しいイオン性結晶エレクトライド J.L.ダイ 新しいイオン性結晶「エレクトライド」は,変わった光学的性質や磁気的性質をもっている。 87.11.72 子どもはどのようにことばを覚えるか G.A.ミラー/P.M.ギルディア 子どもはわかりやすい文脈の中でことばの意味を理解しながら新しいことばを覚えていく。 87.11.80 植物も擬態する S.C.H.バレット 腐った肉のような色・形をした植物や,動物に食べられないように,石に似た植物がある。 87.11.9 レーザー兵器はSDIに使えるか C.K.N.パーテル/N.ブルームバーゲン 戦略防衛構想に不可欠な指向性エネルギー兵器の開発には,多くの難問が残されている。 87.11.90 高効率でクリーンな石炭火力発電所 R.E.バルチザー/K.E.イエーガー 石炭を,より効率よくきれいに燃やすには,流動層燃焼と石炭ガス化の方法が有望である。 87.12.108 別87 医療のためのコンピューター・システム G.D.レネルズ/E.H.ショートリフ 医師の診断や治療に対して助言できるようなコンピューター・システムが実用化されている。 87.12.118 別87 製造業のためのコンピューター A.M.エリスマン/K.W.ネビス コンピューターは,空気力学特性の研究には有用だが,製造業の他分野での利用はまだ難しい。 87.12.20 別87 並列コンピューターのアーキテクチャ G.C.フォックス/P.C.メシナ 逐次型に代わって,問題を分割して同時に解く並列型コンピューターが実用化されてきた。 87.12.32 別87 近未来コンピューターのチップ J.D.マインドル 現在,1つのチップに100万個だが,2000年には10億個のトランジスタをのせた集積回路ができる。 87.12.52 別87 並列コンピューターのプログラミング D.ゲラーンター 並列コンピューターには,その活動を系統だったものにできるソフトウエアが必要である。 87.12.64 別87 近未来のファイル記憶装置 M.H.クライダー 磁気ディスク装置は,これから5年以内に今日のものの5倍の記憶容量をもつようになる。 87.12.76 別87 近未来のインターフェース J.D.フォーレイ コンピューターと利用者のインターフェースを円滑にする「人工現実感」の試みが始まった。 87.12.86 別87 近未来のネットワーク R.E.カーン プログラム,データ,ハードウェアを共用するには,コンピューターの相互理解が必要だ。 87.12.9 次のコンピューター革命 A.ペレド コンピューターはこの先10年の間に進歩して今よりもずっと強力で使いやすいものになる。 87.12.96 別87 科学技術のためのコンピューター P.ハット/G.J.サスマン 計算機実験は重要な役割を果たしているが,将来は高度の数式処理や定性計算もするだろう。 88.01.16 別88 応用分野が広がるシンクロトロン放射光 H.ビニック この放射はパルス光で,指向性がよく,部分的にはコヒーレントという特性をもっている。 88.01.28 人工染色体 A.W.マレー/J.W.ショスターク プラスミドに動原体などを挿入することにより,人工的に染色体をつくり出すことができる。 88.01.46 ハイブリッド型人工肝臓 中村敏一 培養したイヌの肝細胞を組み込んだハイブリッド型人工肝臓を用いて,肝臓を摘出したイヌを48〜72 時間,生存させることに成功した。 88.01.60 別98 新しいタイプの超新星 J.C.ウィーラー/R.P.ハークネス 大質量星が水素の多い外層をはぎとられ,残されたコアが重力崩壊してできたものだろう。 88.01.72 悪魔とエンジンと第二法則 C.H.ベネット 熱力学の第二法則を破るかにみえる“マクスウェルの悪魔”の問題が,ようやく解決した。 88.01.8 ガンを減らす食事 L.A.コーエン 脂肪や単純炭水化物の摂取量を減らし,繊維などをふやせば,ある種のガン発生は減らせる。 88.01.84 ジャイアントパンダの祖先 S.J.オブライエン 類縁関係を調べた結果,ジャイアントパンダはクマ科ジャイアントパンダ亜科が適切らしい。 88.01.92 潮汐発電所と環境 D.A.グリーンバーグ すぐれたモデルを構築すれば,潮汐発電ダムを作った場合の環境への影響を正確に評価できる。 88.02.20 月の古磁場 S.K.ランコーン 月もかつては磁場をもっており,しかも,その磁極の位置が最低でも3回変化したらしい。 88.02.30 ガラスはなぜ壊れやすいのか T.A.ミカールスケ/B.C.バンカー ガラスは真空中では合金の10倍の強さであるが,水があるところで力がかかると壊れやすい。 88.02.48 別87 脳をモデルにした集団並列計算機 D.W.タンク/J.J.ホップフィールド 生物の神経をモデルにして電子回路を構成すると,ある種の複雑な問題をすばやく解ける。 88.02.60 動物細胞はどのようにして移動するか M.S.ブレッチャー 白血球やガンなどの細胞は,表面の膜をキャタピラのように動かすことによって移動する。 88.02.70 「インファントサイド」を抑える行動原理 関口茂久 生まれたばかりの子供を殺す“子殺し”の行動を調節している原理を実験で明らかにする。 88.02.78 別89 コスミック・ストリング A.ビレンキン 星の分布が一様でなく銀河や銀河団をつくるのは,膨大な質量のストリングが存在するからだ。 88.02.8 サービス産業を変える技術革新 J.B.クイン/J.J.バルッチ/P.C.パケット 農業と製造業を発展させてきた技術は,いまやサービス産業の成長の原動力となっている。 88.02.88 トカゲの擬似交尾行動 D.クルーズ ムチオトカゲのある種は雌しかいないが,時期によって雄のように求愛行動をしたりする。 88.03.18 新しい巨大電波望遠鏡VLBA K.I.ケラー/A.R.トンプソン 直径25mの電波望遠鏡10台で構成されるもので,地球の大きさの電波望遠鏡に相当する。 88.03.28 希土類は豊富に存在する G.K.メッケ/P.メーラー 名前とは逆に希土類は地球に豊富に存在するが,低品位の鉱物の形でしか産出しない。 88.03.44 実験が光をあてる量子力学の奇妙な世界 A.シモニー 最近の実験結果をみると,常識的な解釈では理解しにくい量子世界はやはり正しいらしい。 88.03.56 別106 キラー細胞はいかにして細胞を殺すか J.D-E.ヤング/Z.A.コーン キラー細胞は標的細胞にしっかり結合し,パーフォリンというタンパク質を放出して殺す。 88.03.66 名前を呼び合うクモザル 正高信男 クモザルの音声コミュニケーションの研究で,彼らが命名体系をもっていることがわかった。 88.03.74 美術と錯覚の視覚系 M.S.リビングストン 視覚情報は3つに独立した経路で処理されるため,錯覚などいろいろな視覚効果が生まれる。 88.03.84 変圧器の歴史 J.W.コルトマン 電力技術のなかでも,約1世紀前に実用化された変圧器が最も重要な役割を果たしてきた。 88.03.9 南極のオゾンホール R.S.ストラルスキー オゾンホールの生成の主な原因はフロンガスのようだが,気象条件も関係があるようだ。 88.04.18 金星・地球・火星の気候の進化 J.F.カスティング/O.B.ツーン/J.B.ポラック 惑星のうちなぜ地球にだけ生命が存在し,他の惑星には存在しないような環境になったのだろう。 88.04.28 宇宙をつくった対称性の破れ R.K.アデア 物質が存在するのはCP対称性の破れのためで,その基本力を特定する実験が進行中である。 88.04.50 興奮を抑制するGABA作動性ニューロン D.I.ゴットリーブ GABAを分泌する抑制性ニューロンは,情報を整理し解析する働きに関係しているらしい。 88.04.60 火山現象としての岩屑流 宇井忠英 成層火山や溶岩円頂丘では,大規模な高速の地滑り運動「岩屑流」を発生することがある。 88.04.72 電気を通すプラスチック R.B.カナー/A.G.マクダイアミッド 導電性プラスチックの研究開発が進展して,銅の電気伝導度まであと1桁に追っている。 88.04.8 DNAマーカーによる染色体地図の作成 R.ホワイト/J.M.ラルエ 制限酵素を使うことによって,人間の染色体の地図を描くことができるようになってきた。 88.04.80 キタオポッサムの驚異的な適応力 S.N.オースタッド キタオポッサムが生息域を急速に拡大できたのは,非常に適応力に富んでいるからである。 88.04.88 天才数学者ラマヌジャンとπ J.M.ボールウェイン/P.B.ボールウェイン 32歳の短い生涯を駆け抜けたインドの天才数学者は,πの計算アルゴリズムを残していた。 88.05.16 別87,94 量子効果デバイスの可能性 R.T.ベイト 集積回路素子の小型化は限界に近づいており量子効果を用いたデバイスが研究されている。 88.05.22 触媒活性をもつ抗体 R.A.ラーナー/A.トラモンタノ 触媒としての働きをする抗体は,新しいワクチンの製造をはじめ広い分野で役立つだろう。 88.05.50 重力と反物質 T.ゴールドマン/R.J.ヒューズ/M.M.ニード 最新の重力理論によると,ガリレオが示したという「等価理論」が破れている可能性がある。 88.05.64 ヒョウの斑点はどのように決まるか J.D.マレー ヒョウやシマウマなどの毛皮模様は,胎児時代の形と大きさによって決まっているらしい。 88.05.74 建設用クレーン L.K.シャピロ/H.I.シャピロ 誕生して約2000年,その機能や種類は驚くほど進歩したが,安全対策はまだ不十分である。 88.05.8 ソナーを使わない潜水艦探知技術 T.ステファニック 従来の音響的な方法とは別に,レーザー光線や生物発光などによる方法が検討されている。 88.05.84 骨細胞が語る恐竜の生理 福田芳生 走査電子顕微鏡による観察で発見された骨細胞は,恐竜の骨の高い代謝機能を示している。 88.05.95 肥満と生殖機能 R.E.フリッシュ 女性が,ダイエットや過激な運動によって脂肪を限度以上に減らしてしまうと不妊になる。 88.06.16L6 ヒゲクジラ類の行動 B.ビルジッマ 海の哺乳類クジラは,摂餌行動やコミュニケーション,母子関係などを通して,陸生動物と同じように, ひとつの社会を形成している。 88.06.26 別106 自己免疫が果たす役割 I.R.コーエン 自己免疫疾患は免疫系が自己の組織を攻撃する疾患であるが,免疫系が自己を認識すること自体は 健康体にとっても重要な働きである。 88.06.46 ブラックホールの“膜パラダイム” R.H.プライス/K.S.ソーン ブラックホールを扁平な球状で,導電体の薄い膜につつまれたものと考えると,電磁波の影響などを, 直観的に理解できるようになる。 88.06.60 芳香族化合物はなぜ安定か 相原惇一 ベンゼンに代表される芳香族化合物はきわめて安定であるが,この理由が,グラフ理論共鳴エネルギー によってついに明かになった。 88.06.72 別95 植物遺伝子の光による発現制御 P.B.モーゼス/N.H.チュア 日光は遺伝子に作用して,光合成を起こしたり植物の成長に影響を及ぼすが,最近,光に反応する 遺伝子のDNA配列が明かになった。 88.06.8 自然楽器とコンピューターによる新しい演奏 P.ブーレーズ/A.ゲルソー 自然楽器が奏でる音楽を,コンピューターが高速で演算処理して新しい音をつくり出す。これにより, 新しい音楽分野が開かれ始めた。 88.06.80 気体中のスピンが引き起こす量子力学効果 F.ラロエ/J.H.フリード 低濃度の水素やヘリウム3などの気体を絶対零度近くまで冷却すると,通常の気体では観測されない ような量子力学効果が現れる。 88.06.90 実験動物学の父トランブレー H.M.レンホフ/S.G.レンホフ トランブレーは1740年代にヒドラに興味をもちその体を2つに切断して再生現象を調べたが,このことが 実験動物学の始まりとなった。 88.07.18 別91 ガン壊死因子TNFの働き L.I.オールド マクロファージから分泌され,ガンを壊死させるものとして発見されたTNFは,実際には,炎症や 免疫反応に広範にかかわっている。 88.07.28 地球磁場はなぜ逆転するか K.A.ホフマン 逆転を繰り返している地球磁場だが,その仕組みはいぜん謎のままである。そこで,磁気ベクトルを 使った新しい方法で謎に挑戦する。 88.07.48 別94 量子雑音を克服する「スクイーズド光」 R.E.スラッシャー/B.ユーケ 光を使った精密測定の限界は,量子力学的ゆらぎによって決まってしまうが,この「量子雑音」を 解決する画期的な手法が発見された。 88.07.59 大マゼラン雲に現れた超新星1987A 野本憲一 1987年2月に発見されたこの超新星は,16万光年という至近距離にあり,ニュートリノの観測をはじめ 数多くの成果がもたらされている。 88.07.70 カモノハシ M.グリフィス この一見原始的な動物は,餌を探すために電場を感知する受容器があるとか体温調節がうまいなど, 水辺での生活によく適応している。 88.07.80 エアロゲル J.フリッケ ゲル状の物質を収縮させないように乾燥してつくるエアロゲルは軽くてユニークな特性をもっている ので,その応用が期待されている。 88.07.88 宇宙定数の謎 L.アボット 宇宙の構造を解くカギになる宇宙定数は,理論値と観測値とで46桁も違う。これは,研究方法の 根本的見直しを迫っているようである。 88.07.9 別93 屋外より汚染されている室内の空気 A.V.ニーロ 室内の空気は,放射性物質や有機物などで屋外の空気よりも汚れている。今後,健康リスクを 考えた対応策が必要になってくるだろう。 88.08.18 別95 mRNAのスプライシングを担う“スナープス” J.A.スタイツ mRNA前駆体からイントロンを除去する作業で,核内低分子RNA-タンパク質複合体粒子(“スナープス”) が重要な役割を演じている。 88.08.26 南極氷原に出現する“湖”ポリニヤ A.L.ゴードン/J.C.コミソ 南極大陸を囲む海氷原中には,ポリニヤという海水面ができる。これが“地球熱機関”を動かし 世界の機構変化に影響を与えている。 88.08.48 ペロブスカイト R.M.ハーゼン 高温超伝導で注目されたこの結晶構造は,多種多様の変形が可能であり,絶縁体から超伝導体まで, さまざまな電気的性質が現れる。 88.08.60 多細胞生物のように活動する細菌 J.A.シャピロ 細菌は,多数が集まって高度に組織化されたコロニーをつくるので,単細胞生物ではあるが, 多細胞生物の個々の細胞のように見える。 88.08.70 米国経済再生のシナリオ R.ランダウ 米国の実質経済成長率は,日本や西ドイツよりも低い。米国が,かつての勢いを取り戻すには, 技術革新と投資の活性化が必要である。 88.08.82 ヒルの摂食行動を制御するセロトニン C.M.レント/M.H.ディキンソン セロトニンという神経伝達物質が,ヒルの摂食行動を制御していることがわかった。これは, 神経と行動の関係を解明するカギになる。 88.08.9 別89 粒子加速器が検証する宇宙論の予言 D.N.シュラム/G.スティーグマン 現代宇宙論は「素粒子の族は,現在の3つのほかに,あってもあと1つ」と予言しておりこれは 巨大加速器の実験で確認されるだろう。 88.08.90 働きバチの行動の起源 大谷剛 個々の個体を追跡する方法により働きバチの行動を詳細に観察,分析すると,その行動型は 狩りバチ時代に培われたものと考えられる。 88.09.16 別99 分裂と結合を繰り返す超大陸 R.D.ナンス/T.R.ワースリー/J.B.ムーディー 地球上の大陸は約4億4000万年の周期で,分裂と結合を繰り返している。これは地殻や気候の 変動にまで影響を与えているようである。 88.09.24 血液細胞の成長を刺激するホルモン D.W.ゴルデ/J.C.ガッソン 血液細胞には赤血球のほかに多くの種類の白血球があるが,それらはただ1種類の細胞から, 造血ホルモンによって分化・増殖される。 88.09.56 汎用コンピューターでの実時間“ごみ集め” 湯浅太一 リスト処理で不可欠の“ごみ集め”はプログラムの実行を中断させるが,これを克服して 汎用機で実時間処理できる方法が考案された。 88.09.72 別89 重力レンズで宇宙を探る E.L.ターナー 宇宙の偶然によって生じる重力レンズを詳しく研究すれば,宇宙の大規模特性や不均一性の 存在といった謎を解く手掛かりが得られる。 88.09.8 年をとるとなぜ老眼になるのか J.F.コレツ/G.H.ハンデルマン 近くが見えにくくなるのは,眼の構造の幾何学的変化により水晶体の調節がしにくくなる 上に,水晶体の屈折率が減少するためである。 88.09.82 コンデンサー D.M.トロッター 電気的な緩衝装置であるコンデンサーは,集積回路の発展に対応して材料と設計の両面で 進歩を遂げ,小型で大容量のものが登場した。 88.09.90 数学に潜むランダム性 G.J.チェイティン 数学の原理は,考えられているほど確実なものではない。アルゴリズム情報理論から, 数学にも,ランダム性があることが証明された。 88.09.98 米国大統領選を左右する3つの地域 J.C.アーチャー/F.M.シェリー/P.J.テイラー/E.R.ホワイト 米国は,経済的・文化的な亀裂のため,3つの地域に分断されている。大統領選に勝つには, 亀裂を越えた連合を形成する必要がある。 88.10.20 別95 DNAの複製はなぜ正確なのか M.ラドマン/R.ワグナー DNAの複製が正確に進んでいるかどうかは3つの段階でチェックされ,その結果,遺伝情報の 誤りは100億文字にわずか1個となる。 88.10.30 コンピューターの真の発明者アタナソフ A.R.マッキントッシュ 世界最初のディジタル・コンピューターはエニアックではなく,アタナソフ博士によるマシンが 第1号であることが明らかになった。 88.10.54 新しいX線回折法による表面構造回析 高橋敏男 X線の回折強度が入射X線の波長に依存して変化する性質を利用して,結晶表面の構造を立体的に 決定する新しい解析法が開発された。 88.10.65 白血病の光化学治療 R.L.エーデルソン 8-MOPを含んだ血液を紫外線で照射することにより,皮膚T細胞リンパ腫という白血病の治療に 画期的な効果をあげることができた。 88.10.74 第4世代の素粒子 D.B.クライン 素粒子物理の「標準模型」に残された疑問や最近の実験結果を検討すると,クォークとレプトンは, あと2個ずつあるのかもしれない。 88.10.8 別93 酸性雨の脅威 V.A.モーネン 大気汚染物質が引き起こす酸性雨は,自然環境を破壊しており,大きな社会問題になっている。 いま,酸性雨の抑制が求められている。 88.10.84 符号化マスクを使ったX線源撮像装置 G.K.スキナー X線源の像を撮るには,複数の穴をもつ“変形ピンホールカメラ”を使うとよい。これを天文学の 分野で用いると,観測範囲が広がる。 88.10.92 宇宙測地学でみた米国西部の地殻変動 T.H.ジョルダン/J.B.ミンスター 米国西部は,太平洋・北アメリカの2大プレートの相対運動のため,激しい地殻変動が続いている。 その詳細を,宇宙測地学で調べた。 88.11.20 別90 ガン抑制遺伝子 R.A.ワインバーグ 細胞中のガン抑制遺伝子の欠失がガンを引き起こすという,新しいガン発生機構が,網膜芽細胞腫の 研究により,明らかになってきた。 88.11.32 レーザーによる原子・分子の個別検出 V.S.レトコフ レーザー分光法と質量分析器を結合した「共鳴イオン化分光法」によると,これまでにない感度で 原子や分子を検出することができる。 88.11.52 インシュリンはどのように作られるか L.オルチ/J.D.バサリ/A.ペレレ インシュリンは,DNAから作られた前駆体が,細胞内の粗面小胞体,ゴルジ装置,分泌顆粒を経るに したがって,でき上がっていく。 88.11.64 別94 アモルファス半導体超格子 広瀬全孝 不規則な原子配列をもつアモルファス半導体を規則正しく積層して超格子構造を作ると,まったく 新しい特性を引き出すことができる。 88.11.75 探査機ジオットが観測したハレー彗星 H.バルジガー/H.フェヒティヒ/J.ガイス 『ジオット』を初めとした,6機のハレー彗星探査機団が2年前に収集したデータの解析が進み, 彗星の詳しい正体が解明され始めた。 88.11.84 プラズマによる材料のコーティング H.ハーマン セラミックスや金属の粉末を高温プラズマで溶融して吹きつけると,耐食性,耐熱性,耐摩耗性に 優れた被膜を形成することができる。 88.11.9 視覚野の発見と井上達二の業績 N.グリックステイン 第一次視覚野が後頭葉にあることは,19世紀末に発見された。そこへの投射パターンの解明には, 日本人の眼科医が大きな貢献をした。 88.11.92 一般市民をも巻きこむ軍事施設への核攻撃 F.N.フォン・ヒッペル/B.G.レビ/T.A.ポストーン/W.H.ドハティ 米ソのどちらかが,軍事施設だけを狙った核攻撃を行った場合,約3000万人の一般市民が巻き添え を食って死亡することがわかった。 88.12.110 エイズワクチンの開発 T.J.マシューズ/D.P.ボロネシー ワクチンの開発には,このウイルスがきわめて変異しやすいことなど,数々の問題点があるが, 世界中で不断の努力が続けられている。 88.12.120 社会問題としてのエイズ H.V.ファインバーグ 20世紀後半になって突然大流行しはじめたエイズは,私たち人類の隠された弱点を暴き出し, 社会の多くの分野に影響を及ぼしている。 88.12.129 日本のエイズの実情 西岡久壽彌 日本はエイズ患者・感染症の数こそ少ないがB型肝炎対策などの経験をいかした,個人と社会を 防衛する積極的対策をとるべきである。 88.12.20 エイズウイルスの分子生物学 W.A.ヘイゼルチン/F.ウォン=スタール エイズウイルスは体内で激しく増殖するが,潜伏したり穏やかに複製する時期もある。 この違いは3つの調節遺伝子の相互作用による。 88.12.32 エイズウイルスの起源 M.エセックス/P.J.カンキ ヒトとサルのエイズウイルスは共通の祖先から進化してきたようであり,両者の起源に 関する知識は治療法やワクチンの開発に役立つ。 88.12.54 米国のエイズの実情 W.L.ヘイワード/J.W.カラン 米国のエイズ患者は1992年には,約37万人になると見られている。しかし,エイズ対策は その感染経験を把握し,避けることしかない。 88.12.64 世界のエイズの実情 J.M.マン/J.チン/P.ピオト/T.クイン 全世界に,エイズがどの程度広まっているかは,正確にはわからない。WHOでは,これまでの 患者数は25万人を超えると推定している。 88.12.74 HIV感染症の臨床医学 R.R.レッドフィールド/D.S.バーク エイズはHIV感染症として全体的にとらえるべきで,できるだけ早期にウイルスを検出する ことが,患者に延命をもたらすカギになる。 88.12.88 HIVの細胞への感染 J.N.ウェーバー/R.A.ワイス HIVの細胞への感染については,エンベロープ・タンパク質gp120が細胞表面のCD4分子と 結合する第1段階だけしかわかっていない。 88.12.9 エイズ研究の現状1988年 R.C.ギャロ/L.モンタニエ ウイルス発見者2人のはじめての共同執筆でエイズの出現から,ウイルスの発見過程,治療薬や ワクチン開発の可能性までを解説する。 88.12.96 エイズ治療薬の開発 R.ヤーショアン/満屋裕明/S.ブローダー エイズの原因であるHIVの,増殖サイクルの仕組みがわかってきた。その中の弱点を集中的に 攻撃する薬剤の開発が進められている。 89.01.16 二足歩行をしていた猿人ルーシー C.O.ラブジョイ 300万年前の猿人女性ルーシーの骨盤を完全な形に復元して特徴を調べてみると,すでに直立して 二足歩行をしていたことがわかった。 89.01.26 別91 ガンは何によって転移するのか M.フェルドマン/L.アイゼンバック マウスでの研究によれば,転移しやすいガン細胞とそうでないガン細胞は,2種の主要組織適合抗原の 発現している割合が違っている。 89.01.50 雷の発生メカニズム E.R.ウイリアムス 壮大な自然現象である雷が発生するメカニズムには,依然として不明な点が多い。これは微小体物理学 の進展が遅れているためである。 89.01.62 別106 新しい免疫抑制剤FK506 落合武徳 茨城県筑波山山麓で見つかった放射菌が作り出すFK506は,現在最も有効な免疫抑制剤である サイクロスポリンの100倍の効果がある。 89.01.7 別98 準周期的変動をするX線天体 M.ファン・デル・クリス 銀河系中心部の非常に明るい天体が,X線パルス波を準周期的に放射することが確認された。 そしてこの天体の正体解明が進んでいる。 89.01.73 赤外領域の光ファイバー M.G.ドレクセージ/C.T.モイハニン 赤外線を通す光ファイバーは,理論的には現在の石英系ファイバーより透明度の高いものができ, 数百kmの無中継伝送も可能になる。 89.01.80 超流動の中の乱流 R.J.ドネリー 絶対温度2.17度以下の超流動ヘリウムで見られる「量子力学的な乱流」が,物理の難問である 乱流現象を解明する糸口になりつつある。 89.01.90 第三世界へのワクチン供給を阻むもの A.ロビンス/P.フリーマン 結核などの6大疾患のため,第三世界では毎年2000万人もの子供が死亡している。ワクチン供給が, うまく機能していないためである。 89.02.18 軟X線レーザー D.L.マシューズ/M.D.ローゼン 可視領域レーザーに比べて,波長が1/100ほどに短い軟X線レーザーが,実験段階ではあるが, 現実にビームを発生し始めている。 89.02.26 地表に現れる幾何学模様 W.B.クランツ/K.J.グリーソン/N.カイン 極地や亜極地では,六角形や円などの規則的な幾何学模様が地表に見られる。これは地中の 水分が凍結と融解を繰り返すためにできる。 89.02.50 哺乳類の受精をつかさどる糖タンパク質 P.M.ワッサーマン 卵細胞周囲の透明帯に存在する糖タンパク質ZP3は,精子の結合や先体反応,多受精の防止など 受精の際の多くの反応に関係している。 89.02.58 幾何学的位相と量子力学 M.ベリー 幾何学的性質だけから生じる非ホロノーム性は,量子力学の波動関数が示す不思議な変化を説明し, 古典力学に新しい見方を提供する。 89.02.67 重力に適応したヘビの血液循環系 H.B.リリーホワイト 樹上性のヘビが木に登るときに貧血を起こさないのは,心臓が頭の近くにある上,体がピッチリ とした皮膚で覆われているからである。 89.02.7 脳の加塑性を担うMAP2 C.アオキ/P.シーケビッツ 出生後に脳のごく一部の構造や機能が変化する可塑的な性質には,MAP2と呼ばれるタンパク質が 分子レベルでかかわっているらしい。 89.02.76 有機強磁性体をめざす分子設計 岩村秀 従来の金属磁性体より多くの平行スピンをもつ「高スピン分子」が合成され,高分子材料で磁石を 作るという目標にあと一歩と迫った。 89.02.89 前インカ時代のかんがい用水 C.R.オートロフ インカ時代以前にあったチムー王国では,用水路に関する土木技術が発達していた。この有効性は, 現在の水力学でも認められている。 89.03.18 深発地震 C.フローリッヒ 地表下650H付近で起こる深発地震の発生メカニズムは不明な部分が多い。しかし最近になり, 相転移が関係あることがわかってきた。 89.03.26 化石類人猿プロコンスル A.ウォーカー/M.ティーフォード 60年余の間に発見された多くのプロコンスルの化石骨は,大型類人猿と人類の最も現在に近い 時期の共通祖先であることを示している。 89.03.50 液体はどのように混ざり合うか J.M.オッティーノ 2次元の容器に入れた2種類の粘性流体の混合パターンを調べると,カオスが生じることで両者が 効果的に混ざり合うことがわかった。 89.03.64 別94 ハイパー・コヒーレント光の実現 大津元一 量子力学的効果のため,レーザー光にも周波数揺らぎがある。しかし,レーザーの動作状態を 制御すると,揺らぎの影響を除去できる。 89.03.74 冬季うつ病はなぜ起こるのか R.J.ワートマン/J.J.ワートマン 日照時間が減少すると現れ,炭水化物を多量に食べたくなる冬期うつ病の原因は,メラトニンと セロトニンの分泌異常にあるらしい。 89.03.8 別95 真核生物の遺伝子スイッチ M.プタシン 遺伝子の発現を調節する“スイッチ”にあたる仕組みは,真核生物でも,細菌など原核生物の ものと同じであることが明らかになった。 89.03.84 最短ネットワーク問題 M.W.ベルン/R.L.グラハム 与えられたすべての点が相互に連絡できるような最短の経路を求める問題は,スタイナー問題と 呼ばれ,いまなお未解決のままである。 89.03.92 科学哲学の先駆者アンペール L.P.ウイリアムズ 電流の単位のアンペアに名を残すアンペールは,電流の磁気作用を初めて定量的に研究すると ともに,科学哲学に大きな足跡を残した。 89.04.13 ソ連の宇宙開発 P.M.バンクス/S.K.ライド 宇宙における人類の滞在実験など,ソ連の宇宙活動状況が徐々に明らかになり,それにつれて, ソ連の実力や開発計画もわかってきた。 89.04.24 色を判 別する色素遺伝子の発見 J.ネーサンス 網膜細胞の中の色を感知する色素の遺伝子が発見されたことによって,色覚の過程や色盲や 色弱が起こるメカニズムがわかった。 89.04.34 海の中の巨大な滝 J.A.ホワイトヘッド 海水の大規模な対流が原因となって海の中に発生する巨大な滝は,高さがほぼ3500m,流量は 毎秒500万立方mで,陸上の滝の比ではない。 89.04.56 別94 高温超伝導体の応用分野 A.M.ウォルスキー/R.F.ギース/E.J.ダニエルス 高温超伝導体が開発され新しい超伝導応用への期待が高まっているが,その実用化にはまだ 解決しなれけばならない課題が数多くある。 89.04.68 別95 RNAのアミノ酸認識仮説 清水幹夫 tRNAのアンチコドン3個と識別位塩基1個が複合立体構造を作り,その穴でアミノ酸分子を認識 するというC4N仮説が提唱された。 89.04.80 カナリアの歌と神経発生 F.ノティボーム カナリアの歌が毎年変わるのは,脳の中のHVCとRAという2つの部位の神経が,毎年新しく 発生する神経と取り換わるためらしい。 89.04.88 超音波がひらく新しい化学 K.S.サスリック 液体中に超音波を照射すると,気泡が発生して圧縮破壊され高温高圧状態が発生する。これは 薬品合成や新素材開発などに利用できる。 89.04.96 歯が語るアジア民族の移動 C.G.ターナー 遺伝的に安定した歯の形態を比較・研究することによって,先史時代にアジアから起こった 民族の大移動の様子が明らかになってきた。 89.05.16 別91 ガンの薬剤耐性 N.カートナー/V.リング ガンが複数の薬剤に対して同時に耐性をもつようになるのは,毒素を細胞外へ排出するP糖 タンパク質の働きによるものと考えられる。 89.05.26 ソーラーカーの可能性 H.G.ウイルソン/P.B.マックレディ/C.R.カイル 1987年にオーストラリアで開かれたソーラーカー・レースの成功で,環境汚染の心配がない ソーラーカーが,また一歩実現に近づいた。 89.05.46 昆虫の変態を引き起こす脳ホルモン 鈴木昭憲/石崎宏矩 脳ホルモンのアミノ酸配列が解明されるとともに,インスリンと非常によく似たアミノ酸配列を もつ脳ホルモンがあることもわかった。 89.05.58 巨大分子の結晶 A.マクファーソン 巨大分子結晶の構造を探るX線解析法の発達に伴って,タンパク質や核酸の傷のない巨大分子の 結晶の生成技術も大きく向上している。 89.05.68 プラズマ粒子加速器 J.M.ドーソン プラズマ中にレーザーや電子ビームを入れると,強力な加速電場が発生するので,これを利用する 新世代加速器技術の検討が始まった。 89.05.7 見直しを迫られる米国の宇宙政策 J.M.ログスドン/R.A.ウイリアムソン 米国の宇宙計画は科学,軍事,商業の各面で予定が3年遅れている。このため,21世紀をめざす 明確な宇宙政策の策定が急がれている。 89.05.78 強迫神経症はなぜ起こるか J.L.ラポポート バカバカしいと思いながら儀式的行動を止めることができない強迫神経症は,脳の基底核付近の 異常によって起こっている場合がある。 89.05.88 別93 地球化学的な炭素循環モデル R.A.バーナー/A.C.ラサガ 数百万年規模で起こる「地球化学的」炭素循環の計算機モデルによると,数億年前の地質時代にも 温室効果で地球が温暖化したらしい。 89.06.18 別95 タンパク質の生産量を支配するmRNAの代謝回転 J.ロス タンパク質の生産量は,その鋳型となるmRNAの合成速度だけでなく,崩壊速度(代謝回転速度) にも影響されている。 89.06.28 別94 量子干渉とアハラノフ・ボーム効果 Y.イムリー/R.A.ウェッブ アハラノフ・ボーム効果が検証されて,直観に反する量子力学の本質が明らかになるとともに, 新しい電子デバイスの可能性が開けた。 89.06.56 多様な働きをする脳の細胞“アストロサイト” H.K.キメルバーグ/M.D.ノーレンバーグ 神経細胞を支持する働きしかないと考えられてきたアストロサイトが,脳の機能や発達に中心的 役割をもっていることがわかってきた。 89.06.67 自由電子レーザー H.P.フロインド/R.K.パーカー 電子ビームと磁場の相互作用を利用したレーザーは,波長可変でエネルギー効率が高く高出力化が 可能なので,広い応用が期待される。 89.06.7 別93 実測データが示す地球温暖化 R.A.ホートン/G.M.ウッドウェル 二酸化炭素やメタンなど,温室効果ガスの増加で,地球温暖化が進んでいる。この温暖化傾向を 打破する,世界的な対策が必要である。 89.06.74 臭いで池への道を知るヒキガエル 石居進 冬眠からさめたヒキガエルは繁殖のために自分の生まれた池に帰るが,その道は,ルート上の 何ヶ所かの臭いをもとにして知るらしい。 89.06.86 カウアイ島の子供たちの成長記録 E.E.ワーナー 1955年にハワイのカウアイ島で生まれた子供たち698人を対象に行われた,30年間の観察研究から, 人間の成長過程を明らかにする。 89.06.94 ゴマフアザラシの感覚機能 D.リヌーフ 水陸両生の習性をもつゴマフアザラシは,独特な聴覚と視覚機能をもっている。だが,これ以外の 感覚機能には,未解明の部分も多い。 89.07.16 新しい元素の創造 P.アームブルスター/G.ミュンツェンベルク 比較的軽い元素の標的に,中程度の原子を衝突させて「冷たい核融合」を起こし,原子番号107, 108,109番の新しい元素が合成された。 89.07.24 トポバイオロジー G.M.エーデルマン 細胞同士や細胞と基質をつなぐCAMやCJMそれにSAMといった分子は,発生途中でその分布状態を 変えて,動物の形を作っていく。 89.07.46 オーロラはどうして起きるか 赤祖父俊一 太陽風と地球磁場との複雑な相互作用によって巨大な発電機が形成され,そこで起こされた電力が オーロラ発光の原動力となっている。 89.07.56 背中に育児嚢をもつカエル E.M.デル・ピノ 背中の袋で子供を育てる“子育てガエル”には,生理的には哺乳類に,発生上は鳥類に似た部分が あるが,他に見られない特徴もある。 89.07.66 「ぎんが」が観測したガンマ線バースト 村上敏夫 宇宙空間からガンマ線が短時間だけ降り注ぐ現象,ガンマ線バーストの未知の部分が,科学衛星 「ぎんが」によって,解明されたきた。 89.07.7 別93 アマゾン多雨林の危機 P.A.コランボウ アマゾンの多雨林は,激しい気候の変動に対応して変化し,多種多様な生態系を維持してきた。 しかし人間の破壊活動には無力である。 89.07.78 医療での光ファイバー応用 A.カツィール 極細径のファイバー,各種の光センサー,赤外線ファイバーの実現により,診断と治療が同時に できる近未来のシステムが見えてきた。 89.07.86 天体物理学を築いたラッセル D.H.ドゥボーキン 分光天文学と物理学の融合を目指したラッセルは,恒星スペクトルの組成解析などの偉業を残し, 近代的な天体物理学の基礎を築いた。 89.08.18 隠れた断層で起きる大地震 R.S.スタイン/R.S.イェーツ 大地震は,褶曲地形の下に隠れた断層で起こることもある。この地震の被害はかなり大きい ことが多いが,それを予知するのは難しい。 89.08.30 動物化石の宝庫サン・ジョルジオ T.ビルジン/O.リッペル/P.M.サンダー/K.シャンツ スイス南部のモンテ・サン・ジョルジオ山地から,三畳紀の脊椎動物の化石が多く発見され, 古代動物を探る貴重な資料になっている。 89.08.50 別95 遺伝子の発現を調節するDNAのメチル化 R.ホリデイ 細胞の分化は,遺伝子の発現が制御されて起こるが,高等生物では,DNA中のシトシンのメチル化が これに深く関係しているらしい。 89.08.60 睡眠物質の発見者・石森国臣 久保田競 睡眠物質の存在は,1971年にパッペンハイマーが証明したといわれているが,実は,その62年前に 生理学者の石森国臣が発見していた。 89.08.7 “MadeinAmerica”復活への提言 L.C.サロー/R.M.ソロー/M.L.ダートウゾス/S.バーガー/R.K.レスター 世界一を誇った米国の産業が日本やヨーロッパに後れをとっている。原因は何で対策はどうすれば よいか,その具体策を明らかにする。 89.08.70 電子と陽電子のチャネリング A.H.サーレンセン/E.ウガホイ チャネリング放射光は,結晶の格子軸や格子画に沿って運動する荷電粒子から発生し,新しいX線 やガンマ線源として期待されている。 89.08.78 フーリエ変換 R.N.ブレイスウェル 時間的に変化する複雑な波を,簡単な正弦波の足し合わせで表現するフーリエ変換は,信号処理 や画像解析の強力な手段となっている。 89.08.88 大理石彫刻の科学的鑑定法 S.V.マーゴリス 古代に制作された大理石彫刻の真贋を判定するため,地球化学的・地質学的な手法を利用した, 科学的な鑑定法が徐々に広まってきた。 89.09.18 別99 地殻の割れ目で起こる噴火 R.S.ホワイト/D.P.マッケンジー 地球表層部の地殻が割れると,その部分にマントル物質が上昇してくる。この物質が周囲より 高温のため,火山噴火が引き起こされる。 89.09.30 スピングラス D.L.ステイン スピングラスの原子間では,不規則な磁気的相互作用が起こっている。この現象を数学モラルで 置き換えると,生物学などにも役立つ。 89.09.52 記憶とニューラルシステム D.L.アルコン 記憶のメカニズムは分子や組織のレベルで明らかになりつつあり,その知識はコンピューターの 記憶システム構築の際にも有用である。 89.09.66 電磁力励起による長波長半導体レーザー 森本武 エネルギーギャップの狭い半導体を強磁場中で励起することにより,不可能とされていた赤外線 領域のレーザー発振が室温で実現した。 89.09.8 ABM条約と宇宙での兵器実験 A.B.カーター 1972年に締結されたABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約は不備な点が多く,米ソ軍備管理交渉でも, その改正が中心課題となっている。 89.09.80 妊娠・授乳期を支える消化管ホルモン K.ユブナス=モベルグ 妊婦や乳児は多量のエネルギーが必要であるが,消化管ホルモンの調和のとれた働きによって 食物が特に効率的に消化吸収されている。 89.09.88 宇宙飛行士が見た地球の色 V.V.バスーチン/A.A.ティシチェンコ 宇宙船から地球を見るとどんな色に見えるだろうか?ソ連宇宙飛行士たちの実験をもとに宇宙 色彩学が築き上げられようとしている。 89.09.96 合成ゼオライト G.T.カー シリコン,アルミニウム,酸素などで構成された多孔質のゼオライトは,改質ガソリンや パラキシレンの製造触媒に広く使われている。 89.10.18 別98 超新星1987A S.ウーズリー/T.ウイーバー 1987年2月23日,大マゼラン雲で超新星爆発が起こり,天文学者は大質量星の死をさまざまな 角度から詳細に観測する機会に恵まれた。 89.10.30 細胞の機能を変えるウイルス M.B.A.オールドストーン ウイルスには,細胞が生きていくための機能には影響を及ぼさないが,“ホルモンの生産” といった特殊な機能だけを抑えるものがある。 89.10.56 有機アルミニウムによる精密な反応設計 山本尚 有機アルミニウムを用いた体積の大きい反応剤を使うことによって,ほしいものだけを作り出す 精密な反応が設計できるようになった。 89.10.68 カンタンの生殖戦略 D.H.ファンク カンタンの鳴き声は,雄が雌を引き寄せる生殖戦略のひとつである。このほか,交尾についても, 数多くの行動パターンが観察された。 89.10.78 “変身”を遂げる情報処理 D.ゲラーンター ハード,ソフト両面の進歩によって,従来の単なるデータ処理から,事実を有用な知識に変換する 「情報の精製」へと変わりつつある。 89.10.88 外部からの音を制御する中耳の筋肉 E.ボルグ/S.A.カウンター 大きな音を聞くと中耳にある2つの筋が無意識に収縮し,その結果,耳小骨の振動が緩和されて, 内耳に到達する聴覚刺激が減少する。 89.10.9 動物実験に代わる毒性試験法 A.M.ゴールドバーグ/J.M.フラツィアー 化学物質の安全評価法である動物実験は高価なうえ,動物愛護の面でも問題がある。そこで培養 細胞を使った新しい試験法が登場した。 89.10.96 地球の年齢論争 L.バダッシュ 地球の年齢は,現在では45億年だとされている。しかし,この結論に達するまでには,地質学者 と物理学者の間で激しい論争があった。 89.11.102 別96 産業資源の再利用 R.A.フロッシュ/N.E.ガロパロス ある生産工程から出る廃棄物を,別のプロセスの原材料として使えば,資源の節約や,環境破壊 の防止につながる。 89.11.113 別96 持続可能な経済開発への道 J.マクネイル 経済開発の進展に伴い,かつてない規模と速さで環境破壊が進んでいるが,環境保全と経済開発 の調和は可能である。 89.11.124 別96 人類が生き残るために W.D.ラッケルズハウス 持続可能な世界への具体策を実行するには,情報収集や関係機関の調整を行なう権威ある国際 組織が不可欠である。 89.11.134 別96 地球環境問題と日本 柳下正治/岡崎誠/石野耕也 環境資源に支えられ高度な経済活動を営む日本は,その技術力,経済力を生かして地球環境 問題に取り組むべきだ。 89.11.18 別96 変貌する大気 T.E.グレーデル/P.J.クルッツェン 窒素や酸素などの主要成分の濃度は変わらないが,ppmやppb単位で測る微量気体が,この2000年 間に急増している。 89.11.28 別96 変化する気候 S.H.シュナイダー 二酸化炭素の放出を速やかに削減することが,温室効果ガスの蓄積を遅らせて地球規模の危険な 実験を緩和させる。 89.11.52 別96 危機に瀕する水資源 J.W.モーリッツ・ラ・リベエール 工業化が発展し,河川や海洋に投棄される産業廃棄物が増してきた。そして環境や生態系が, 破壊され始めている。 89.11.62 別96 急速に減少する生物種 E.O.ウイルソン 世界中には少なくとも400万種の生物がいると思われるが,毎年4000〜6000種が絶滅していると, 推定されている。 89.11.70 別96 増え続ける世界の人口 N.キーフィッツ 人口が過度に増加すると,飢饉や生活水準の低下を招く。そして最終的には環境破壊までも 引き起こすようになる。 89.11.8 別96 地球を守る W.C.クラーク 有限の資源と傷つきやすい環境をもった地球の管理こそ,21世紀に向けて人類が解決すべき 最大の挑戦課題である。 89.11.82 別96 食糧増産の戦略 P.R.クロッソン/N.J.ローゼンバーグ 世界の人口は1世紀後に100億人になって安定するだろう。100億人分の食糧を作る技術の開発 自体は可能である。 89.11.92 別96 エネルギー利用の戦略 J.H.ギボンス/P.D.ブレア/H.L.グウィン 地球の温暖化現象を悪化させない新エネルギー源を開発するまでは,既存エネルギー源の効率 改善に努めるべきだ。 89.12.100 猛威をふるうホテイアオイ S.C.H.バレット 水に浮くホテイアオイとオオサンショウモは栄養生殖で急速に増えるので,各地で被害が続出 しているが,天敵が有効な防除法になる。 89.12.16 紡錘糸はどのように染色体を分けるのか J.R.マッキントッシュ/K.L.マクドナルド 紡錘体を構成している微小管は,細胞分裂時に染色体を2つに分け,別々の場所に集めるが, その精巧な仕組みが明らかになってきた。 89.12.27 スタンフォード線形コライダー J.R.リース 既存の加速器を改造することもあり,完成までに多くの困難があったが,リング型でない初の 線形コライダーがついに運転を開始した。 89.12.60 細胞の持続反応とカルシウムサイクル H.ラスムッセン インスリンの分泌など,刺激を受けるとしばらくの間持続する反応には,細胞膜でのカルシウムの 流失・流入量の増減が関係している。 89.12.7 米国産業を再生させる6カ条 R.B.ライク 世界市場で競争力の衰えが目立つ米国企業が以前の力を盛り返すためには,日本企業を参考に, 6つのポイントを実行する必要がある。 89.12.71 別96 南半球でも増え続ける一酸化炭素 R.E.ニューウェル/H.G.ライクル/W.ザイラー 一酸化炭素は,北半球の工業地帯から発生するだけではない。南半球の熱帯降雨林の燃焼で, かなりの一酸化炭素が生み出されている。 89.12.80 生物が分解するプラスチック 土肥義治 微生物がつくるポリエステルは,大地や海洋にすむ微生物によって分解されるので,環境を 守るプラスチックとして研究が進んでいる。 89.12.90 別94 走査プローブ型顕微鏡 H.K.ビックラマシンゲ 走査トンネル電子顕微鏡の技術が発展し,絶縁体や磁性体はもちろん,生きた生物でさえナノ メートルのレベルで観察が可能になった。