論文一覧(サイエンスおよび日経サイエンス)
3. 1980年  1月号〜1984年12月号


80.01.102  別58
量子論と実在
B.デスパニヤ
量子力学の最近の実験結果は,光より速く伝わる何かがあるかもしれないと示唆している。

80.01.22  別68
形を記憶する合金
L.M.シェトキー
この合金の特殊な性質を利用して,パイプ継ぎ手や人工関節など広範な応用が考えられる。

80.01.32
分子進化の中立説
木村資生
進化の原動力は,生存に有利か不利かには中立の,突然変異遺伝子の偶然的浮動といえる。

80.01.50  別63,79
垂直磁化による高密度記録方式
岩崎俊一
テープやディスクの厚さの方向に磁気を記録する方式の,新しいレコーダーが開発された。

80.01.62
クソムシの婚姻ボール
B.ハインリッヒ/G.K.バーソロミュー
クソムシの雄は,丸めた哺乳動物のふんを雌への贈り物として雌との配遇行動をはじめる。

80.01.74  別37
糖尿病はどうして起こるか
A.L.ノトキンス
若年型糖尿病は,遺伝的素因と環境との複雑な相互作用により発症するものと考えられる。

80.01.8  別33
地上基地ICBMの動向
B.T.フェルド/K.ツィピス
命中精度の高いMIRV化ミサイルが,地上基地ICBMの生き残り能力を弱めつつある。

80.01.90  別72
初源銀河をさがす
D.L.マイヤー/R.A.サニエフ
ビッグバン直後にできた銀河は,私たちの銀河がどうしてできたかを解明する助けとなる。

80.02.108  別58
真空の崩壊
L.P.ファルチャー/J.ラフェルシキー
原子量が173をこえる原子核の近くの“真空”では,電子・陽電子対が自発的に生成される。

80.02.120
ネアンデルタール人
E.トリンカウス/W.W.ハウエルズ
彼らと現代人との違いは,かつて考えられたほどには大きくないがまだ疑問の点も多い。

80.02.134  別52
遺伝子移植で発生をさぐる
E.M.デ・ロバーティス/J.B.ガードン
カエルの卵に他種の遺伝子を移植して,遺伝子の動きを調節する物質を探ることができる。

80.02.22  別70
脳波利用の新しい分野
D.リーガン
脳幹部の脳波を記録して,脳の機能の研究や脳疾患の早期発見に応用できるようになった。

80.02.32
プログラミング言語
J.A.フェルドマン
コンピューターに何かを遂行させる指令は,詳細に設計された“高水準言語”で行なわれる。

80.02.48
ブラックホールと膨張宇宙
佐藤文隆
宇宙内の種々の構造は,宇宙の膨張についていけない“落ちこぼれ”が形成したものである。

80.02.9
エネルギー貯蔵システム
F.R.カルハマー
電力の貯蔵方法として,地下式揚水発電,新型蓄電池,空気の圧縮などが研究されている。

80.02.96  別70
体内に植え込む効果的投薬法
P.J.ブラックシェア
ペレットやポンプを外科的に身体内に植え込むことによって,効果的な投薬が可能になる。

80.03.106
トウモロコシの起源
G.W.ビードル
最近の調査研究から,トウモロコシの祖先は野生のテオシントであることが明白になった。

80.03.11
世界のウラン資源
K.S.デフィーズ/I.D.マクレガー
ウランの埋蔵量を地質学的かつ統計的に推算してみると,その量は決して不十分ではない。

80.03.116水タービンの発達
N.スミス
水タービンは,産業革命期にそれまでの素朴なものが大きく改良され現在の形態になった。


80.03.24
ヒトにはなぜヒゲがないのか
養老孟司
サルや類人猿をはじめほとんどの哺乳類にある洞毛が,どうしてヒトにはないのだろうか。

80.03.36  別76
ボイージャーのみたガリレオ衛星
L.A.ソーダブロム
ガリレオ衛星に関するボイジャーの観測結果は,地球型天体の進化を解明する助けとなる。

80.03.58
超大型粒子加速器
R.R.ウィルソン
クォークの検出などをめざし,現在,より巨大な新しい世代の加速器が建設されつつある。

80.03.80
老化の細胞生物学
L.ヘイフリック
人間の老化は,培養されたヒトの体細胞が無限には分裂・増殖できないことと関係がある。

80.03.96  別56
幾何学的錯視
B.ギラム
幾何学的錯視は,対象図形と周囲との関係を遠近画法で空間的に見ることによっておこる。

80.04.102
頭の形の変化でヒトの成長をみる
J.T.トッド/J.B.ビッテンダー
ヒトの頭は円形からハート形へと変化していくので,その変化からヒトの成長度がわかる。

80.04.16
水素を貯える金属
J.J.レイリー/G.D.サンドロック
新しいエネルギー源として注目される水素は金属水素化物の形で安全,有効に利用できる。

80.04.24  別52
自然界での“遺伝子操作”
S.N.コーエン/J.A.シャピロ
無関係のDNA断片を,生細胞のプラスミドや染色体の間で移動させる要素が発見された。

80.04.48
地球内部の窓イエローストン
R.B.スミス/R.L.クリスチャンセン
イエローストンで起こる火山活動や地殻変動は,地球深部での現象を知る手がかりとなる。

80.04.60  別69
アインシュタイン衛星でみたX線宇宙
R.ジャコーニ
高感度・高分解能のX線望遠鏡が,宇宙の高エネルギー現象の劇的な新解釈をもたらした。

80.04.78
カムフラージュするカニ
M.K.ウィックステン
クモガニ類の中にあるものは,甲や脚に海藻やコケムシをつけ巧みにカムフラージュする。

80.04.86
睡眠中の体動と子供の病気
瀬川昌也
睡眠中の体の動きを観察し記録すれば,子供の病気の早期発見と適切な診断に応用できる。

80.04.9
電波の周波数割り当て
C.L.ジャクソン
限られた帯域内の電波をより効率よく利用するために,さまざまな方式が検討されている。

80.05.100
宙返りとひねりの物理学
C.フローリヒ
とんぼ返りや宙返りのときに人体に働く力は,やはり角運動量保存法則にしたがっている。

80.05.24
甲虫にはなぜ角があるのか
W.G.エバハード
甲虫は立派な角を,相手を殺傷するのでなく投げ飛ばしたりして排除するのに使っている。

80.05.34  別55
陽子の内部構造を探る
M.ジェイコブ/P.ランズホフ
高エネルギー陽子どうしの衝突により,陽子の中に小さな硬い実体があることがわかった。

80.05.52
チトクロムcとエネルギー代謝の進化
R.E.ディッカーソン
種々の生物のチトロクロムcを比較すると,エネルギー代謝系の進化の道筋が明らかになる。

80.05.68  別43
彗星の自転と公転周期の変化
F.L.ホイップル
エンケ彗星の奇妙な公転周期の変動は,氷でできた核が自転軸の方向を変えるため起こる。

80.05.78
八重山諸島のカンアオイ
前川文夫
八重山諸島のカンアオイ類は,尖閣列島のセンカクカンアオイが分化分布したものである。

80.05.9
原子力発電の安全性
H.W.ルイス
スリーマイルアイランド原発事故は,リスク評価方法の信頼性を高める必要性を認識させた。

80.05.90  別37
細胞間情報伝達の異常と病気
E.ルーベンスタイン
コレラ,甲状腺機能高進症,重症筋無力症,ある種の糖尿病は,情報伝達の異常で起こる。

80.06.108
コンピューター・イメージ
端山貢明
コンピューターによる映像技術は,従来の記録技術とは異なる全く新しいメディアである。

80.06.20
金属ガラス
P.チャウダリー/B.C.ギーセル/D.ターンブル
これはアモルファス金属ともいい,メモリーや超伝導磁石の材料として有望視されている。

80.06.34
赤ちゃんの突然の死
R.L.ナイエ
睡眠中の乳児を襲う突然死症候群の大部分は,呼吸支配中枢の異常によって起こるらしい。

80.06.54
神経細胞での物質輸送
J.H.シュワルツ
伝達物質や軸索質などのタンパク質は,神経繊維の中を2つのシステムによって運ばれる。

80.06.70  別72
初期の宇宙を探る
J.D.バロー/J.シルク
宇宙は大局的にみて,ビックバンの直後からすでに一様な等方的な構造をしていたらしい。

80.06.8  別33
化学兵器は禁止できるか
M.メセルソン/J.P.ロビンソン
その使用はジュネーブ議定書で禁じられているが,多くの国々が化学兵器を保有している。

80.06.82  別37,52
遺伝子組み換えでインシュリンをつくる
W.ギルバート/L.ヴィラ・コマロフ
遺伝子工学の著しい進歩により,インシュリンやインターフェロンの合成が可能になった。

80.06.94
コヨーテの社会行動
M.ベコフ/M.C.ウェルズ
コヨーテが単独で暮らすか,群れをなすかは,どんな食べ物が手に入るかによって決まる。

80.07.104
米国若年層の失業問題
E.ギンズバーク
1950年代以降,米国の若年層の失業状況は悪化する一方であり,深刻な問題となっている。

80.07.22  別58
量子論における重力の役割
D.グリーンバーガー/A.オーバーハウザー
中性子干渉計を使った実験で,量子力学と一般相対論を結びつける現象が初めて現われた。

80.07.34
ミエリン
P.モレル/W.T.ノートン
神経線維の効率よいシグナル伝達において,ミエリンは非常に重要な役割をはたしている。

80.07.52  別83
超伝導コンピューター
J.マチソ
ジョセフソン接合を用いた超伝導コンピューターは,毎秒10億もの基本演算を実行できる。

80.07.74  別37
ホルモンによる寒冷適応
伊藤眞次
北方系日本人は独特の代謝系をもっているので,寒さに適応し,寒冷地でも生きていける。

80.07.88
ヨーロッパ最古の銅鉱山
B.ヨバノビッチ
金属の時代は自然銅の利用で始まったが,入手がしだいに困難となったため鉱山が開かれた。

80.07.9  別60
マントルの化学進化
R.K.オニオンズ/P.J.ハミルトン
マントル分化の性質と時期を知る手がかりは,微量元素の精密な同位体比測定で得られる。

80.07.96
N線騒動記
I.M.クロッツ
先入観と不正確な実験が結びつき,想像の産物である放射線の存在が信じられてしまった。

80.08.08.  別70
羊水穿刺と遺伝病
F.フックス
羊水穿刺技術の進歩により,赤ちゃんの遺伝病を出生前に安全に診断できるようになった。

80.08.108
地震と地球深部のガス
T.ゴールド/S.ソーター
地球の深部に膨大な量のガスが存在することが,いろいろな証拠によって示唆されている。

80.08.16  別43
玄武岩質隕石
H.Y.マックスウィーン/E.M.ストルパー
一部の隕石は地球や月の火山岩によく似ているが,太陽系の他の天体からきたものらしい。

80.08.28
コンピューター・バックギャモン
H.バーリナー
かけ金5000ドルの試合で,コンピューター(人工知能)が世界チャンピオンを初めて破った。

80.08.48
血小板のはたらき
M.B.ツッカー
血小板は血液を凝固させるが,それが遺伝的に欠けていると時には致命的な障害をまねく。

80.08.62  別55
ゲージ理論
G.トフーフト
ゲージ理論は,自然界の基本的な4つの力を統一する可能性があるとして注目されている。

80.08.86  別59
ガガンボモドキの性行動
R.ソーンヒル
ガガンボモドキという昆虫は,メスが交尾相手のオスを選ぶなど,興味深い性行動を示す。

80.08.96
銀河はなぜ渦巻くか
松田卓也
恒星間の重力で発生した密度波と,星間ガスとの相互作用により,銀河の渦巻きができる。

80.09.102
全身性エリテマトーデス
D.コフラー
全身性エリテマトーデスという難病の主要な障害は,免疫複合体によってひき起こされる。

80.09.11  別33
兵器用核分裂性物質の生産禁止
W.エプスタイン
兵器用核分裂性物質の生産禁止は,各国の合意も得られやすく核拡散防止に有効であろう。

80.09.114
コアラ
R.デガブリエル
この愛らしい有袋類は,他の動物には有害なユーカリの葉を食べ,水はほとんど飲まない。

80.09.22  別71
スーパーコイルDNA
W.R.バウアー/F.クリック/J.H.ホワイト
二重らせん構造をしているDNA分子が,さらに高次のらせん構造を形成することがある。

80.09.36  別69
ガンマ線分光天文学
M.レーベンタール/C.J.マッカラム
X線より高エネルギーのガンマ線を,気球や人工衛星から観測する新しい方法が確立した。

80.09.56
対流の理論
M.G.ベラールデ/C.ノルマン
対流はありふれた現象であるが,これを正確に記述できる理論は現在でも存在しない。

80.09.74
生物集団における弱有害突然変異
向井輝美
マイナス方向に働く弱有害遺伝子が,生物の適応進化において大きな役割を果たしている。

80.09.88
ヨーロッパの巨石遺構
G.ダニエル
ヨーロッパには数多くの巨石遺構があるが,それらの起源は新石器時代と考えられている。

80.10.106
ニュートンのリンゴとガリレオの天文対話
S.ドレイク
『天文対話』の中の1枚の図が,ニュートンに万有引力の法則を発見させたのかもしれない。

80.10.11
レーダーで見た金星の表面
G.H.ペッテンギル/D.B.キャンベル
地上と金星探査機からのレーダー観測によって,金星表面の地質特性がはっきりしてきた。

80.10.24
胎盤の生理学
G.バードウッド/R.ビーコンスフィールド
胎児と母体を結ぶ胎盤は,ガンや免疫を研究するための“実験動物”としても優れている。

80.10.34
微小管
P.ダスティン
すべての真核細胞に存在する微小管は,細胞の分裂や運動,形態保持などに関与している。

80.10.54
単一電子で測定したg因子
P.エクストローム/D.ワインランド
電子についてのある基本的な数値が,人工的な原子を使って非常に高い精度で測定された。

80.10.70
農業革命に始まったインダス文明
J.F.ジヤリッジュ/R.H.メドウ
インダス文明誕生のきっかけになったのは,パキスタン西方域に始まった農業革命である。

80.10.82  別34
レーザー核融合システム
山中千代衛
強力なガラスレーザーと複雑な構造をもつ燃料小球が開発され,研究は飛躍的に前進した。

80.10.94
ディスク記録技術の進歩
R.M.ホワイト
今や,大辞典の全内容を,急速回転する1枚のディスクに磁化パターンとして記録できる。

80.11.10
経済開発
K.K.S.ダッジー
先進諸国との関係を是正するために,開発途上諸国は新しい経済秩序の実現を迫っている。

80.11.102
タンザニアの経済発展
R.B.マベレ/S.M.ワングェ
家族関係を基盤とした社会“ウジャマア”の実現を通して,着々と近代化が進められている。

80.11.112
メキシコの経済発展
P.G.カサノバ
経済発展に成功しつつあるこの国での最大の問題は,貧富の差が非常に大きいことである。

80.11.122
日本の経済発展
林雄二郎
工業国として成熟段階に入った日本は,今後あらゆる意味でその仕上げをしていくだろう。

80.11.128
2000年の世界経済
W.W.レオンチェフ
投入産出表による世界経済の分析は,富んだ国と貧しい国との格差縮小の道を示している。

80.11.20
人間
H.マーラー
経済発展の最終目標は人々の幸福の増進であり,その基礎となるものは人々の健康である。

80.11.34
食糧
N.S.スクリムショウ/L.テイラー
世界から飢餓をなくすかぎは,当該地域に適した食糧増産方式と適性な所得の分配である。

80.11.52
水
R.P.アンブロッジ
人類の膨大な水需要を満たすためには,人の水循環への介入つまり資本投下が必要である。

80.11.66
エネルギー
W.サッシン
将来のエネルギー需要をまかなうためには,先進諸国からの技術移転が必要不可欠である。

80.11.82
中国の経済発展
丁忱
社会主義建設の途上にある中国では,10億に近い人々が飢饉や疫病からまもられている。

80.11.93
インドの経済発展
R.クリシュナ
貧困と失業にあえぐ多数の民衆を抱えたこの国に欠落しているのは,良き経済運営である。

80.12.104
新しい石油採掘技術
R.A.ディック/S.P.ウィンペン
価格の高騰にともない,石油を石炭や鉱石と同様な方法で採掘する技術が注目されている。

80.12.112
オウムガイの浮力調節
P.ウォード/L.グリンウォルド
重い貝殻をもつオウムガイは,独特の浮力調節法によって水中を自由に動くことができる。

80.12.20
分子を認識する環状化合物
田伏岩夫
ある種の環状化合物は,中央にある穴で特定の分子やイオンを認識して捕える能力をもつ。

80.12.30  別69
SS433の奇妙なスペクトル
B.マーゴン
SS433という異常なスペクトルを発する天体が,脚光をあび観測されている。

80.12.56  別67
物質と色
K.ナッソー
色の原因はきわめて多様だが,光波と電子の相互作用によって生じるという共通性がある。

80.12.74
アパラチア南部にみる大陸の成長
F.A.クック/L.ブラウン/J.E.オリバー
反射法による地震探査により,大陸がどのようにして成長してきたかがはっきりしてきた。

80.12.88  別70
病気の早期発見に役立つPET
M.M.テル・ポゴシアン/B.E.ソーベル
ポジトロン放射線同位体で人体の断層像を作るPETは,医学や生物学の強力な武器になる。

80.12.8,85.01.再録  別52
単一クローン性抗体
C.ミルシュタイン
抗体産生細胞と腫瘍細胞を融合してクローン化し,単一の抗体を多量に得ることができる。

81.01.106
毛はどのように発生するか
稲葉益巳
ヒトの毛は,毛球が完成する以前に,毛穴の峡部毛鞘という部分からまず形成されてくる。

81.01.20
太平洋諸島の人々はどこから来たか
P.S.ベルウッド
言語学や遺伝学,考古学の研究から人々の太平洋諸島への移住の様子がはっきりしてきた。

81.01.32
重力レンズとクエーサー
F.H.チャフィー
銀河がレンズの役割を果たすため,1つのクエーサーの像が2つに見えることがわかった。

81.01.52
超電導技術の進歩
T.H.ジェボール/J.K.ハルム
新しいタイプの超電導体が数多く発見され,超伝導電力システムの夢が現実化しつつある。

81.01.70
糖質の生化学
N.シャロン
糖質や糖脂質,糖タンパク質は,生合成反応や細胞間認識などで重要な役割を演じている。

81.01.84
平衡感覚をつかさどる器官
D.E.パーカー
身体の平衡と方位づけは,内耳にある器官や他の感覚器官からの情報によって調節される。

81.01.9
遺伝子増幅と薬剤耐性
R.T.シムケ
哺乳類の培養細胞が薬剤耐性を得る過程で見せる遺伝子増幅は,進化の実験モデルとなる。

81.01.96
溶媒のない化学反応
R.T.マッカイバー
新しい質量分析計を用いることによって,裸の化学反応物質の挙動がわかるようになった。

81.02.110
ヘロイン中毒に有効なメサドン維持療法
V.P.ドール
この療法の成功は,嗜癖に対する考え方や対処の仕方について多くの示唆を与えてくれる。

81.02.22  別50
大脳前頭前野のニューロン活動
久保田競
行動するサルのニューロン活動の解析から,前頭前野の高度な働きが明らかになってきた。

81.02.34  別58,72
宇宙における物質と反物質の非対称性
F.ウィルシェク
ビッグバン直後,物質が反物質より少しだけ多かったため,物質だらけの宇宙が生まれた。

81.02.54L5
ガリレオは海王星をみていた
S.ドレイク/C.T.コワル
ガリレオが観測した海王星の位置は,現在認められている海王星軌道に疑問を投げかけた。

81.02.64  別71
プラスミド
R.P.ノビック
郊外のDNA有機体であるプラスミドの主な働きは,細菌に薬剤耐性を与えることである。

81.02.8  別53
NATOの中距離核ミサイル
K.N.ルイス
戦術兵器とも戦略兵器ともいえる中距離核兵器の出現は,軍縮問題をいっそう複雑にした。

81.02.82
ゴキブリの逃避システム
J.M.キャムハイ
14本の巨大介在ニューロンを含む比較的単純な神経回路がゴキブリの逃避行動を発現する。

81.02.94
鏡と像
D.E.トーマス
いろいろな曲面鏡を幾何光学的に解析することによって,鏡の不思議な世界の謎が解ける。

81.03.108
もう一人の電話発明者
D.A.ハウンシェル
電話はベルが発明したものと思われているが,グレーの方が早くその考えに到達していた。

81.03.11
石油開発の合理的戦略
H.W.メナード
アラスカや大陸棚での今後の石油開発では,系統的な埋蔵量一覧表を作成する必要がある。

81.03.26
昆虫の休眠
茅野春雄
昆虫は休眠によって厳しい冬を生きのびるが,それはすぐれたエネルギー保存法でもある。

81.03.38  別45,70
完全人工心臓をめざして
R.K.ジャービック
人工心臓の研究開発は着実に進歩しており,人間に適用できるまであと一歩に迫っている。

81.03.56  別48
アンドロメダ星雲
P.W.ホッジ
銀河系に最も近いこの大きな渦巻き銀河は,恒星や銀河の進化を探る絶好の実験室である。

81.03.70
ウイロイド
T.O.ディーナー
ウイロイドはウイルスよりもはるかに小さい感染病原体であり,高等植物でみつかった。

81.03.80
ゲル
田中豊一
網目重合体と液体媒質からなるゲルは,外部の微小な変化に応じて急激に膨脹・収縮する。

81.03.96
心とはなにか
J.A.フォダー
精神と身体の関係は,二元論や唯物論とは違う機能主義の立場からみるとよく説明できる。

81.04.10  別53
米国の対潜水艦戦力
J.S.ウィット
米国の対潜水艦戦力はソ連のそれを上回っており,SALTにも大きな影響を及ぼしている。

81.04.114
ソーラーエンジン
藤井岩根
太陽熱だけで動くソーラーエンジンが完成し,レンズで集められた太陽熱により始動した。

81.04.24L1
翼竜
W.ラングストン
中生代末期に絶滅した翼竜は,化石の研究から恐竜と鳥類の間の移行型と考えられている。

81.04.36  別69
深海のニュートリノ望遠鏡
J.G.ラーニド/D.アイクラー
ハワイ沖の水深5kmの海底に建設する観測器で,超新星からのニュートリノを検出する。

81.04.54
自己免疫病とはなにか
N.R.ローズ
自己免疫のメカニズムの解明が進み,難治病に対する治療法に新しい道が開かれつつある。

81.04.70
恒星の活動周期
O.C.ウィルソン/A.H.ボーン/D.ミハラス
太陽に近い恒星にも太陽と同じ11年周期の活動がみられ,その機構が説き明かされてきた。

81.04.84
カリフォルニアの稲作
J.N.ラトガー/D.M.ブランドン
カリフォルニアの稲作農家は,高度の機械化によって世界平均の3倍の収穫をあげている。

81.04.96  別71
ヌクレオソーム
R.D.コーンバーグ/A.クラッグ
染色体の下部構造は,タンパク質でできた糸巻きに巻きとられたDNA高次らせんである。

81.05.106  別56
スリットを横切る図形の知覚
I.ロック
図形が一部分ずつ,スリットを次々に通る場合でも,全体像を知覚できることがある。

81.05.118
海草の受粉
J.ペティット/S.ダッカ/B.ノックス
海草は水中で受粉するため,花粉が柱頭につくと陸上植物とは異なる生理的変化が起きる。

81.05.128
ニュートンの重力の発見
I.B.コーエン
彼は,現実の世界とそれを単純化した数学的モデルとを綿密に比較して,重力を発見した。

81.05.23
セントヘレンズの大噴火
R.デッカー/B.デッカー
今回の大噴火もこれまでの活動パターンの一部であり,火山学者によって予知されていた。

81.05.38
鎌状赤血球はなぜマラリアに強いか
N.J.フリードマン/W.トレジャー
鎌状赤血球症などの遺伝病では変異赤血球の生化学的なしくみでマラリア原虫を排除する。

81.05.48  別48
銀河系宇宙
B.J.ボック
最近の研究から,銀河系の半径や質量が今まで考えられていたより大きいことがわかった。

81.05.78
チャネリングによる強力なX線放射
大槻義彦
シンクロトロン放射など従来のものより桁違いに強力なX線を出す新しい光源が登場した。

81.05.92
細胞質の微細構造
K.R.ポーター/J.B.タッカー
超高圧電子顕微鏡によって,細胞の中に微細な格子構造が存在することが明らかになった。

81.06.104
食物をこしとる水生昆虫
R.W.メリット/J.B.ウォーレス
ブユやカ,トビケラ,カゲロウの幼虫は水中でふ化し,網やブラシを使って食物を集める。

81.06.116
躁病を抑えるリチウム
D.C.トステソン
細胞膜のイオン輸送機構の研究を通じて,躁病に対する分子レベルの理解が深まってきた。

81.06.24  別53
放射性物質の破壊的放出
S.A.フェッター/K.ツィピス
放射性物質による環境汚染の中で,最も恐ろしいのは熱核兵器の原子炉への命中である。

81.06.32
直立歩行を支える左足
平沢彌一郎
1万数千人の歩行を独自の方法で観察した結果,直立歩行を支える左足の役割がわかった。

81.06.52  別55
素粒子と力の統一理論
H.ジオルジ
SU(5)統一理論によれば,世界はただ1つの粒子と1つの力,それに重力でできている。

81.06.74
新星
R.E.ウィリアムズ
新星は,近接連星系の白色矮星が,表面物質を熱核反応で爆発的に吹き飛ばす過程である。

81.06.85
遺伝情報の起源
R.ウィンクラー・オズワティッシュ
最初の遺伝物質は,グリシンなど4種のアミノ酸が書かれたRNAであった可能性が高い。

81.06.9  別61
コンピューターによる音声認識
S.E.レビンソン/M.Y.リバーマン
人間の声を聴き分ける機械を設計するのは,話す機械を作ることよりもずっとむずかしい。

81.07.105  別58
高励起原子
D.クレップナー/M.G.リットマン
高励起原子のなかには,直径が1/100mmにも達する大きなものが見られる。

81.07.120  別52,79
難病研究への道をひらく細胞工学
内田驍/岡田善雄
HVJというウイルスを使って高分子物質を細胞内に注入し,難病を治す試みが進んでいる。

81.07.130
宋代の建築基準書
E.グラーン
中国古来の建築は,李誡の『直営法式』によって,風土によく適合した様式に統一された。

81.07.19
小型車に挑戦する米国
C.L.グレイ/F.フォン・ヒッペル
技術革新がなくても,1995年までには,燃費を25km/リットル以上にできるはずである。

81.07.34  別52
分割された遺伝子
R.シャンボン
高等動物の場合,タンパク質をつくる遺伝暗号は分割された形でDNAに配列されている。

81.07.50  別69
宇宙のX線バースト
W.H.G.レーヴィン
連星系を構成する中性子星の表面に蓄積したガスが爆発して,X線バーストをひき起こす。

81.07.78  別60
東太平洋海膨の熱水噴出
K.C.マクドナルド/B.P.ルーウェンダイク
熱水が噴き出し風変わりな生物が生息している現場を,東太平洋海膨で潜水艇が目撃した。

81.07.96
動物の対向流交換システム
K.シュミット・ニールセン
互いに反対向きに動く流体間で起きる水分や熱の交換を,動物たちは巧みに利用している。

81.08.100
リニア・プログラミングによる資源の最適配分
R.G.ブランド
この手法は,アルゴリズムが簡単で,計画自体の評価も可能というすぐれた特徴をもつ。

81.08.116
分蜂群の温度を調節するミツバチ
B.ハインリッヒ
ミツバチの分蜂群は,野営中にも群れの温度を調節し,すぐ飛び立てるよう準備している。

81.08.20
精神を正常に保つ脳のホルモン
伊藤眞次
大脳皮質に多量に存在するホルモンの類似物質が抗精神病薬として有望なことがわかった。

81.08.30地球は微惑星の集合体か
G.W.ウェザリル
太陽系形成の初期に,微惑星は衝突・合体をくり返しながら成長して地球型惑星になった。


81.08.52  別55
陽子の崩壊を探る
S.ワインバーグ
理論的には,陽子の寿命は10の30乗年以上,おそらく10の32乗年のオーダーであろうと考えられる。

81.08.68
β-ラクタム抗生物質
E.P.アブラハム
ペニシリンやセファロスポリンの分子構造を変えて,耐性菌にも有効な医薬がつくられた。

81.08.84
第三の生物“古細菌”
C.R.ウーズ
生物界は真核生物と真正細菌と古細菌の3つに大別すべきだ,という主張がなされている。

81.08.9
高温ガス冷却原子炉
H.M.アグニュー
炉心で発生した熱を気体ヘリウムで冷やすこの原子炉は,安全性にすぐれ,熱効率もよい。

81.09.100
ニセ信号で雄を食べる雌ホタル
J.E.ロイド
ある種のホタルの雌は,異種のホタルの明滅光をまねしてその雄をひき寄せ食べてしまう。

81.09.110  別56
両眼視での奥行逆転
J.I.イエロット
人間の視覚系には奥行調節の機構があり,へこんだものでも出っぱっているように見える。

81.09.20
金星の大気
G.シューバート/C.コーベイ
惑星探査機の観測から,硫酸でできた雲は4日間で金星を一回りしていることが判明した。

81.09.30
カリフォルニアの広域水利用と土壌改良
A.F.ピルスベリー
土壌に集積した塩分を取り除き,土壌を改良する大規模な水利用計画がすすめられている。

81.09.54  別58
ファイバー・バンドルと量子論
H.J.バーンスタイン/A.V.フィリップス
メビウスの帯で代表されるトポロジーの考え方で,中性子や電子の振る舞いを解明する。

81.09.76  別63,84
DNAの原子をみる超伝導電子顕微鏡
堀内繁雄
超高分解能電子顕微鏡技術の進歩により,DNAの原子を直接観察できる見通しが立った。

81.09.88  別52
哺乳類細胞の遺伝子工学
W.F.アンダーソン/E.G.ディアクマコス
マウスの細胞に特定の遺伝子を注入して,細胞の遺伝的な欠損を治すことが可能になった。

81.09.9
ポーランド人の価値観と行動
S.ノワク
1980年以来のポーランド情勢は,戦後30余年の間に熟成した国民の価値観を反映している。

81.10.104
サジ・カルノー
S.S.ウィルソン
理想的熱機関の解析で有名なカルノーの本当の関心は,蒸気機関の実用的な応用にあった。

81.10.11  別69
“はくちょう”のみた中性子星
小田稔/田中靖郎
日本のX線天文衛星“はくちょう”は,X線星を次々に観測し新しい事実を発見している。

81.10.24  別53
対戦車用スマート・ミサイル
P.F.ウォーカー
精密な誘導ミサイルは機動性・破壊力がすぐれており,戦車は過去の遺物となりつつある。

81.10.36
モンスーン
P.J.ウェブスター
モンスーンは,海洋に注いだ太陽エネルギーを陸地に集め,世界中の人々に水を供給する。

81.10.52  別71
リボゾーム
J.A.レイク
電子顕微鏡写真に基づく3次元モデルにより,タンパク質合成の詳細がはっきりしてきた。

81.10.68  別45
コンピューター・デザインによる鍛造
S.L.セミアチン/G.D.ラホティ
古くからの技術である鍛治も,コンピューターの導入で,経験にたよる作業から脱皮した。

81.10.78
ニレ立ち枯れ病とその防除
G.A.ストローベル/G.N.ラニヤ
ある種のキクイムシが媒介するニレ立ち枯れ病は,そのフェロモンを利用して防除できる。

81.10.92  別48
オリオンの最も若い星
G.ウィン-ウィリアムズ
オリオン座の星間雲の内部では,生まれたての星が周囲のガスを高速で吹き飛ばしている。

81.11.106
微生物工業における生産方法
E.L.ゲイトン
従来この分野では回分操作が多く用いられてきたが,新しく連続操作も開発されつつある。

81.11.116  別71
農業への微生物利用
W.J.ブリル
微生物を適性に利用することによって,農作物の生長を促し,収量を高めることができる。

81.11.20
日本の微生物産業
斎藤日向
日本には清酒やみそ・しょうゆの醸造で培われた伝統的な技術があり,将来が期待される。

81.11.24
産業に使われる微生物
H.J.ファッフ
人類に有益な物質の生産に,酵母やカビ,細菌に加え,哺乳動物の細胞も利用され始めた。

81.11.40  別71
微生物の遺伝子操作
D.A.ホブウッド
突然変異やかけ合わせ,組み換えDNA技術によって有用な微生物をつくることができる。

81.11.62
食料品生産への微生物利用
A.H.ローズ
古くからあるパンやチーズ,酒類に加えて,単細胞のタンパク質という新顔も登場してきた。

81.11.76
医薬品生産への微生物利用
Y.アーノロビッツ/G.コーエン
微生物は,抗生物質だけでなく,ホルモンやインターフェロンをつくり出す主人公である。

81.11.8  別71
遺伝子工学と微生物産業
A.L.デメイン/N.A.ソロモン
食品,医薬品,化学製品などをつくる微生物産業は遺伝子工学という強力な武器を得た。

81.11.94
化学製品生産への微生物利用
D.E.エベリー
微生物による発酵工業は,石油を原料としないさまざまな化学製品を続々うみ出している。

81.12.102  別61
コンピューターによるデジタル画像処理
T.M.キャノン/B.R.ハント
画像の情報でデジタル化すれば,数学的操作で,ピンぼけ写真を鮮明にすることもできる。

81.12.116
メーヨー・クリニックの患者記録
L.T.カーランド/C.A.モルガード
メーヨー・クリニックの膨大な患者記録は,疫学的研究において貴重な資料となっている。

81.12.20
35億年前に生命は存在したか
D.グルーブス/J.ダンロップ/R.ビュイック
オーストラリア西部の古い岩石の調査で,35億年前に生物が存在した可能性が示唆された。

81.12.32  別58
量子理論
R.I.G.ヒューズ
量子理論を使えば,量子力学の世界で生じる理論上の矛盾をうまく説明することができる。

81.12.62
神経ペプチド
F.E.ブルーム
神経細胞が合成・放出するペプチドは,細胞間情報伝達物質として動物の行動を調節する。

81.12.78  別68
新しい炭化ケイ素耐熱材料
矢島聖使/岡村清人
有機ケイ素重合体を焼いて無機物に転換すると,1000度以上の高温に耐える材料ができる。

81.12.9
連星系パルサーからの重力波
J.テイラー/J.ワイズバーグ/L.ファウラー
連星系パルサーの公転軌道が縮小していることから,重力波の存在が間接的に証明された。

81.12.90L2
バイオリンの音響学
C.M.ハッチンス
表板と裏板の振動特性を測定することによって,より良いバイオリンを作ることができる。

82.01.106
米国の人口動向
P.M.ハウザー
1980年のセンサスでは,史上初めて非大都市圏の人口増加率が大都市圏のそれを上回った。

82.01.26  別53
新しい暗視装置マイクロチャンネル・プレート
M.ランプトン
個々の画素の明るさを1万倍も高め,暗闇でも鮮明な画像をうつしだせる装置が誕生した。

82.01.38  別71
DNA修復のしくみ
P.ハワード・フランダース
傷害を受けたDNAは,大きく分けて2つあるいずれかの方法で修復され,生物は生き続ける。

82.01.60
チョウの斑紋はどのように形成されるか
H.F.ナイハウト
変化に富むチョウやガの美しい色彩斑紋は,ごく少数の単純な規制に基づいて形成される。

82.01.74
アンモナイト
小畠郁生/棚部一成/福田芳生
アンモナイトの化石をオウムガイやイカ,タコと比べると,進化の過程が明らかになる。

82.01.86
流体相のシミュレーション
J.A.バーカー/D.ヘンダーソン
分子が不活性の剛体球であるというモデルを考えると,気体や液体の構造は理解しやすい。

82.01.9  別76
ボイジャーのみた惑星の環
J.B.ポラック/J.N.クッチ
木星,土星,天王星の環ができた過程を,ボイジャーの観測で得たデータに基づいて探る。

82.01.96
カナダに残されたバスク人の捕鯨基地
J.A.タック/R.グレニア
古文書に基づく発掘調査により,16世紀バスク人の捕鯨基地跡がラブラドルで見つかった。

82.02.16
磁石をもつ細菌
R.P.ブレイクモア/R.B.フランケル
ある種の水生細菌は,マグネトソームと呼ばれる磁石をもっており,磁極に向かって泳ぐ。

82.02.26
石炭液化の化学
真田雄三
液化プロセスを合理的に設計・操作するためには,液化反応のしくみの解明が先決である。

82.02.44  別76
木星と土星の縞模様
A.P.インガソル
この大気循環は,日光が差し込む表面層に限られるのか,数万kmの深部まで達するのか。

82.02.58
フクロウの鋭い感覚
E.I.クヌードセン
暗闇で獲物の垂直方向の位置を識別するために,フクロウの左右の耳は上下にずれている。

82.02.70
フィブリノーゲンとフィブリン
R.F.ドゥーリトル
どのようにしてフィブリノーゲンが重合し,フィブリンになって血を止めるかがわかった。

82.02.8  別53
レーザー兵器
K.ツィピス
人工衛星にレーザー兵器を積み込んで,敵の大陸間弾道弾を撃墜する計画は可能だろうか。

82.02.82
計算機による代数処理
R.パベル/M.ロススタイン/J.フィッチ
新しい汎用の算法を用いれば,これまで手に負えなかったような問題も解けるようになる。

82.03.100
アフガニスタンの古代ギリシャ都市
P.ベルナール
紀元前2~3世紀ごろ中央アジアに栄えた,ギリシャ植民地の幻の古代都市が発掘された。

82.03.112
選択の心理学
D.カーネマン/A.ツベルスキー
損を承知で宝くじを買うというような不合理な心理も,数学的に説明できるようになった。

82.03.24L1
恐竜はなぜ絶滅したか
D.A.ラッセル
6300万年ほど前に恐竜をはじめ多くの動植物が絶滅したのは,小惑星の落下が原因らしい。

82.03.34
ヒルの神経系の発生
G.S.ステント/D.A.ワイズブラット
新しい細胞追跡の手法によって,ヒルが神経系を形成していく発生のしくみが解明された。

82.03.54  別63
スーパーコンピューター
R.D.レビン
世界中に30台余りしかない強力なコンピューターは,毎秒1億回もの演算を実行できる。

82.03.74
ビタミンAを貯蔵する細胞
山田英智
人体に不可欠なビタミンAは,肝臓だけでなく肺や消化管の特殊な細胞にも蓄えられる。

82.03.8  別76
土星の月
L.A.ソーダブロム/T.V.ジョンソン
ボイジャー1号と2号の観測によれば,17個の衛星は岩石ではなくおもに氷でできている。

82.03.88  別67
安定な原子状水素をつくる
I.F.シルベラ/J.ワルラーベン
水素を原子状態のまま安定させる技術が開発され,量子気体の性質を理解する道が開かれた。

82.04.104
低レベル放射線の影響
A.C.アプトン
自然環境や人工線源からの低レベル放射線は,人間にどのくらいの障害を与えているか。

82.04.22  別76
大気をもつタイタン
T.オーエン
土星の最大の月タイタンには大気が存在し,生命誕生直前の地球に近い状態にあるらしい。

82.04.34
350万年前の人類の足跡
R.L.ヘイ/M.D.リーキー
アフリカの一部には,すでに350万年前に直立歩行する人類がすんでいたことがわかった。

82.04.54  別72
クエーサーが示す初期の宇宙
P.S.オズマー
150億年前の夜空は現在よりずっと明るく,肉眼でも4つのクエーサーが見えただろう。

82.04.70
魚は色をどう見るか
J.S.レビン/E.F.マックニコル
魚はそれぞれ,自分たちがすんでいる環境に適した色覚を得るような視物質をもっている。

82.04.8
tRNAの完全合成
池原森男
RNAの合成はDNAに比べて格段に困難だが,世界に先駆けてtRNAが完全合成された。

82.04.82
炎の化学
W.C.ガーディナー
燃焼の化学においては,燃焼が燃える途上でどんな反応中間体が生成するかが問題となる。

82.04.94
トガウイルスの細胞への侵入と脱出
K.シモンズ/H.ガロフ/A.ヘレニウス
ある種のウイルスは,ウイルスの膜と細胞膜が融合することによって細胞の中に入り込む。

82.05.102  別63
製造業でのレーザー利用
A.V.ラロッカ
レーザー工具は、材料の孔あけ、切断、溶接、熱処理、合金化に広く利用され始めている。

82.05.20
コカイン
C.バン・ダイク/R.ビック
コカインは長い歴史をもった薬物だが,その依存性は化学的に特異な構造に由来している。

82.05.30
メキシコ湾流からの巨大な渦
P.H.ウィーベ
メキシコ湾流など流れの強い海流は,直径が300kmにも達する渦をつくりだす。

82.05.48  別90
ガンをひき起こす遺伝子
J.M.ビショップ
細胞タンパク質のリン酸化を起こすレトロウイルス遺伝子が,ガン化で大きな役割をする。

82.05.62  別68
新しい薄帯磁性材料
津屋昇/荒井賢一
硬くてもろいとされていた材料が,融体超急冷法でまったく新しい材料に生まれ変わった。

82.05.76  別55
中間ベクトル・ボソンを創る
D.B.クライン/C.ルビア/S.バン・デル・メール
弱い相互作用を媒介する素粒子を検出しようと,これまでで最大規模の実験が行なわれる。

82.05.9  別72
超銀河集団と宇宙の空洞
S.A.グレゴリー/L.A.トンプソン
赤方偏移の観測から,少なくとも3個の超銀河集団と銀河のない巨大な空洞がみつかった。

82.05.90
ヘビは赤外線像をどう“見る”か
E.A.ニューマン/P.H.ハートライン
孔器官をもつヘビは,中脳で赤外線と可視光の情報を統合して独特の“視覚”を構成する。

82.06.22
脳の働きを修正する栄養素
R.J.ワートマン
神経伝達物質の原料となるアミノ酸などは,食物にまぜて使うと新しい型の薬となりうる。

82.06.34
ミシシッピ川の大地震帯
A.C.ジョンストン
170年前の大地震など米国ミシシッピ川流域の地震は,古い地溝帯の再活動が原因らしい。

82.06.50
銀河の巨大分子雲
L.ブリッツ
ほとんどが水素分子からなる巨大分子雲は,私たちの銀河で最も質量の大きい天体である。

82.06.61  別55
超重量磁気単極子
R.A.カリガン/W.P.トラウアー
磁気単極子が存在すれば,それはゾウリムシほどの重さをもつなど,異例の素粒子だろう。

82.06.72
ダイオウイカ
C.F.E.ローパー/K.J.ボス
ダイオウイカ類には,長さ18mで重さ450kgにも達する巨大なものがある。

82.06.8
新しい海洋石油プラットホーム
F.S.エラーズ
水深180mの海で30mの波に耐える構造物を造るには大胆な技術が必要だ。

82.06.80
松果体と生物時計
出口武夫
生物の種々の活動には規則正しいリズムがあり,その調節をになっているのが松果体である。

82.06.92
ガロアの短い生涯
T.ロスマン
この天才は決闘前夜に群論を書いたとされているが,実は完成の域には達していなかった。

82.07.106
ジャガイモのクローン栽培
J.F.シェパード
葉の細胞1個から,クローン法で高品質・高収量のジャガイモの新種を作ることができた。

82.07.20  別63,70,84
医療用NMRスキャナー
I.L.ピケット
この診断装置は,原子の分布状態をもとに画像を合成するので,病巣の早期発見に役立つ。

82.07.32  別69
宇宙ジェット
M.ビーゲルマン/M.リース/R.ブランドフォード
銀河の中心の激しい活動によって生じる電離ガスの噴流は,長さが数百万光年にも達する。

82.07.54  別77
遺伝子レベルでみた抗体の多様性
P.レーダー
わずかな数百個の遺伝子断片の組み合わせによって,100億種類以上の抗体が生み出される。

82.07.72  別85
クォーコニウム
E.D.ブルーム/G.J.フェルトマン
重いクォークとその反粒子からなる“原子”を調べれば,クォークの間に働く力がわかる。

82.07.8
生命操作とDNA学
渡辺格
生命操作が可能になった現在,分子生物学に代わるより広範なDNAの確立が望まれる。

82.07.88
ヒラメの眼はなぜ左にあるか
D.ポリカンスキー
日本産ヌマガレイは両眼が左にあるが,カリフォルニア産のものは半数が右に両眼をもつ。

82.07.96
グレゴリオ暦400年
G.モイヤー
1582年,教皇グレゴリウス13世は暦と季節との狂いを食い止めるため,改暦に踏みきった。

82.08.104
バーミンガムのルナ協会
L.リッチ・コールダー
18世紀の英国の科学と技術は,満月の夜に集う“変人”たちの自由な討論で大きく進展した。

82.08.16
秩序構造の形成
妹尾学
非平衡の散逸構造を考えると,なぜ生命が地上に発生したかについてのヒントが得られる。

82.08.26L8
魚はどのように群れを維持するか
B.L.パートリッジ
群れの中の魚は,視覚と水の動きの変化をとらえる側線によって,その位置を保っている。

82.08.50  別72
VLBIでみた電波宇宙
A.C.S.リードヘッド
遠隔地の望遠鏡を連結し大型電波干渉計(VLBI)を作ると,高分解能の天体像が得られる。

82.08.62
視覚的注意の脳内機構
R.ワーツ/M.ゴールドバーグ/D.ロビンソン
物を見るときに起きる脳細胞の活動変化の研究から,注意の仕組みが明らかになってきた。

82.08.74
物質の量子力学
M.L.コーエン/V.ハイネ/J.C.フィリップス
擬ポテンシャル理論によって,数多くの材料の性質を正確に理解できるようになった。

82.08.8
リン鉱床
R.P.シェルダン
食料の安定供給のためには,化学肥料の原料となるリン資源を有効に活用する必要がある。

82.08.92
カルモジュリン
張槐輝
この普遍的なタンパク質はカルシウムイオンと結合して活性化し,酵素の働きを調節する。

82.09.100  別59
協同繁殖をする鳥モリヤツガシラ
J.D.リゴン/S.H.リゴン
この鳥は,群れの中の1つがいだけが繁殖し,残りの成鳥はそのヒナの養育を手助けする。

82.09.110
生痕化石でみる古生物の生活
福田芳生
古生物の捕食のあとや排せつ物など生活の様子をとどめた化石から,当時の生態がわかる。

82.09.120  別70
動脈瘤の原因と治療
K.ヨハンセン
診断装置や外科の技術の進歩によって,恐ろしい動脈瘤の早期発見や治療が可能になった。

82.09.23  別68,84
有機化合物の超伝導体
K.ベチガード/D.ジェローム
金属だけで確認されていた超伝導現象が,有機化合物の結晶でも起こることが発見された。

82.09.34
スペーステレスコープ
J.N.バーコール/L.スピッツァー
1985年,大型天体望遠鏡がスペースシャトルで大気圏外に運ばれ,宇宙を鮮明に映しだす。

82.09.48
ハンググライダーから超軽量飛行機へ
M.A.マルコフスキー
ハンググライダーに小型エンジンを取り付け,手軽に空中散歩を楽しめる乗り物ができた。

82.09.74
若い星からの高エネルギー・ガス流出
C.J.ラダ
星が誕生しつつある暗黒星雲からは,分子ガスが二極流となって超音速で流れ出している。

82.09.86  別71
DNAトポイソメラーゼ
J.C.ワン
環状DNA分子の立体構造を調節する酵素トポイソメラーゼは,遺伝情報の複製を左右する。

82.10.106  別60
オフィオライト
I.G.ガス
陸上でみつかる海洋地殻の断片から,海洋地殻のでき方や海洋底拡大のプロセスがわかる。

82.10.118L5
ガリレオ事件
O.ギンガリッチ
地球の公転を論じたガリレオの推論は,教会の反対に抗して,新しい方法論をうち立てた。

82.10.13
二酸化炭素の増加と気候変動
R.レベル
大気中の二酸化炭素の量が増え続けているため,地球の平均気温がしだいに上昇している。

82.10.24
アレルギー
P.D.ビサレット
花粉などによって起きるアレルギーの仕組みが,細胞・分子レベルで明らかになってきた。

82.10.36
古気候が決めた植物の進化
浅間一男
植物は夏冬の気温較差の漸増を原動力にして,小葉系,大葉系,有節系の三系統で進化した。

82.10.66
微生物による採鉱
C.L.ブライアリー
細菌を使って,低品位の鉱石から銅やウランを溶かし出し回収する方法が普及しつつある。

82.10.82
銀河コロナ
K.S.デボール/B.D.サベージ
人工衛星からの観測により,私たちの銀河系が高温ガスでおおわれていることがわかった。

82.10.94
金属表面の物理学
R.ゴーマー
金属結晶の表面では,吸着した原子や分子が活発に動き回るため,複雑な現象が見られる。

82.11.102
オフィスの機械化
V.E.ジュリアーノ
オフィスでの情報処理は,主役が従来の紙からエレクトロニクスへと急速に移行している。

82.11.116
婦人労働と機械化
J.W.スコット
機械を使う作業に女性が参加してから2世紀たつ今日でも,低賃金と職業差別は存在する。

82.11.13
労働の機械化
E.ギンズバーグ
労働の機械化は,生産性を飛躍的に向上させるとともに社会の構造も大きく変えてしまう。

82.11.130
労働と所得の分配
W.W.レオンチェフ
労働の機械化は労働者の購買力の低下をまねき,経済政策上の不利に結びつくことがある。

82.11.26
農業の機械化
W.D.ラスムッセン
150年前に全労働人口の70%を占めていた農業従事者は,機械化により3%まで減少した。

82.11.42
鉱業の機械化
R.L.マロベリ/J.M.カーナク
機械化によって,米国で必要な鉱物の80%以上が,わずか1%の労働力で採掘されている。

82.11.62
設計の機械化と製造の自動化
T.G.ガン
工場の機械化は,製品の生産現場だけにとどまらず製品の設計部門にまで進出している。

82.11.86
金融と流通の機械化
M.L.アーンスト
小切手の処理や商品流通などのサービス分野は,商品の生産分野より機械化が進んでいる。

82.12.108  別68
磁性流体
R.E.ローゼンワイク
現在注目されているこの新素材は,真空シールや資源の再利用技術などに広く使えそうだ。

82.12.120
河をさかのぼる水の壁
D.K.リンチ
潮の干満の差が非常に大きな所では,高さ数mもの波が河をさかのぼることがある。

82.12.13
核実験の全面禁止は可能か
L.R.サイクス/J.F.エバーンデン
地震学の発展で,地下核実験など小規模な秘密の核実験も地震と識別できるようになった。

82.12.24
シナプス伝達とカルシウムイオン
R.R.リナス
神経細胞の連鎖を信号が伝わっていくには,カルシウムイオンの存在が必要不可欠である。

82.12.36
ミツバチの家捜し行動
T.E.シーレイ
分蜂したミツバチの群れが新しい造巣場所を見つけるとき,“熟年”の働きバチが活躍する。

82.12.54  別63
人工知能
D.L.ウォルツ
人間の知的な能力を探る人工知能の研究により,視覚情報処理や自然言語の解析が進んだ。

82.12.84  別63
情報処理技術が支える石油探査
石井吉徳
地震反射法は,地中の様子をはっきり再現できるので,海底油田の探査も正確に行える。

82.12.96  別61
宇宙を探るCCD撮像装置
J.クリスチャン/M.ブラウク
データ精度の高いCCD撮像装置が開発され,遠くて暗い銀河も観測できるようになった。

83.01.109
ガーターヘビの性行動と生理
D.クルーズ/W.R.ガーストカ
アカスジガーターヘビの奇妙な性行動と生理は,カナダ西部の寒冷な環境への適応を示す。

83.01.119L2
ティンパニーの物理学
T.D.ロッシング
ティンパニーは周波数が倍数関係にある振動モードにより,音名でいえる高さの音がでる。

83.01.12  別75
核兵器の全面凍結
R.フォースバーグ
米ソ両国が核兵器とその運搬システムの生産を停止することが,核兵器の廃棄につながる。

83.01.24
南氷洋の生態系とクジラ資源
J.R.ベディントン/R.M.メイ
南氷洋の生態系を調べると,クジラを絶滅から守るための最適捕獲量がはっきりしてくる。

83.01.34  別71,95
細菌ウイルスの遺伝子スイッチ
M.プタシン/A.D.ジョンソン/C.O.パボ
ラムダ・ウイルスの遺伝子発現を調節する,タンパク質とDNAの相互作用が解明された。

83.01.54  別60
広がる北アメリカ西海岸
D.L.ジョーンズ/A.コックス/P.コーニー
過去2憶年ほどの間に地塊がつぎつぎに衝突したため,北アメリカ大陸は西方へ成長した。

83.01.82
現代日本人の成立
埴原和郎
日本人は縄文人の子孫であり,地域的混血や隔離を経験しながら小進化し現代人となった。

83.01.96
グルーボール
石川健三
グルーボールは,クォークを結びつけているカラー力を伝達するグルーオンが結合した状態である。

83.02.102  別65
素数を求めて
C.ポメランス
大型コンピューターを使うと,100桁の数でもわずか10秒で素数かどうかの判定ができる。

83.02.20  別63
宇宙からみた地球のレーダー画像
C.エラチ
スペースシャトルに搭載されたレーダーシステムによって,地表の鮮明な画像が得られる。

83.02.30  別63,79
静電誘導トランジスタ
西澤潤一
筆者が発明したこのトランジスタは,次世代のLSI素子として世界の注目を集めている。

83.02.52
パーソナル・コンピューターとその周辺
H.D.トゥーン/A.グプタ
ハードウエア・ソフトウエア双方の充実で,パソコンは新しい局面を迎えようとしている。

83.02.68
脳の縞構造はどのようにしてできるか
M.コンスタンチン/M.I.ロウ
三つ目ガエルをつくる研究から,縞構造の形成に2つの機構が働いていることが判明した。

83.02.8
新しい人口移動現象
D.R.バイニング
先進諸国では,1970年代に工業と人口の集中していた核心地域からの人口流出が始まった。

83.02.80
宇宙線のメッセージ
E.ストーン/R.メバルト/M.ウィデンベック
宇宙線の同位体組成を調べた結果,太陽系の同位体組成とはかなり異なることがわかった。

83.02.92
海の固着生物と水流
M.A.R.ケール
海で固着生活を送るイソギンチャクや海藻類は,水流に対してみごとな適応を見せている。

83.03.106L2
パイプオルガンの物理学
N.H.フレッチャー/S.トウェイテス
パイプオルガンの荘厳な響きの秘密が,最新技術を駆使した実験から明らかになってきた。

83.03.20
哺乳動物細胞の大量培養法
J.フェダー/W.R.トルバート
インターフェロンなど重要な物質を大量に生産するための新しい細胞培養技術が完成した。

83.03.30
NMRでとらえた生体の代謝機能
R.G.シュルマン
生きた生物の中でどのような化学反応が起こっているかを探る,画期的な手段が現れた。

83.03.44  別98
新星・沍^超新星誕生のプロセス
杉本大一郎
白色矮星に隣の星からガスが流入するというモデルで,新星と沍^超新星が説明できる。

83.03.58L1
足跡化石が語る恐竜の生態
D.J.モスマン/W.A.S.サージャント
足跡の化石を調べるだけでも,絶滅してしまった動物の生活ぶりや行動のようすがわかる。

83.03.73  別69,72
宇宙X線バックグラウンドの起源
B.ゴーマン
X線天文衛星の観測によると,X線バックグラウンドの起源は,遠くにあるクエーサーらしい。

83.03.88
内耳の有毛細胞
A.J.ハッドスペス
繊毛束をもつこの受容細胞は,振動を電気信号に変える生きたトランスデューサーである。

83.03.9  別63
歩く機械
M.H.レイバート/I.E.サザーランド
コンピューター技術と動物の歩行パターンの研究が結合,歩行機械の実現が間近になった。

83.04.10
活動する太陽コロナ
R.ウォルフソン
太陽コロナの活動から,そこで起こっている物質と磁場の複雑な相互作用の様子がわかる。

83.04.102  別80
隠れた視覚システム
J.M.ウォルフ
視覚は,ふつう単一の感覚のように思われているが実は複数の働きの組み合わせである。

83.04.22  別77
合成ワクチン
R.A.ラーナー
ウイルスの表面タンパク質の一部を合成し,安全なワクチンを製造できる見通しがついた。

83.04.32
矢毒ガエル
C.W.マイヤーズ/J.W.デイリー
猛毒のアルカロイドをもつこのカエルは,体色や体長の違いが顕著で進化の面で興味深い。

83.04.48
光コンピューター
E.アブラハム/C.T.シートン/S.D.スミス
このコンピューターは毎秒1兆回,従来のものの1000倍もの高速で演算することができる。

83.04.58
クォークの閉じ込めと格子理論
C.レビ
格子理論という数学的な手法で,クォークの閉じ込めが理論的に証明されようとしている。

83.04.74
陸上植物の初期進化
西田誠
最近の細胞学的研究や化石の発見から,緑藻からコケ植物への進化が詳しくわかってきた。

83.04.86
英国中世の扇形ボールト天井
W.C.リーディー
扇形ボールト天井は美しさの追求から生まれたものだが,技術的にも合理的なものだった。

83.05.108
隠した食物を探しだす鳥
S.J.シェトルワース
シジュウカラやカラスの仲間には,何千もの貯食場所を数ヵ月間も記憶している鳥がいる。

83.05.20  別71
ミトコンドリアのDNA
L.A.グリベル
細胞のエネルギー発生源であるこの小器官は,細胞の核とは異なった遺伝系をもっている。

83.05.34  別89
宇宙の未来
D.A.ダイカス/J.R.リトー/V.L.テブリッツ
最新の理論物理学と宇宙論により,遠く10の100乗年後の宇宙の姿まで描き出せるようになった。

83.05.58
周期変動する化学反応
I.R.エプスタイン/K.クスティン/M.オーバン
物質の濃度が周期的に変化する現象の解明は,生物時計など生命の謎を解くカギにつながる。

83.05.72  別69
“ひのとり”がみた太陽フレア
田中捷雄
太陽観測衛星“ひのとり”は,太陽フレアをはじめ太陽活動の諸側面を明らかにしている。

83.05.86
古代インダス文字の解読
W.A.フェアサービス
インダス文明の文字は資料が少なく長い間謎に包まれていたが,解読の糸口がつかめた。

83.05.9
マイクロプログラミング
D.A.パターソン
このプログラムによりコンピューターを制御する方法は,ソフトウエアの互換性を高める。

83.05.98
医療に貢献する病理解剖
S.A.ゲラー
医療の向上はもちろん適切な保健計画を立案する上でも,病理解剖は不可欠の手段である。

83.06.102
細胞性粘菌の信号物質
J.T.ボナー
細胞性粘菌のアメーバは,種に特有な化学物質を分泌して,種ごとの独自性を保っている。

83.06.112
直観と物理学
M.マックロスキー
物体の運動を直観的にとらえたとき,多くの人はニュートンの法則に反した考え方をする。

83.06.18  別63
シリコン基板に組み込んだマイクロセンサー
J.B.エンジェル/S.C.テリー/P.W.バース
マイクロエレクトロニクスとまったく同じ技術を使って,バルブやセンサーが製造できる。

83.06.32
海底の熱水噴出
J.M.エドモンド/K.V.ダム
2600mの海底の熱水噴出は奇妙な生態系をはぐくみ,大きな鉱床を生み出している。

83.06.58  別77
抑制T細胞因子の構造と機能
谷口克
免疫調節で中心的役割を果たす抑制T細胞因子の分子構成と各部の機能が明らかになった。

83.06.70  別85
クォークは内部構造をもつか
H.ハラリ
物質の最小単位と考えられるクォークは,さらに小さな単位からできているかもれない。

83.06.9  別75
ヨーロッパの非戦場核地帯
B.M.ブレッチマン/M.R.ムーア
パルメ委員会の新しい提案は,核戦争の危険性を減少させるための実行可能な方策である。

83.06.90
レム睡眠中の脳のはたらき
A.R.モリソン
レム睡眠時の筋弛緩を実験的に取り除くことによって,睡眠中の脳の働きが明らかになる。

83.07.100
ミクロボディー
G.ドデュープ
1枚の膜に包まれたこの細胞内小器官の正体が,形態学と生化学の両面からわかってきた。

83.07.114
原子核の振動
G.F.バーチ
原子核はつねに振動しており,その振動には6つの型があることが実験により確認された。

83.07.17
スマート・ミサイルの発達と海戦の変貌
P.F.ウォーカー
スマート・ミサイルの威力の前では,膨大な費用がかかる海軍艦船の増強は疑問視される。

83.07.28  別80
先天盲の開眼手術と視知覚の形成
鳥居修晃
誕生時や幼児期に失明した人が手術で開眼しても,直後はものを知覚することができない。

83.07.40  別68
低温でできる無機材料
J.D.バーチェル/A.ケリー
今までの有機化合物に代わって,セメントのバネや無機発泡体などができるようになった。

83.07.58
コンピューターがひらく新しい統計学
P.ダイアコニス/B.エフロン
ブートストラップ法による統計は,その正確さにより従来の統計にとって代わりつつある。

83.07.76
突発性心臓死を解析するトポロジー
A.T.ウインフリー
トポロジーの理論を応用すると,突発的におこる心臓死の原因をつきとめることができる。

83.07.90
現代の養豚システム
W.G.ポンド
経済性の追求と生物学の進歩が結びつき,一貫経営による新しい養豚システムが生まれた。

83.08.106
カントールと超限集合論
J.W.ドーベン
カントールは,1890年代に,無限どうしの間にも,大小の階層構造があることを証明した。

83.08.119
ファスナーの歴史と製法
L.ワイナー
1851年にミシンの発明者ハウが発明したファスナーは,たび重なる改良で急速に普及した。

83.08.20
北京原人
呉汝康/林聖竜
過去5年間の発掘で,周口店洞くつに住んでいた北京原人の生活の様子が明らかになった。

83.08.30  別89
渦状銀河の“見えない物質”
V.C.レビン
渦状銀河の中の大部分の物質は,光を放射しない暗黒の物質であることが観測で判明した。

83.08.44  別71
植物に新しい遺伝子を導入するベクター
M.D.チルトン
ある種の細菌がもつプラスミドを利用することで,植物の遺伝子の改良も夢でなくなった。

83.08.62
巨大なカルデラ
P.フランシス
想像を絶する大噴火によって,直径が数十kmにも達する巨大カルデラができる。

83.08.82  別67,83
素励起の物理“ポーラロン”
眞隅泰三
イオン性結晶内にある伝導電子は,そのまわりに誘電分極を伴いながら結晶中を移動する。

83.08.96L6
クジラとイルカの潜水能力をさぐる
J.W.カンウィッシャー/S.H.リッジウェイ
水中という特殊な環境に適応した海産の哺乳類は,独特の方法で生体機構を維持している。

83.09.108
クレオル諸語
D.ビッカートン
世界中に散在するこの言語の文法構造は,幼児の覚えたての言葉の構造に非常に似ている。

83.09.13
大型コンピューターのパッケージング技術
A.J.プロジェット
IBM3081は,100個以上のチップを搭載できる多層セラミック配線板を組み込んでいる。

83.09.26
ウミウシの学習
D.L.アルコン
単純な神経系をもつ軟体動物が,ヒトの記憶や学習のなぞを解く手がかりを与えてくれる。

83.09.38  別85
“裸の美女”の検出
N.ミストリー/R.ポーリング/E.ソーンダイク
第5のフレーバー,つまりビューティーが隠されていないB中間子が実験的に確認された。

83.09.60  別68
アモルファス材料
S.オブシンスキー/D.アドラー
理論的研究が進とともに,この未開拓分野から,続々とユニークな材料が誕生している。

83.09.74L8
サケは海の家畜になるか
L.R.ドナルドソン/T.ジョイナー
サケ科魚類がもっている生来の性質を利用し,サケを海の家畜として扱えるようになった。

83.09.89
ヤシの葉の生長
D.R.カブラン
ヤシ科植物の葉は,不均等生長と特定部分の細胞の死との組み合わせによって形成される。

83.09.98
大陸はどのように分裂するか
V.コーティロット/G.E.ビンク
新しいプレートの生成に伴って,大陸は徐々に変形しながら数百万年かかって分裂する。

83.10.104
デジタル・タイポグラフィ
C.ビゲロウ/D.デイ
活字や写植文字に代わって,コンピューターを駆使したデジタル文字が広く使われ始めた。

83.10.12
インターフェロンの量産と精製
S.ペスカ
発見後25年,つねに期待が先行してきたこのタンパク質も,ついに臨床試験段階を迎えた。

83.10.22
高エネルギー光でみた原子核
本間三郎
高エネルギーγ線を使った実験で,原子核内に2つの核子が対になっているのが判明した。

83.10.32
宇宙の磁場
E.N.パーカー
惑星,太陽,恒星,銀河と宇宙のあちこちにある磁場は,ダイナモ機構によって発生する。

83.10.52
隕石の中の太陽系外物質
R.S.ルイス/E.アンダース
隕石には,太陽系内の物質以外に,超新星や赤色巨星でつくられた物質が紛れこんでいる。

83.10.66
化学物質で防衛するシロアリ
G.D.プレストウィッチ
体が柔らかく捕食されやすいシロアリは,刺激性や粘着性のある化学物質で敵に対処する。

83.10.78
集団の合理的選択
D.H.ブレア/R.A.ポラック
合理的な投票法のあり方を詳しく解析することは,よりよい選択法を見つけるのに役立つ。

83.10.92
ノルウェーに現存する800年前の木造建築
P.アウネ/R.L.サック/A.セルベルグ
建築家の細心の設計によって,800年前の木造教会堂がノルウェーに現在でも残っている。

83.11.102
大気圏
A.P.インガソル
大気の運動モデルをつくることによって,過去の気候を説明し,未来の気候が予測できる。

83.11.116
生物圏
P.クラウド
地球上の微生物,動植物のすべてが,岩石圏,水圏,気圏の進化を強力に押し進めている。

83.11.12
ダイナミックな地球
R.シーバー
地球は,生命体を含むさまざまな流体が相互作用しながら定常状態を保つ1つの系である。

83.11.24  別99
地球の核
R.ジンローズ
地球の中心には固体の内核と液体の外核があり,鉄でできた外核が地球磁場を作っている。

83.11.36  別99
マントル
D.P.マッケンジー
地表から700kmの岩石層は,核からの熱によって大規模な対流を起こしている。

83.11.56  別99
海洋地殻
J.フランシュトー
中央海嶺で生まれ成長していく海洋地殻の様子が,最新の観測により詳細にわかってきた。

83.11.72  別99
大陸地殻
B.C.バーチフィール
大陸地殻は,絶えず起こる造山作用,火成作用,浸食作用,堆積作用で,改造されてきた。

83.11.88
海洋
W.S.ブロッカー
海水に含まれる化学成分は,大気との相互作用により供給と除去のバランスを保っている。

83.12.100
アンモナイトの絶滅
P.ウォード
アンモナイト類の歴史の終わりに見られる殻形の多様な変異から,絶滅の原因が判明した。

83.12.112  別75
米ソ軍備管理交渉の歴史
H.F.ヨーク
米ソ間の軍備管理交渉はつねに両国がもつ固有の問題点のため暗礁に乗り上げてしまう。

83.12.12
実用化にせまる磁気核融合
R.W.コン
磁気核融合は基礎研究の段階を終えて,実用化に向けて技術的な問題のつめに入っている。

83.12.28
新しい遺伝標識“唾液型”
池本卯典
ABO式血液型のように,唾液中にもいろいろな遺伝性物質が含まれていることがわかった。

83.12.40  別72
宇宙の構造とパンケーキ理論
J.シルク/A.S.ソロイ/Y.B.ゼルドビッチ
ビッグバン直後にあった密度のゆらぎが,現在の超銀河団と空洞を生み出すもとになった。

83.12.56  別71
RNAのプロセッシング
J.E.ダーネル
有核細胞のRNAは,転写やタンパク質への翻訳のあいだにさまざな加工処理を受ける。

83.12.70
6000年前のバッファロー狩り
B.O.K.リーブス
北アメリカのインディアンは,バッファローの群れを断崖から追い落とし狩りをしていた。

83.12.84
死海
I.スタインホール/J.R.ガット
5年前,上下2つの層にわかれていた死海の湖水は突然まざり合い均一になってしまった。

84.01.102
有害な種子を食べて育つマメゾウムシ
G.A.ローゼンタール
マメ科の植物が合成する猛毒なアミノ酸が,マメゾウムシでは重要な窒素源となっている。

84.01.112
クラカタウの大噴火
P.フランシス/S.セルフ
クラカタウ島は100年前に大噴火を起こしたが,その噴火活動の全容がはっきりしてきた。

84.01.12  別75
誇張されすぎているソ連の先制核攻撃力
M.バン/K.ツィピス
先制核攻撃の効果を評価する場合,攻撃側からみた不確定性を明確に考慮する必要がある。

84.01.24  別94
未来の半導体“超格子”
G.H.デーラー
2種類の半導体材料を交互に積み重ねることにより,優れた性質をもつ半導体が生まれた。

84.01.34
激しく活動する銀河ケンタウルス座A
J.O.バーンズ/R.M.プライス
ケンタウルス座Aなどの活動銀河は,通常の銀河の100万倍ものエネルギーを放射している。

84.01.58  別90
遺伝子レベルの解明が進む発ガン機構
R.A.ワインバーグ
正常な遺伝子を狂暴な腫瘍遺伝子へと変身させるいくつかの仕組みが明らかになってきた。

84.01.82  別70
画期的なX線写真システム
山田達哉/高野正雄/加藤久豊/宮原諄二
新型の感光材とデジタル画像処理を用いると従来の数十分の1の線量でX線写真がとれる。

84.01.92
長距離大量輸送に有望な石炭パイプライン
E.J.ワスプ
遠く離れた炭鉱と発電所をパイプラインで結ぶ大規模な石炭輸送計画が米国で進んでいる。

84.02.101
錯視図形と視覚のしくみ
D.D.ホフマン
網膜像から推論を組み立てるとき,視覚系はある種の“規則性”を利用することが判明した。

84.02.110
最新鋭の砕氷船
J.D.ハーブロン
砕氷船は高緯度地域での海上輸送の主役であり,氷と闘うための数々の装備をもっている。

84.02.20
未来の“空気力学的”自転車
A.C.グロス/C.R.カイル/D.J.マレウィッキ
空気力学に十分な配慮をして設計した自転車は,時速100kmの高速を記録した。

84.02.30  別76
木星の月イオの火山
T.V.ジョンソン/L.A.ソーダブロム
木星のガリレオ衛星の1つであるイオは,惑星系の中で最も火山活動の活発な天体である。

84.02.56  別71
DNA二重らせんの立体構造
R.E.ディッカーソン
人工合成したDNAの単結晶X線回析により,らせん構造の細部の様子が明らかになった。

84.02.74
量子重力理論
B.S.デウィット
重力を量子力学的にとらえると,空間と時間の幾何学が連続的にゆらぐことになってくる。

84.02.8  別90
ヒト白血病をひき起こすウイルス
日沼頼夫
日本の南西地方に多い成人T細胞白血病の原因は,レトロウイルスであることがわかった。

84.02.90
オオヤマネコの生態にみる獲物の転換
A.T.バージェラッド
人為的に持ち込まれたウサギのために,ニューファンドランド島の生態系は大きく乱れた。

84.03.104
単為生殖をするトカゲ
C.J.コール
米国南西部や中南米にすむムチオトカゲは,脊椎動物では珍しい単為生殖を行なっている。

84.03.112
イネ
M.S.スワミナサン
イネには約12万の品種があり,現在も病虫害に強く収量の多い新品種の開発が進んでいる。

84.03.18
エルチチョンの噴火とその影響
M.R.ランビノ/S.セルフ
このメキシコの火山の噴火は,北半球の気温低下などさまざまな異常気象を引き起こした。

84.03.30  別71,94
リボソーム合成の調節機構
野村真康
大腸菌のリボソームの構成成分は,2つの調節機構の働きによって過不足なく合成される。

84.03.46
重い原子核の高エネルギー衝突
W.C.マクハリス/J.O.ラスムッセン
クォーク理論や宇宙論と深い関係をもつ“アノマロン”の奇妙な実体がはっきりしてきた。

84.03.64  別72
幻の物質と宇宙論
佐藤文隆
光や電波では見えない“幻の物質”が,宇宙の構造や進化を明らかにするカギをにぎっている。

84.03.78
気球から始まった近代化学
A.F.スコット
近代化学は,約200年前に人間が気球で空を自由に飛ぼうとしたことから大きく発展した。

84.03.90
球の充填問題
N.J.A.スローン
球をできるだけ多く詰め込む純粋に数学的な問題が,群論や情報科学で重要な役を果たす。

84.04.122
古代メソポタミアの数と計量体系
J.フリーベリ
最古の粘土板刻文の解読が進み,当時の数や計量体系がどのようなものだったか判明した。

84.04.132
細胞核をもつ最古の生物
G.ビダル
真核生物の始まりと見られる単細胞の浮遊生物の化石が,14億年前の地層から発見された。

84.04.144
氷河期はなぜ起こるか
C.コーベイ
氷河期は,地軸の傾きと公転軌道の小さな変動により周期的に起こることがわかってきた。

84.04.156
タイプ速度の秘密
T.A.ソルトハウス
タイピストは,同時にいくつかの過程を重複して処理しているのでタイプを速く打てる。

84.04.164
単独生活をするハナバチ
S.W.T.バトラ
社会組織を形成しない単独性のハナバチ類は,さまざまな植物の花粉媒介に役立っている。

84.04.20
焼き畑農業の生態学
久馬一剛
タイの試験地での研究から,焼き畑は熱帯の環境に適した面をもっていることがわかった。

84.04.32
極低温気体の分子スペクトル
D.H.レビ
液化温度よりもはるかに低温でスペクトルを調べると,分子の詳しい性質がわかってくる。

84.04.42
膜タンパク質の立体構造
N.アンウィン/R.ヘンダーソン
最新の電子顕微鏡技術によって,生体膜にあるタンパク質の立体構造が解明されつつある。

84.05.112  別75
核兵器の“非・先制使用”政策を検討する
K.ゴットフリード/H.W.ケンドール/J.M.リー
“非・先制使用”政策をとれば,ヨーロッパの安全保障を実質的に強化することができる。

84.05.18
筋肉が出す音
G.オスター
筋肉の音の研究は,動物のコミュニケーションの解明や,心臓病の診断にも役立っている。

84.05.26  別98
X線パルサー
早川幸男/長瀬文昭
この天体のX線パルスの周期変動を観測すると,中性子星で何が起こっているかがわかる。

84.05.38
生得的行動を支配する遺伝子
R.H.シェラー/R.アクセル
アメフラシの産卵行動を支配する遺伝子が,組み換えDNAの手法により明らかになった。

84.05.56
ハウスマウスの驚くべき適応力
F.H.ブロンソン
この小さな哺乳類は,人家をはじめ砂漠や炭鉱,冷凍食品庫にまで住みつくことができる。

84.05.66
材料科学の夢“励起子物質”
J.P.ウォルフ/A.ミスロビッツ
光によって半導体の中につくられるこの物質は,基礎科学や応用分野で広い可能性をもつ。

84.05.80
ヒトはどのように進化したか
D.ピルビーム
この5年間に,旧世界ザルから類人猿,さらにヒトへの進化の過程が詳しくわかってきた。

84.05.98
激しい動きをみせる深海流
C.D.ホリスター/A.R.M.ノウェル/P.A.ジャマース
これまで静かな場所と考えられてきた深海で,激しい嵐が吹き荒れていることがわかった。

84.06.08.  別78
動物体の形成に働く細胞接着分子
G.M.エーデルマン
細胞接着分子は,1個の受精卵から動物の体がつくられていく過程で重要な役割を演じる。

84.06.112L1
恐竜の巣造りと子育て
J.R.ホーナー
米国北西部で出土した多数の卵や幼体の化石から,恐竜の営巣行動が明らかになってきた。

84.06.122L4
母乳保育と避妊効果
R.V.ショート
母乳保育は,乳児の健全な発育はもちろん,避妊効果によって人口問題にも役立つ。

84.06.22
分子雲からの星の誕生と銀河の構造
N.スコビル/J.S.ヤング
星を生み出す分子雲の分布を電波で観測し,銀河の多様性を説明する手がかりが得られた。

84.06.36
人間の視覚と機械の視覚
T.ポッジオ
両眼立体視という人間の視覚能力が,コンピューターのソフトウエアで初めて実現された。

84.06.70
ダイヤモンド・アンビル型超高圧装置
A.ジャヤラマン
片手で持ち運び可能なこの装置は170万気圧まで発生でき,物性研究に革命をもたらした。

84.06.84
トルネード
J.T.スノー
破壊的な力をもつ強大な竜巻のしくみが,ドップラーレーダーなどによってわかってきた。

84.06.98
ガンのレーザー光化学治療
加藤大典
腫瘍親和性の高い化学物質を投与し,アルゴンレーザー光を照射するとガンを破壊できる。

84.07.108  別78
細胞はどうやって特定の物質を取り込むか
A.ドートリー・バルサ/H.F.ローディッシュ
レセプター(受容体)を介して,細胞が高分子物質を取り込む仕組みが明らかになってきた。

84.07.18
電荷移動錯体
井口洋夫
電子を出しやすい分子と受け取りやすい分子の間の特殊な結合は,新しい材料を生み出す。

84.07.30
大洋の誕生と海洋断裂帯
E.ボナッティ/K.クレーン
大洋の底を長々と横切る何本もの谷と高まりは,海洋底拡大に伴う壮大なドラマを物語る。

84.07.54
チューリング機械
J.E.ホップクロフト
英国の数学者チューリングが考案したこの想像上の機械は,計算可能性の限界を明示する。

84.07.67
寄生虫が動物の行動を変える
J.ムーア
ダンゴムシに寄生する鉤(こう)頭虫は,宿主の行動を変化させて鳥に食われやすくする。

84.07.78  別89
インフレーション宇宙
A.H.グース/P.J.スタインハート
私たちが観測できる宇宙は,ビッグバンの直後に爆発的に膨張した宇宙の一部にすぎない。

84.07.8
経済性の高いミニミル製鉄所
J.R.ミラー
鉄鋼大手が不況に悩む一方で,スクラップを原料とする小規模製鉄所は活況を呈している。

84.07.98
“はしか”はどのように広がるか
A.クリフ/P.ハゲット
離島でのはしかの流行の記録は,伝染病の広がり方を分析する上で貴重な手がかりとなる。

84.08.102
寒冷化が海洋生物を絶滅させた
S.M.スタンリー
限られた温度環境だけに適応していた海洋生物が,過去7億年間にたびたび一斉絶滅した。

84.08.114
原子の左右非対称性を検出する
M-A.ブーシア/L.ポティエ
原子を使ったきわめて高精度の実験により,弱い力が及ぼすパリティの破れが検出された。

84.08.12  別75
対衛星兵器の開発は禁止すべきか
R.L.ガーウイン/K.ゴットフリード/D.L.ハフナー
人工衛星を破壊する対衛星兵器は世界平和を脅かすので,その開発は条約で禁止すべきだ。

84.08.26
キクイムシの音響信号と化学信号
L.C.ライカー
北米産の松の害虫の行動に,化学物質と虫の鳴き声が重要な役割を果たすことがわかった。

84.08.36L3
古代アンデスの金めっき技術
H.レヒトマン
アンデスの金細工師は,銅に金や銀をめっきして卑金属を貴金属に見せる技をもっていた。

84.08.54
多面体を折りたたむ
梶川泰司
辺と自由自在に動くジョイントで多面体模型を作ると,不思議な幾何学の世界が現われる。

84.08.66
トウモロコシの“動く遺伝子”
N.R.フェドロフ
マクリントックによって発見された動く遺伝子は,遺伝子発現に大きな影響を与えている。

84.08.82
星間塵のライフサイクル
J.M.グリーンバーグ
星間空間中の微粒子は2重,3重の複雑な内部構造をもち,太ったりやせたりを繰り返す。

84.09.100
特異な連星“共生星”
M.カファトス/A.G.ミカリチアノス
この天体の奇妙なスペクトルは,特定の連星で起こっている物質移動や加熱などを物語る。

84.09.114
魚のデザインと泳ぎ方
P.W.ウェップ
魚の泳ぎ方を回析したところ,魚の体形と泳ぎ方の間に密接の関連のあることがわかった。

84.09.12
精神障害に悩む米国の浮浪者たち
E.L.バサック
路頭にまよい,緊急保護施設に群がる浮浪者の多くは,精神障害者であることがわかった。

84.09.20
3次元多様体と宇宙の構造
W.P.サーストン/J.R.ウィークス
位相幾何学の研究が進み,宇宙の構造と関連した3次元多様体を解明する糸口がつかめた。

84.09.34
多言語ワードプロセッサーの開発
J.D.ベッカー
1台のワードプロセッサーで,アラビア語などの複雑な言語も同時に扱えるようになった。

84.09.64  別91
ガンの“ミサイル療法”をめざして
R.J.コリアー/D.A.カプラン
正常細胞を傷つけずに,ガン細胞だけを効率よく殺してしまう治療法の研究が進んでいる。

84.09.78
海底火山
R.ヘキニアン
潜水艇などで見た地殻生成の現場は,溶岩と海水とが作り上げた異様な地形だらけだった。

84.09.90
菌類に感染するウイルス
牛山六男
キノコやカビなどの菌類に感染するウイルスの多くは,二本鎖RNAを遺伝物質としてもつ。

84.10.102
視覚をもつロボット
B.K.P.ホーン/池内克史
容器の中の一番上の部品を“見て”,それだけをつかむことのできるシステムが開発された。

84.10.114
ドングリキツツキの共同繁殖
P.B.ステイシー/W.D.ケーニッグ
ドングリキツツキは繁殖するブリーダーが産んだ卵を繁殖しないヘルパーと共同で育てる。

84.10.12  別75
核戦争は気候をどう変えるか
R.P.ターコ/O.B.ツーン/T.P.アッカーマン
戦争が起こると地上に厳しい“核の冬”が訪れ,多くの生物が絶滅の危機にひんすることがわかった。

84.10.26
超高圧に挑む“二段式軽ガス銃”
澤岡昭
超高圧を再現するために開発した装置“二段式軽ガス銃”を使って,新物質を合成する研究が進んでいる。

84.10.38
植物の光ファイバー伝送
D.F.マンドリ/W.R.ブリッグス
植物の芽生えの組織は,光ファイバーのケーブルのように,4~5Bも離れた部分まで光を伝送できる。

84.10.62
大マゼラン星雲の異常に明るい天体
J.S.マチス/B.D.サベイジ/J.P.カシネリ
小銀河である大マゼラン星雲中には,太陽より5000万倍も明るい天体が存在する。

84.10.78  別90
ガンタンパク質の働き
T.ハンター
ガン遺伝子は,正常な遺伝子の一部が変化したもので,通常は,生体に重要なタンパク質を暗号化している。

84.10.92
微生物が化石燃料をつくった
G.オリソン/P.アルブレヒト/M.ローマー
石炭や石油などに含まれる有機物質の大部分は,細菌や菌類といった微生物の脂質であることがわかった。

84.11.100  別74
情報管理ソフトウェア
M.レスク
メモリー内の膨大な情報を利用するには,データを体系化し,効率良く検索するソフトウエアが不可欠である。

84.11.112  別74
プロセス制御ソフトウェア
A.Z.スペクター
列車の運行,電力の配分,室温の管理など,コンピューターはプロセスの制御にも広く使われている。

84.11.124  別74
科学と数学のソフトウェア
S.ウォルフラム
コンピューターを使った“計算”は,物理や数学のシステム(系)を探る新しい手段になった。

84.11.138  別74
人工知能システム
D.B.レナート
人間がそなえている創造のための知的な道具を,コンピューターの中に実現する試みが続けられている。

84.11.14  別74
コンピューター・ソフトウェア
A.ケイ
利用者の頭の中に思い描く“幻想”を利用した新しい対話型ソフトウエアが生まれた。

84.11.24  別74
データ構造とアルゴリズム
N.ビルト
データ構造とアルゴリズムは,プログラムが意図した通りに働くかどうかを確かめる重要なカギを握っている。

84.11.36  別74
プログラミング言語
L.G.テスラー
非手続き的言語やオブジェクト指向言語,並列処理言語といった言語が,人工知能との関連で注目を集めている。

84.11.54  別74
オペレーティング・システム
P.J.デニング/R.L.ブラウン
このシステムは,関係する概念を抽象化のレベルごとに分けた階層構造に基づいて組み立てられる。

84.11.66  別74
自然言語処理
T.ウィノグラード
私たちが日常的に使っている自然言語を,コンピューターに処理されることは,きわめて難しい。

84.11.82  別74
コンピューター・グラフィックス
A.バン・ダム
CADや数学モデルなど,対話型コンピューター・グラフィックスが普及してきた。

84.12.100
ソ連の金属連続製造システム
A.I.ツェリコフ
原料の鉱石から最終製品まで,途切れることなく製造していくシステムが開発された。

84.12.110
軟骨
A.I.カブラン
軟骨は,骨形成の足場となったり,骨同士の動きを滑らかにするなど,生体で重要な役割を果たしている。

84.12.12  別75
“スターウォーズ”計画は核の脅威を減らすか
H.A.ベーテ/R.L.ガーウィン/K.ゴットフリード
ソ連の弾道ミサイルを宇宙から撃ち落とそうという米国の計画は,効果がないうえ,軍備拡大をまねく。

84.12.28
アジアの栽培稲の起源と伝播
渡部忠世
遺跡のれんがに含まれる籾(もみ)殻を手掛かりに,雲南とアッサムを結ぶ帯を起源地とする新説が生まれた。

84.12.40
地震波トモグラフィーでマントルを探る
D.L.アンダーソン/A.M.ジュオンスキー
多数の地震波データを解析することによって,マントル内の密度や温度の分布を3次元的に描き出せる。

84.12.60
ぎょしゃ座イプシロン星
M.ハック
この天体は“食連星”であり,主星を隠す伴星は,塵やガスの雲の中にある高温の若い星である。

84.12.70  別78
核酸をもたない生命体“プリオン”
S.B.ブルシナー
中枢神経系を浸す難病の原因となるこの感染症の物質は単一のタンパク質からなり,DNAやRNAを含まない。

84.12.86
水晶宮
F.T.キールステット
1851年,第1回万国博覧会のために,水晶宮はプレハブ工法でわずか17週間で建てられた。