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◆入選◆
閉空間内における爆風の可視化
織田友恵(おだ・ともえ)
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
田村善昭(たむら・よしあき)
東京大学インテリジェント・モデリング・ラボラトリー助教授
河村哲也(かわむら・てつや)
お茶の水女子大学大学院 人間文化研究科教授
図1    

(a)2次元流れ場の等圧線表示

(b)円形フィルターによるカラーシュリーレン法の模擬
色:密度勾配の向き 明るさ:密度勾配の強さ
 
図2    

(a)3次元流れ場の等圧面表示

(b)シュリーレン写真を模擬(真横から見たところ)
色の明るさ:横方向の密度勾配
 
 天然ガスの輸送パイプラインでの事故を想定した実験の計画がある。実験は長さ20mのパイプを8m×8m×40mのコンクリートボックス内で爆発させる。この実験装置を建設するにあたり,壁の強度を決定するために装置内部の流れ場の挙動と壁への圧力負荷をできるだけ正確に予測することが必要である。本研究ではこの閉空間における衝撃波の振る舞いを数値計算によって解析し,可視化することでその特性を調べた。
 可視化ソフトは著者の一人が開発した流体解析用ソフト・ポスト君を用いた。図1は2次元モデルの計算結果を可視化したものである。(a)は圧力等高線,(b)は円形フィルターによるカラーシュリーレン法を模した方法で表示させた。これにより,反射波は箱の下隅に収斂して強い圧力をもたらし,また内部では長い間強い波が残ることが分かった。
 図2は3次元モデルの計算結果を可視化したものである。(a)での圧力等値面の表示により,奥行き方向中央付近の断面では,現象の2次元的性が強いことが分かる。さらに,管端から発生した衝撃波の影響を調べるため,(b)では実験で用いられるシュリーレン法を模擬して可視化した。これは密度勾配による光の屈折を光路に沿って積分することで得られるもので,白あるいは黒く見えている部分が衝撃波などの強い波を表している。
 本研究では数値計算の結果を複数の手法で可視化することにより,数値だけでは得られない流れ場の挙動特性についてさまざまな知見を得た。