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◆入選◆
四次元骨格筋モデルを用いた人体の動作解析システムの開発
服部麻木(はっとり・あさき)
東京慈恵会医科大学 高次元医用画像工学研究所助手
鈴木直樹(すずき・なおき)
東京慈恵会医科大学助教授
山岬健一(やまさき・けんいち)
早稲田大学
大竹義人(おおたけ・よしと)
早稲田大学
山本洋子(やまもと・ようこ)
早稲田大学
図1  紡錘筋をモデル化した例(左:紡錘筋での筋束の方向を示す,中:紡錘筋の摘出標本,右:構築された紡錘筋モデル)  
 
図2  上腕部運動解析例  
 
 骨格筋の動態解析には筋電位計測による各筋の活動状況の観測が通常の手法であるが,筋電では筋の四次元的,つまり三次元空間上での時間変化を伴う動態の把握は困難である。そこで,生体三次元画像を用いて筋動態を四次元的に解析できるシステム構築を目指した。
 骨格と骨格筋の形状データは,計測条件を調整したMRIデータより得た。骨格筋モデルの構築では,実際の筋が筋繊維,そしてその集合体である筋束で構成されることに注目し,筋束を最小単位とするモデルを束ねて筋を構成した。筋束の配置は前述の形状データに沿って解剖学的な筋束の方向を考慮して行った。図1に紡錘筋をモデル化した例を示す。筋モデルの表面に筋束の配置の方向を見ることができる。また本モデルを駆動するためのヒトの各関節の動作データは,ビデオ画像を用いる方法と三次元位置センサを用いる方法で計測した。
 今回は上腕をモデル化し,筋の駆動状況を解析した。図2左は肘関節を上下に屈伸する様子をオーバーラップさせて示し,左上には4種類の筋動作時の筋長変化を示した。図2右は肘関節の動作を水平に行った場合を示した。
 以上,本システムでは動作の時間的,空間的変化を観察,解析できることがわかった。医学応用を考えると,筋損傷のある患者のデータから,筋損傷による周囲の筋肉への負担の解析やリハビリテーションの効果の評価,効果的な訓練法の適用等が可能になると考える。