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◆入選◆
攪拌凝縮法による株式市場の変動の可視化
斉藤康彦(さいとう・やすひこ)
  (株)アイネス システムリサ−チセンター
    NY02-1    
    NY02-2    
 攪拌凝縮法は,多数の度数分布から構成される系列における規則性を発見するための手法である。本手法では,多彩な画素をランダムかつ稠密に配置したテクスチャによって,度数分布を表現する。本手法を用いて,日本の株式市場の変動を可視化した。
 矩形のテクスチャを二段に重ねたアイコンは,毎日の終値の変動率と変動方向に基づく全銘柄の度数分布を表現する(図上)。このとき,約80パーセントの確率で,「特異点は,同じ方向に日経平均株価が変動する取引日の系列の後半に出現する」という規則性が成り立つ。したがって,特異点の出現によって,日経平均株価の変動を予測することができる。特異点とは,テクスチャに関して,「上段では,赤がやや弱く,黄や緑が強い」かつ「下段では,緑と青のどちらか一方が支配的である」という特徴を有する取引日である。これらの特徴は,以下を意味する。 (1) 変動率の絶対値が大きい銘柄が多い。 (2) 株価の上がった銘柄が,下がった銘柄よりも著しく多い(または,その逆)。
 1988年〜1997年のアイコンを,上下左右の間隔を空けずに敷き詰めると,抽象的なタペストリのような表現が得られる(図下)。ここでは,上から下に月を順に並べ,左から右に各月の取引日を順に並べている。バブルの絶頂期である1988年と1989年には,綾模様にむらがないが,バブルの崩壊が始まると,むらが出てくる。1990年と 1991年に見られた大きなむらは,1996年頃までは,次第に縮小していく傾向にあるが,1997年末には,再び大きくなる兆しがある。大きなむらは,多くの特異点の出現によるものである。むらの大きい期間は,市場が不安定であることから,投資リスクが大きくなる。