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| ◆入選◆ |
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| ゼロ交差点法によるにおい刺激時の脳波リズムゆらぎ |
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中川雅文(なかがわ・まさふみ) |
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順天堂大学医学部 講師
(順天堂浦安病院耳鼻咽喉科) |
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武者利光(むしゃ・としみつ) |
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(株)脳機能研究所 |
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認知や情動にかかわる脳機能は複数の神経活動が複雑なネットワークのなかで巧みな並列の情報処理を行っていると考えられる。オーケストラに例えると指揮者的役割の脳幹,コンサートマスターとしての視床・海馬,そして弦楽器,管楽器,打楽器といった各パートの楽器群の大脳皮質などとなろう。それぞれの脳内ニューロンの電位活動が織り成すハーモニーが脳機能ダイナミクスの本態といえる。ある一定の時間にわたって継続する記憶や情動に関する高次の脳機能は,脳内ニューロンのネットワークが相互にあるいは独立して発生する電位変化であり,その働きを理解するには,時系列上の変化と脳解剖学的構築との関連とを対比させながら検討する必要がある。嗅覚の高次中枢である嗅皮質は感情や記憶の処理を行なう大脳辺縁系の一部に存在し,においの記憶は非言語的,言語的,あるいは視覚的イメージなどの符号化処理と関わるマルチ符号化処理によるとされる。このため,においの情報処理メカニズムに関する検討は,高次脳機能研究のよいモデルといえる。
今回我々は,頭皮上の21点より脳波を記録し,α波帯域の脳波成分に対し本法による検討を行った。図では,納豆を腐敗臭(不快なにおい)として認識し,ブルーチーズ臭を好む(快いにおい)被験者の解析結果を示してある(図中,1/fゆらぎは黄色,白色ゆらぎは紫色として示す)。快いにおい刺激で前頭正中部分と頭頂正中および右側部分に1/fゆらぎを認め,不快なにおい刺激で後頭正中部に1/fゆらぎを認めた。情動や認知に関連する前頭前野や言語や聴覚に関する側頭野(快いニオイの時)あるいは視覚と関連のある後頭野(不快なニオイの時)で脳波リズムの1/fゆらぎが確認できた。においに関する脳のマルチ符号化処理過程が脳波リズムのゆらぎとして観測できた。本方法は,時空間にまたがり複雑なふるまいをする脳神経の機能的なダイナミクスを理解する可視化技術としてその研究応用が期待できる。 |
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