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◆入選◆
液面に落下する物体の数値シミュレーション及び可視化
肖 鋒(しゃお・ふぇん)
  理化学研究所 計算科学研究室 基礎科学特別研究員
三浦均(みうら・ひとし)
  理化学研究所 計算科学研究室 基礎科学特別研究員
清水鉄也(しみず・てつや)
  理化学研究所 計算科学研究室 基礎科学特別研究員
戎崎俊一(えびすざき・としかず)
  理化学研究所 計算科学研究室 主任研究員
    写真1
 液体に浮かぶ固体は周囲の流体から力を受けることで運動を変える。同時にその固体の影響で周りの流体も変化する。流体中に浮かぶ固体の運動を解明するためには,固体,液体を区別し,直接計算する必要がある。しかし,この種の数値計算を行う際に,複雑な移動境界の認識・追跡や,異なる物体の境界における動力学境界条件の取り扱いなど困難な問題があり,まだ解決していない。本研究では,これらの問題点に対し,新たに開発してきた計算手法を用い,液面に落下した固体と周りの流体の運動変化の3次元計算に成功した。計算結果を検証及び解析するために,数値データの画像処理を行った。 図の様に,液体の半分の密度をもった固体が液面に落下,激突する現象を計算した。固体の動き及び液面の変化に注目すると,固体表面及び液面は密度等値面として表現できる。照明光源は表面波を良く表せるように調整した。こうして作った画像を時間順に約100フレーム分並べ,アニメーションを作成した。画像結果に示す様に,固体が液面に接触した際に重力波が激起され,表面波として周囲に伝搬していく。更に,突入するにつれより大きな波が発生する。広がって行く波は容器の壁にぶつかり,反射する。こうした過程でできた波がお互いに干渉しながら伝搬し,非常に複雑な流れを作り出す。一方,固体は重力と浮力のバランスで浮上したり,沈下したりしながら,液体からの複雑な力を受け,回転運動も変化する様子が観察される。今回の可視化によって,固体・液体相互作用の三次元数値計算の結果が,あたかも日常観測される現象のように再現できた。本研究で試みた直接数値シミュレーションとリアルな可視化手法の組み合わせによって,今後,固体・液体混相流の複雑な自然現象の解明を進めることが期待できる。