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◆入選◆
絶滅哺乳類デスモスチルスの生体力学的復元
梅田昌弘(うめだ・まさひろ)
  慶應義塾大学大学院 理工学研究科 生体医工学専攻 山崎研究室 修士課程2年
山崎信寿(やまざき・のぶとし)
  慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 教授
    写真1
    写真2
 デスモスチルス(全長 3 [m],体重 1.5 [t])とは,およそ1500万年前の海岸地帯に生息していたカバ程度の大型哺乳類である.この動物は現生動物には見られない特異な骨形状をしているために,四肢を体幹の側方に張り出したワニ型姿勢に復元されている。しかし,その復元の妥当性や運動の可能性は明らかではなかった。
 このため本研究では,精密に測定した全身16 節の骨格に 98 の筋と靭帯をつけたシミュレーションモデルを作り,様々な姿勢による体重支持負担と歩行の容易さを評価する生体力学的復元を行った。その結果,骨格から推定される関節自由度からは,側方型支持において最も筋負担が減少し,かつ可動域を大きくとれることがわかった。ただし,この姿勢を維持するために必要な脚の筋断面積は,現生のゾウに匹敵する太さになることから,日常的には腹を接地していた可能性があると考えられる。
 また,筋効率が高い範囲で脚を動かすとすれば,その限界歩幅は45[cm]となる。さらに,この効率を維持するために,歩行中の筋の長さ変化が少なく,かつ遊脚期は障害物につまずかないように足をできるだけ高く上げ,立脚期は体幹の動揺を少なくするためにできるだけ地面と平行に動かすという条件のもとで最適な足先運動を決定した。歩行の周期を脚の自然な振動周期に合わせて歩行速度を推定した結果,クロール歩行で 12 [m/sec],トロット歩行で 36 [m/sec] となった。
 以上の結果を Autodesk 社製 3D STUDIO MAXを用いて埋没姿勢から骨格の組み立て,筋骨格モデルと姿勢復元,歩行復元結果の順に,約 2 分の映像にまとめた。