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BEYOND DISCOVERY
日経サイエンス
■ポリマーと人々
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1. イントロダクション
2. 自然を理解する
3. ポリマー産業の勃興
4. ポリマーを解明した科学
5. ポリマーの黄金期
6. 石油から作るポリマー
7. 自然への取り組み
8. 設計されたポリマー
9. クレジット
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BEYOND DISCOVERY
THE PATH FROM RESEARCH TO HUMAN BENEFIT
■自然への取り組み
 ポリマーの新しい応用分野が広がるにつれ,軟骨など人体組織の修復や代替物として使えないだろうかと考える研究者がでてきた。これはまったく新しいアイデアというわけではなかった。動物の結合組織に見られる天然ポリマーのコラーゲンは2500年以上前から外科用の縫合糸として使われてきた。また1860年代には,フランス人化学者メナール(Louis Menard)が10年ほど前に発明したばかりのコロジオンと呼ばれる人工ポリマーが,小さな傷を保護する“液体包帯"として用いられた。コロジオンは硝酸セルロースをアルコールとエーテルに溶かして作るが,傷に塗ると丈夫なフィルムになり,傷が治った後にはきれいにはがすことができる。ポリマーの優れた遮蔽性は,イタリア人生物学者ビシェリエ(Vincenzo Bisceglie)が1933年に行った実験でも重要な役割を演じた。ビシェリエはガン細胞をニトロセルロース膜に包み,モルモットに移植した。このガン細胞は膜のおかげでモルモットの免疫細胞の攻撃から守られ,生き残った。

 そうこうするうちに,人体の免疫系にいかに対処するかが医学の重要課題として浮上してきた。心臓や肝臓,腎臓の病気は多くが臓器の機能不全によって起きるという認識が高まり,病気の臓器を健康なものに取り替える臓器移植の試みが始まった。だが,人体の免疫細胞(外来の組織を見つけ出して破壊する働きがある)は,好ましくない細菌感染とせっかくの移植腎臓とを区別できない。コルチコステロイドやアゾスロピン,6-メルカプトプリンなど拒絶反応との闘いに役立った薬が初期にもいくつかあったが,問題が解決に向かうようになったのはようやく1969年以降,拒絶反応を引き起こす免疫細胞だけを土壌菌サイクロスポリンAが選択的に阻害することをスイス人微生物学者のボレル(Jean Borel)が発見してからだ。1983年に米食品医薬品局(FDA)がサイクロスポリンAを認可すると,移植外科医は強力な武器を手に入れ,以後,心臓や肝臓,腎臓に障害を持つ多くの患者の命が救われた。
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原文はNASのBeyond Discoveryでご覧になれます。
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