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鼻の形〜日経サイエンス2011年11月号より

寒冷地と高温多湿な地域で異なる機能を進化させたらしい

 

 鼻の形とその働きにどのような関係があるのか,科学者たちはかねて興味を抱いてきた。最近の研究で,鼻の内部構造の進化に気候が大きな影響を与えた可能性が示された。
 独テュービンゲン大学のノバック(Marlijn Noback)が率いる研究チームは最近,グリーンランドやシベリアなど寒く乾燥した地域の人たちは,パプアニューギニアやガボンなど高温多湿な地域の人たちに比べて,鼻腔が高く幅が狭いことを明らかにした。気候の異なる5つの地域に住む10グループについて,計100個の頭蓋骨の鼻腔をコンピューターを使って計測した。この結果,寒くて乾燥した地域の人たちの鼻腔は比較的高く,鼻腔上部の直径が急激に大きく変化していることを発見した。去る6月にAmerican Journal of Physical Anthropology誌オンライン版に発表。
 このように鼻腔の幅が狭いと,吸い込んだ空気が粘膜組織とよく接触するようになり,温まって湿度が上がるとノバックはいう。さらに,寒くて乾燥した地域に住む人は鼻道が比較的長く,空気がそこを通る間に体温にまで温まる。鼻腔の表面は繊毛という細い毛に覆われ,この繊毛が病原体やホコリをとらえて肺に至るのを防いでいるが,吸い込んだ空気が湿っているほうが繊毛はうまく働く。(続く)


続きは日経サイエンス2011年11月号でどうぞ。

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