中高生が学ぶ サイエンス講義

セコムのIS研が空間情報を講義 〜早大学院生、安全技術やドローンを見学

 早稲田大学高等学院と同中学部の生徒たちが2019年12月、セコムのIS研究所(東京都三鷹市)を訪れた。目﨑祐史所長はセコムが全国で約240万のビル・家屋などを約6000万個のセンサーを使って守っていることを紹介。生徒たちは安全・安心のサービスを実現するための先端技術を見学するとともに、建物の環境・安全設計や災害対策など様々な分野で使われている「空間情報」に関する講義を受けた。

 先端技術の見学では、生徒たちは防犯カメラと人工知能(AI)を使った最新のセキュリティシステムを体験した。撮影画像から誰が、どこで、何をしているかをAIが認識し、侵入者や不審者などを自動で検知する仕組みを学んだ。

現実世界をデジタル空間に再現
空港のターミナルビルで実用化している自律走行型の巡回監視ロボットや、自律飛行する警備ドローンの実機も見学した。不審車両をドローンが自動追跡して監視する実験動画を見た生徒からは、電線などの障害物を避けて飛行する仕組みに関する質問が出た。

 講義テーマの「空間情報」はこうした自律飛行にも使われる。現実世界の地理・空間に関するあらゆる情報をデータ化してデジタル空間に再現する技術で、ドローンは空間情報と搭載カメラなどの情報を組み合わせることで障害物を避けたり、設定された経路を飛行したりすることができるという。ほかにも風のシミュレーションと組み合わせた快適な建物の設計や、航空写真や衛星写真を使った被災地の復旧対策への活用事例も紹介された。

 講師を務めた井上雅子研究員は大勢の人が集まる大規模イベント会場の安全性を高める建築設計や運用計画、津波や洪水に対するリスク・コミュニケーションの取り組みを紹介しながら、複数の関係者が関わる合意形成にも空間情報を活用できると説明。「空間情報を使ってよりよい社会をつくりたい。これから技術者を志す人には欠かせない技術」と強調した。■

 

(日経サイエンス2020年8月号に掲載)
※所属・肩書きは掲載当時

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協力:日経サイエンス 日本経済新聞社