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睡眠中にひらめき誘導〜日経サイエンス2020年3月号より

問題の記憶を睡眠中に活性化すると解決につながるかも

 

問題が解けずに行き詰まったら,考えるのをやめるのが一番よい場合がある。といっても,意識的に中断して休むという意味だ。休憩や短時間の昼寝をすると,脳が解決法を編み出す助けになる場合があることが,過去の研究で示されている。いわゆるインキュベーション(孵化)効果だ。最新の研究は,睡眠中に音の合図を使って問題に意識を向けることによって,この効果を拡張した。

 

睡眠中に脳の一部はいくつかの記憶を再生し,それを強化し,変換している。特定の記憶をさらに強化することを狙って,標的記憶再活性化(TMR)という技法が10年ほど前に開発された。ある音を特定の記憶と関連づけておき,睡眠中にその音を再生すると,その記憶が再活性化する。さらに踏み込み,睡眠中にパズル問題に関する記憶を思い出させることが問題解決に役立つかどうかを調べた研究の結果が,昨年11月のPsychological Science誌に報告された。

 

音の再生で問題を再生

約60人の被験者が参加し,就寝前と一晩寝た後に研究室を訪ねてテストを受けた。まず被験者は空間的パズルと言語的パズル,概念的パズルに挑戦し,その際に問題ごとに特徴的なメロディーを背景に繰り返し流した。被験者が取り組んだものの解けない問題が6例たまるまで,これを続けた。

 

被験者は帰宅後,徐波睡眠(記憶の固定に重要とされる最も深い眠り)を検知する電極と,未解決の6題のうち3題に割り当てられた音を再生する装置を装着して一晩眠った。翌日,被験者は研究室に戻り,未解決の6つの問題に取り組んだ(翌晩は別のセットの問題を使ってこの実験を繰り返した)。全体で,被験者は音の刺激を伴った問題の32%を解き,音刺激のない問題では21%にとどまった。50%を超える回答率アップだ。(続く)

 

続きは現在発売中の2020年3月号誌面でどうぞ。

 

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