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視力抜群の子グモ〜日経サイエンス2020年1月号より

ハエトリグモの子は米粒大だが驚くほど視力に優れている

 

ハエトリグモの成虫は指の爪よりも小さいが,小型犬並みの視力がある。さらにハエトリグモの子供も,頭の大きさは親の1/100ほどしかないのに,親グモと同じくらい見えているようだ。最近,子グモのこの驚くべき能力の背景にある秘密が明らかになった。

 

「クモ恐怖症の人も,この小さなハエトリグモには引き込まれる。ハエトリグモは求愛のダンスを踊り,震動を使って歌い合う」と去る7月のVision Research誌に研究論文を共著したモアハウス(Nathan Morehouse)はいう(彼はこの研究をピッツバーグ大学で始め,シンシナティ大学で終えた)。ハエトリグモの驚異的な視力は多くの科学者を魅了している。

 

「私の知る視力研究者は全員,とにかくハエトリグモを愛している」とフロリダ国際大学で昆虫の視力を研究しているシオボールド(Jamie Theobald,今回の研究には加わっていない)はいう。「この驚異的な視力がどのように生まれているのか,非常に重要な疑問だ」。

 

光受容細胞の数

若いハエトリグモが狩りをする際に複雑な視覚的手がかりを利用することが観察されていた。若いクモが成体並みの視力を持つ理由を探るため,モアハウスらは22匹のクモについて,眼科医が使う検眼鏡のミニ版を用いて4セットある目のうちの1セット(正面についている動きをとらえる目)を調べた。非常に若いクモと成体に近い若いクモ,成体のいずれも,1つの目につき約7000個の光受容細胞があった。研究チームはさらに,これらのうち7匹を4カ月後に再び調べ,どのクモにも新たな光受容細胞は生じていないことを突き止めた。

 

この結果は,クモの光受容細胞が成長につれて増えるのではなく,孵化したときにすべてがそろっていることを示している。(続く)

 

 
 
続きは現在発売中の2020年1月号誌面でどうぞ。

 

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