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サハラ砂漠の誕生日〜日経サイエンス2020年1月号より

アフリカ西岸の島の堆積物から推定値が絞り込まれた

 

サハラ砂漠は世界最大にして最も有名な亜熱帯砂漠だが,驚くほど限られたことしかわかっていない。その形成時期に関する推定でさえ,500万年以上前からわずか数千年前までと,ばらつきが大きい。だが最近,風によって運ばれたサハラ砂漠の塵をカナリア諸島で調べている地質学者たちが,この問題の答えを絞り込んだ。500万年前に近いという。

 


Hamed Saber

サハラ砂漠の年齢が不確かである理由のひとつは,研究者が推定に用いている方法が様々に異なるからだ。大西洋の海底堆積物に見られる砂塵を調べる方法や,砂岩の分析,古代気候のモデル化といった手法がある。米地質調査所の地形学者ムース(Daniel Muhs)らは事態を収拾すべく,スペインのフエルテベントゥラ島とグラン・カナリア島の堆積物を調べ,サハラ砂漠の塵を発見した。塵は古い地層にあり,同じ層で見つかった化石をもとに年代を推定したところ,海底堆積物の研究による以前の推定と一致した。論文は去る11月のPalaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology誌に発表。

 

ノルウェーのベルゲン大学にいる気候モデル専門家チャン(Zhongshi Zhang)は「この研究の結論は非常に優れている」と評する。島で発見された砂塵は海底堆積物とは別のものなので,数百万年という推定を補強する証拠となる。

 

サハラ砂漠は空中を浮遊する塵の世界最大の供給源で,それらの塵が届く範囲はアフリカ西岸のカナリア諸島にとどまらない。カリブ海やアマゾンの雨林などにも届くとムースは指摘する。アマゾンの土壌はもともと養分に乏しいが,今回の結果はアフリカから飛来した養分に富む塵が南米アマゾンの驚くべき生物多様性を何百万年も支えてきた可能性を示すという。アマゾンの起源の物語に新たな1ページが付け加わる。■

 

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