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先延ばしを防ぐ支援ツール〜日経サイエンス2020年1月号より

課題ごとにご褒美ポイント,ゲーム感覚でやる気引き出す

 

すぐに満足を求めるか,それとも将来の利益のために我慢するか――この選択で人は近視眼的な決定をしてしまうことが多い。例えばジムに行くのではなくテレビを見続け,難しい課題に取り組まずにソーシャルメディアをスクロールする。「目の前のご褒美と長期的な価値をうまく評価できないため,長期的に見て自分にとって最善なことをするのがひどく難しい場合が多い」とドイツのテュービンゲンにあるマックス・プランク・インテリジェントシステムズ研究所の認知科学者リーダー(Falk Lieder)はいう。

 

リーダーらは各個人を最善の選択に導くためのデジタルツールを開発した。彼らが“認知補助装具”と呼ぶこのツールは,ある決定がすぐにもたらす利益と長期的な価値を人工知能によって比べ、「やることリスト」全てに対する人の意思決定を助けることができる。課題リストと各課題に対する個人の主観的な抵抗感,費やせる時間の量など様々な要素を考慮する一連のモデルとアルゴリズムを開発した。このシステムはユーザーに合わせて各課題にご褒美ポイントを割り当て,ユーザーがすべての課題を完了するように仕向ける。

 

「人が現実世界で行っている困難な取り組みをゲームのような環境に変えようというアイデアだ」とリーダーはいう。「ご褒美ポイントは最も手近で達成可能な目標をユーザーに与え,ユーザーは自分が前進していることがわかる」。

 

研究チームは被験者を集めて行った一連の実験で効果を試し,その結果を去る8月のNature Human Behaviour誌電子版に発表した。このAI支援システムは被験者がより適切な意思決定を迅速に行うのに寄与し,物事の先送りが減った。また,与えられた課題をすべて完了する率が高まった。被験者120人に複数の作文課題のリストを示した実験では,このツールを使った被験者の85%が全課題を完了した。ツールを使わなかった被験者では56%にとどまった。(続く)

 

続きは現在発売中の2020年1月号誌面でどうぞ。

 

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