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卓上の重力波検出器〜日経サイエンス2019年12月号より

原始重力波などの検出を狙い,ノースウェスタン大学の計画が始動

 

ビッグバンから1秒以内に生まれた一連の原始ブラックホールは膨張を続ける宇宙に重力波の波紋を広げたかもしれず,その重力波を現在も検出できる可能性がある。ノースウェスタン大学の研究者たちが最近,こうした原初の響きをとらえる初の卓上サイズ検出器の計画に着手した。

 

10億ドル規模を投じた巨大なLIGO(レーザー干渉計重力波天文台)は2016年,重力波を初めて計測した。遠い宇宙で大質量のブラックホールが衝突・合体して生じた重力波だった。それ以降,これら巨大な検出器は中性子星の合体で生じた重力波も記録した。これに対し7月に一部資金を獲得して計画が動き始めたノースウェスタン大学が提案する小型検出器は,より高い周波数の重力波をとらえられる可能性がある。原始ブラックホールなど,これまで観測されたことのない天体からの重力波だ。

 

新タイプの超高感度検出器

米国のLIGO や欧州のVirgoといった既存の重力波検出器は,鏡を備えた長さ数kmに及ぶ“アーム”にレーザーを通し,通過する重力波が引き起こしたごくわずかな距離の変化を測定する。ノースウェスタン大学の「浮上センサー検出器」はレーザーを使って真空容器中にガラスビーズを浮遊させるもので,アーム長は1mにすぎないものの極めて高感度の力センサーになる。原始ブラックホールの形成や,「アクシオン」という理論上の粒子の活動から生じる重力波を聞くことになる。これらはどちらも謎の暗黒物質(ダークマター:宇宙の質量の大半を占める可能性があるが,重力を通してのみ存在が示され,目には見えない物質)の候補だ。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年12月号誌面でどうぞ。

 

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