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セクハラ告発の代償〜日経サイエンス2019年10月号より

職場での告発はいまだにしっぺ返しを伴っている

 

#MeToo(ミートゥー)運動の成果にもかかわらず,女性はしっぺ返しの恐れから職場でのセクハラ被害をいまだに訴えにくい。ある最近の研究は,セクハラを自己報告した女性従業員に対して人々が実際にマイナスの判断を下している可能性を示している。

 

スタンフォード大学で社会学を専攻する博士課程の学生ハート(Chloe Grace Hart)は,2017年末から2018年初めにかけて,ある実験を5回行った。各回とも男女その他ジェンダーの約200人が参加した。これら被験者に自分が企業の管理職であると想像し,サラという名の仮想の女性販売員の昇進について考えるよう頼んだ。被験者を5つのグループに分け,4つにはサラが男性の同僚から受けたハラスメント(セクハラまたは非性的な嫌がらせ)に関する情報を含む人事ファイルを渡した。ハラスメント事例はサラが自己報告したものか,同僚が報告した事例のいずれかにそろえてある。5つめのグループには,同じ人事ファイルだがハラスメントの記録がないものを渡した。

 

そのうえで,被験者にサラの昇進をどれくらい推薦するかを,1(まったく推さない)から7(非常に強く推す)までの点数で評価してもらった。この結果,サラがセクハラ被害を自己報告した場合,被験者がサラの昇進を推す評価点数は,セクハラ被害を同僚が報告した場合に比べ平均で0.37ポイント低かった。サラが非性的ハラスメントを自己報告した場合と比べても0.16ポイント低かった。そして人事ファイルにハラスメントに関する記載が何もない場合と比べると0.11ポイント低かった。5月の Gender & Society誌電子版に報告。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年10月号誌面でどうぞ。

 

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