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紫外線照明で衝突防止〜日経サイエンス2019年10月号より

鳥と送電線の衝突を防ぐ巧みな考案

 

人間の活動は環境汚染から建造物まで様々な要因によって,野生動物の命をかつてないスピードで奪っている。一部の鳥は夜間に送電線と衝突することで個体数をかなり減らしている。そこで最近,鳥にとって電線を見やすくし,それでいて人間には目障りにはならない巧妙な方法が考案された。

 


U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters

電力業界と米魚類野生生物局(FWS)のガイドラインはともに,送電線にプラスチック製の目印をつけて視認性を高めるよう電力会社に推奨しているが,それでも鳥の衝突死は続いている。2009年春,カナダヅルが渡りのシーズンに毎年立ち寄るネブラスカ州ロウ・サンクチュアリで目印つきの電線に衝突し,1カ月で300羽が死んだと生物学者チームが報告した。「送電線に衝突する危険がもともと高い大型の鳥だけでなく,将来に備えて多くの小型渡り鳥を守る方策が必要だ」と国際ツル財団(ICF)のレイシー(Anne Lacy)はいう。

 

ツルの衝突98%減

鳥類の種の半数は紫外線を視認できる。そこでコロラド州フォートコリンズにある公益事業コンサルティング会社EDMインターナショナルの野生生物学者ドワイヤー(James Dwyer)は,近可視紫外線で送電線を照明することを思いついた。EDMの技術チームと電力会社ドーソン・パブリック・パワー・ディストリクトはそうした照明システムを開発し,ロウ・サンクチュアリにある送電塔の1つに設置した。紫外線照明を点灯した38夜の間,ツルの衝突は98%減った。5月のOrnithological Applications誌オンライン版に報告。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年10月号誌面でどうぞ。

 

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