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国内学会,中高生に熱い視線〜日経サイエンス2019年8月号より

情報処理学会や分子生物学会,物理学会などが成果発表や出張授業

 

情報技術や生物学など国内の学会が,それぞれの分野に関心を持つ中学生や高校生らを増やそうと,様々な取り組みに力を入れている。情報処理学会は中高生らが投稿した論文の無料掲載を始めたほか,日本分子生物学会は高校生向けに出張授業を開催した。意欲のある生徒に学会への興味を抱いてもらい,研究者を目指す若者を育成しようとしている。

 


河合塾/日経サイエンス

情報処理学会は2019年度から主として中高生が研究した成果に限り,論文の掲載料を無料にした。学会が設けた会員費無料のジュニア会員になることが条件だ。対象となるのは大学3年生以下で,ジュニア会員1600人のうち約600人は高校生以下が占めている。

 

2018年には高校生の発表した論文が採択されるなど,最先端の研究に関心を持つ中高生が増えている。ただ,中高生やその指導教員は十分な研究費を確保していない。通常は1回あたり10万円以上かかることが多い学会発行の査読付き論文誌への掲載料を自費で支払わなければならず,それが投稿を妨げる要因となっていた。無料化に踏み切ることで中高生が研究に取り組みやすい環境を整える。

 

若い柔軟な発想に期待

情報技術は技術トレンドの移り変わりが速く,若い世代の柔軟な発想を生かしやすい分野だ。国の天才プログラマー発掘事業「未踏」でも,17歳以下の生徒を公募する「未踏ジュニア」を設けている。情報技術の中には人工知能(AI)やデータサイエンスといった社会的関心の高い分野も含まれており,高校生の段階から情報技術の研究に関心を持つ生徒の受け皿となることを狙う。

 

論文投稿のハードルを下げて,研究成果を公開できる場も設けた。同学会は3月の全国大会で中高生向けのポスター部門を新設した。福岡大学で開かれた全国大会の中高生向けのポスター部門には,1チーム4人以下の37チームが参加した。こうした部門を設けることによって成果を発表しやすくし,中高生がお互いに競い合う環境を整えた。

 

最優秀賞は手書き数字の判定システムを開発したチームが受賞。優秀賞にはプログラムの脆弱性を確かめるセキュリティー機能を開発したチームと,急病時に周囲の人が必要な処置をするための連携システムを研究したチームを選んだ。自動運転バスの車線維持システムやスマートフォンの使いすぎの改善などの成果を発表した5チームを奨励賞とした。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年8月号誌面でどうぞ。

 

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