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できるロボット〜日経サイエンス2019年7月号より

シミュレーションを通じて歩き方を事前に学習した四足ロボット

歩き,走り,物をつかめるようにロボットをプログラミングするのは一苦労なので,ロボットが自分で学習してくれるほうが望ましい。しかし実際のロボットを試行錯誤で学習させるとあちこち傷む問題があるため,ロボットの動きをシミュレーションし,学習したスキルを本物のハードウエアにダウンロードする方法を複数の研究グループが開発している。今回,実際のロボットから得たデータを用いてこの種のシミュレーションを改良する新手法が登場,フィードバックループを完成させた。この結果,速度と敏捷性が向上したロボットができあがる。

敏捷で器用な「エニマル」
エニマル(ANYmal)という四足ロボットを使って研究中のスイス連邦工科大学チューリヒ校のチームは,ニューラルネットワーク(人間の脳にヒントを得たソフトウエア)によってそのアルゴリズムを強化した。ロボットが現実の世界でヘマをすると,ニューラルネットワークはロボットの各モーターの変な動きを学習する。この情報がシミュレーションにフィードバックされ,実際のロボットをより正確にモデル化するのに役立てられる。シミュレーションはより効果的な動かし方を生み出し,利用者はこれをダウンロードできる。実験でエニマルは以前の速足のスピードを25%上回り,記録を更新した。さらに,押されてもバランスを回復し,ひっくり返されても起き上がることができた。1月のScience Robotics誌に報告。



エニマルはスイス連邦工科大学チューリヒ校のスピンオフ企業エニボティクスから購入できる。関節に内蔵されているモーターは腱のようなばねを備えており,これで衝撃を吸収し,エネルギーを貯蔵し,感覚フィードバックを提供している。それぞれの足に3個のモーターがあり,すべて交換可能だ。シミュレーションに基づくこの訓練法の開発に協力したロボット工学者ファンボ(Jemin Hwangbo)は,エニマルは救助作業と石油掘削リグの検査を目的に作られたという。防塵・防水の胴体の内部に重いデジタル脳を抱えながら,階段を上りトンネルのなかを進むことができる。ケブラー(アラミド樹脂)製の腹部のおかげで50cmの落下に耐える。(続く)

続きは現在発売中の2019年7月号誌面でどうぞ。

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