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ネコは自分の名前を聞き分ける〜日経サイエンス2019年7月号より

似た響きの単語と区別している

 

ネコが人間に無頓着なのは周知の通り。ほぼすべての飼い主が,名前を呼んでも無視されると証言するだろう。だが最近の研究は飼いネコが自分の名前を確かに聞き分けていることを示している。名前を呼ばれてそのまま歩き去っていくときでも,ちゃんと認識しているのだ。

 

名前を聞いたときの反応を比較

上智大学の行動科学者である齋藤慈子(さいとう・あつこ,総合人間科学部准教授)はネコが飼い主の声を認識できることを以前に示していた。最新の研究では,ネコが自分の名前を聞いてどう反応するかに的を絞り,日本の家庭と1軒の“猫カフェ”から合計78匹のネコを集めて調べた。

 

まず,飼い主にネコの名前と似た響きの単語4つを繰り返し発話してもらい,当のネコがそれらの単語に反応しなくなるまで慣らした。次にネコの名前を発話してもらい,当のネコが他のネコと一緒にいる状態で,それを認識できるかどうかを観察した。ネコたちは自分の名前を聞いた場合のほうが似た単語や他のネコの名前を聞いたときよりも,より明白な反応(ニャアと鳴く,耳や頭,尻尾を動かすなど)を示したという。4月のScientific Reports誌に報告。

 

研究チームはまた,飼い主ではない知らない人にネコの名前を発話してもらう実験もした。この場合も,飼い主に呼ばれたときほどではないものの反応を示し,自分の名前を認識していると考えられた。
 

 
「多くのネコが飼い主に自分の名前を呼ばれた場合に反応することを,この研究は明確に示している」と,以前に人間と動物の相互作用を調べた英ブリストル大学人間動物関係学研究所の生物学者ブラッドショー(John Bradshaw,今回の研究には加わっていない)はいう。だが,よく知らない人に名前を呼ばれたときにネコがそれを認識できるという点については,あまり確信できないという。「一部のネコがある人物の声と他の人の声の全般的な特徴を区別できているというのは十分にありえるとは思うが,今回の結果が確実だというには,もっと実験を重ねる必要があるだろう」という。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年7月号誌面でどうぞ。

 

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