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子宮頸がんアプリ〜日経サイエンス2019年6月号より

AIが画像解析して診断

 

子宮頸がんを発見する最も一般的で費用のあまりかからない方法にパップテスト(子宮頸部細胞診)がある。子宮頸部からこすり取った細胞を検査ラボに送って調べる方法だ。しかし,この方法は低所得国では簡単に入手できない装置と専門技術を必要とする。そこで現在,人工知能(AI)を使って写真から前がん細胞やがん細胞を発見するアプリの開発が進んでいる。

 

開発に取り組んでいるのは,米国立衛生研究所(NIH)とグローバル・グッドの研究者たち。後者はビル・ゲイツと研究開発企業インテレクチュアル・ベンチャーズが共同で進める取り組みだ。1月のJournal of the National Cancer Institute誌電子版に報告された予備的な結果によると,この方法は低所得国での子宮頸がんの診断を大きく改善できる可能性がある。

 

専門家を上回る好成績

パップテストを実施する余裕のない国や地域では子宮頸がんの罹患率が高くなっている。これらの地域では精度の低い診断技術が使われていることが多い。希酢酸をつけた綿棒で子宮頸部をこすり,異常な細胞を示す白いスポットが生じるかどうか,目視で調べている。

 

NIHの研究者たちは7年以上をかけ,9400人を超えるコスタリカの女性の子宮頸部の画像を撮影した。この画像を使ってAIアルゴリズムを訓練し,異常組織の特徴を認識して後のがんの発達を予測できるようにした。このアルゴリズムに新たな画像を解析させたところ,専門家が画像を見て判断した場合よりも好成績を上げた。

 

「どの子宮頸部が前がん状態であるか,あるいはそうでないかを,コンピューターのほうが高感度で明確に判断できるとは驚きだった」と,米国立がん研究所の分子疫学者でこの論文の上級著者となったシッフマン(Mark Schiffman)はいう。「実際,AIがカンニングをしているのではないかと思ったほどだ」。研究チームは最終的にこのアルゴリズムを改良して携帯電話に実装し,デジタルカメラで撮影した写真でプログラムを学習させようと計画している。■

 

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