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手のひらに乗る恐竜〜日経サイエンス2019年6月号より

過去最小の足跡化石を韓国で発見

 

韓国で見つかった1億1000万年前の長さ1cmの足跡の列は,これまでに発見された最小の恐竜(鳥類を除く)が残したものだと考えられる。「信じがたいほど小さな肉食恐竜のものだ」と,この発見を報告する論文を共著した豪クイーンズランド大学のポスドク研究員ロミリオ(Anthony Romilio)はいう。「この発見の前には,手のひらに2~3頭を乗せられるほど小さな肉食恐竜がいると考えた人は,まずいなかった」。

 

個々の足跡は数字の11に似ており,足跡の主はそれぞれの足の2本の指を地面に着けて歩いていたと考えられる。このタイプの足跡を残すことが知られている恐竜はドロマエオサウルス科の恐竜だけだ。映画『ジュラシック・パーク』でおなじみのヴェロキラプトル・モンゴリエンシスなど,足の速い肉食恐竜である。ドロマエオサウルス類は片足に指が4本あり,1本はネコの上指のようにごく小さく,もう1本は鎌形の爪があって歩くときは地面に着いていなかった。
 

 

この足跡を残したスズメほどの大きさのドロマエオサウルスは,腰までの高さがたった4~5cmだったと考えられる。韓国の晋州(チンジュ)で見つかったこれらの足跡の列は,晋州教育大学校のキム(Kyung Soo Kim)が率いるチームによって昨年11月のScientific Reports誌に報告された。

 

足跡の主は成体か幼体か

この足跡は鳥類以外の恐竜としてはこれまでに知られる限り最も小さな恐竜の成体が残したものだろうとロミリオはみている。だが,恐竜の赤ちゃんの足跡である可能性も残っている。よく似ているが10倍大きな足跡(おそらく成体のもの)が,30km離れた発掘現場で見つかっている。どちらが正しいかを突き止めるには,今回の足跡化石が見つかった領域で骨格化石を見つける必要があるとロミリオは指摘する。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年6月号誌面でどうぞ。

 

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